【目次】
・年越しそばを食べるタイミングに決まりはない
・年越しそばを食べる3つの意味
・年越しそばの作り方
・年越しそばを食べるときのポイント2つ
・【地域別】年越しそばの違い
・年越しそばを食べて新しい1年を迎えよう
年越しそばを食べるタイミングに決まりはない
年越しそばを食べるタイミングに決まりはありません。昼食や夕飯に食べるのも、夕飯後や除夜の鐘を聞きながら食べるのも、どれも問題ではないのです。
もちろん年越しそばは必ず食べなければいけないものでもないため、新年を迎えるからといって食べなくても影響はありません。各家庭によってライフスタイルが異なるため、食べやすいときに食べるのがよいでしょう。
大みそかに年越しそばを食べない地域もある
年越しそばを食べるタイミングとして、一般的なのが大みそかです。しかし地域によっては大みそかではなく、新年を迎えてから食べるところもあります。
例えば新潟県では「十四日そば」と呼ばれる風習があり、毎年元旦や1月14日にそばを食べます。地域によってさまざまな風習があるため、年越しそばは大みそかに食べるものと一概にはいえないでしょう。
年越しそばを食べる3つの意味
年越しそばを食べる理由として、以下の3つがあります。
・その年の厄を払う
・健康長寿を願う
・金運アップを願う
年越しそばを食べることで、その年の厄を払い、気持ちを新たにして新年を迎えられるといわれています。またそばは長く伸ばして細く切っている様から、健康長寿の縁起物としても人気です。
他にもかつて金細工職人がそば粉を使用していたことから、金運アップを期待する人もいます。ここでは、年越しそばを食べる理由について解説します。
1. その年の厄を払う
年越しそばを食べると、その年の厄を払うことができるといわれています。そばは他の麺類と比較すると噛み切りやすく、厄災を新年に持ち越さないとの意味が込められているのです。つまり悪い物を断ち切り、気持ち新たに新年を迎えたいという気持ちの現れともいえます。
そのため縁起を担いでその年の厄を払ってから新年を迎えたい人は、年越しそばを大みそかの0時までに食べ切っておくのがおすすめです。
2. 健康長寿を願う
年越しそばは、健康長寿を願って食べられています。そばは長く伸ばして細く切って作られるため、「長生きできるように」との願いが込められているのです。
またそばは雨風が激しい環境であっても、日光が当たればすぐに元気に成長する様から、健康に対しての願いも含まれています。そのため翌年の健康長寿を祈願する意味も込めて、年越しそばは食べられています。
3. 金運アップを願う
年越しそばは、金運アップの願いが込められています。昔の金細工職人は、飛び散った金粉を集める際にそば粉で作った団子を使っていました。そこからそばには金を集めるというイメージが定着し、金運を向上させる縁起物として考えられるようになったといわれています。
そのため年越しそばを食べることには、翌年の金運をアップさせたいとの願いや商売を繁盛させたいとの思いが込められています。
年越しそばの作り方
年越しそばの基本的な作り方は、以下のとおりです。
【かけそば】
1. そばを茹でた後、冷水で締める
2. お湯で温めておいた器にそばを盛り、かけ汁を注ぐ
【ざるそば】
1. かけそばと同様、そばを茹でた後、冷水で締める
2. 器に盛り、つゆにつけながら食べる
具材は自由に盛り付け、かけ汁もお好みで調整します。ちなみに関東では鰹節で出汁を取り、関西は昆布で出汁を取ることが多いようです。
年越しそばを食べるときのポイント2つ
年越しそばは食べるタイミングだけでなく、食べ方や具材にも決まりはありません。かけそばでもざるそばでも問題ありませんので、好みに合わせて選びしょう。具材もシンプルにそばだけでも問題ありません。
もちろん、具だくさんの年越しそばでも問題はなく、自分なりのおいしく食べられる方法を選びましょう。具材を選ぶ際は、縁起の良いといわれる食材を選ぶのがおすすめです。ここでは、年越しそばを食べるときのポイントをご紹介します。
1. かけそばでもざるそばでも問題ない
年越しそばを食べるタイミングに決まりがないように、食べ方にも決まりはなく、かけそばでもざるそばでも問題ありません。しかし大みそかは寒い時期であるため、かけそばにして食べることのほうが多い傾向が見られます。
ざるそばにしてつけ汁を温かくする、といった工夫をするのもおすすめです。年越しそばは自分の好みに合わせて、好きなスタイルで食べるのがよいでしょう。
2. 具材は好きなものを選ぶ
年越しそばに盛り付ける具材も決まりはありません。具材を盛り付けないシンプルなそばから、具だくさんのそばまで自由にアレンジするとよいでしょう。
年越しそばは縁起物でもあるため、具材も縁起を担いだものを選ぶのがおすすめです。例えば海老は茹でると曲がることから、「腰が曲がるまで長生きできるように」との願いが込められています。そのまま入れたり、えび天やかき揚げにしたりと好みに合わせるとよいでしょう。
薬味として使われるネギには、「労う(ねぎらう)」との意味が込められています。他にもニシンや卵など、縁起の良い具材は数多くあります。
【地域別】年越しそばの違い
年越しそばは地域ごとにさまざまな特徴があり、先述したとおり、関東と関西によって出汁の取り方も異なります。他にも具材に特徴があったり、食べ方が一般的なそばとは異なったりと、地域ごとに違いが見られます。
なかには年越しそばとして、そばではなく、うどんやソーキそばなどを食べる地域もあり、まさに地域の歴史や風習が影響しているといえるでしょう。ここでは、地域別の年越しそばを3つご紹介します。
地域ごとの年越しそばの違いから、その地域の歴史や風習を窺い知ることができるでしょう。
岩手県:わんこそば
岩手県では、年越しそばにわんこそばを食べる風習があります。わんこそばとは岩手の郷土料理のひとつで、そばが小分けになっており、満腹になるまで何杯ももてなす料理のことです。
わんこそばはつるっと食べられるように、通常よりも長めのそばが使用されています。かつては年齢と同じ数のわんこそばを食べる風習もあったようです。
北海道・京都:にしんそば
北海道はにしんの産地であり、明治時代ににしんの調理方法が紹介されたことをきっかけに、にしんそばが定着したといわれています。また京都では、にしんの干物である「身欠きにしん」を使ったにしんそばが有名となり、今でも年越しそばとして人気です。
北海道では濃口醤油を用いた関東風の出汁で、京都は淡い色合いの薄口の出汁で作られたにしんそばが主流になっています。
香川県:年越しうどん
うどん県とも呼ばれる香川県では、年越しうどんを食べる風習があります。年越しうどんは1本が太くて長いため、「太く長く生きられるように」との願いが込められています。
そのためそばだけではなく、年越しうどんにも長寿を祈願する縁起物として人気です。年越しそばを食べたくない人やアレルギーがある人は、年越しうどんを試すのもいいかもしれません。
沖縄ではソーキそばを年越しそばとして食べる習慣があるので、こちらもそばアレルギーの人におすすめです。
年越しそばを食べて新しい1年を迎えよう
年越しそばを食べるタイミングに決まりはありません。昼食時や夕食時、除夜の鐘が鳴るときなど、好きなときに食べましょう。また各家庭のライフスタイルに合わせて選ぶのもおすすめです。
なお年越しそばには、その年の厄を払うという意味も込められているため、縁起を担ぎたい場合は、新年を迎える前に食べ切るのがよいかもしれません。好みの具材を盛り付けて、おいしく年越しそばを食べましょう。
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