「嗽」ってなんと読む?
新型コロナウイルス予防にもひと役買っている嗽。この漢字は、一体何と読むのでしょうか?
◆正解は…『うがい』
嗽は「うがい」と読みます。漢字で書けるなんて知らなかった! という方も多いのではないでしょうか。
そして「嗽」は実は「せき」とも読みます。どちらも口の中から吐き出すところが共通していますよね。とはいえ、嗽と書いて「せき」と読むことはほぼなく、「せき」は「咳」を使います。咳のことを咳嗽(がいそう)や嗽咳(そうがい)と表す際に、嗽が用いられています。
◆うがいの由来は鵜飼い
うがいはわたしたちの生活習慣として、新型コロナウイルス蔓延前からおこなわれていますよね。その歴史は古く、平安時代にはうがいがおこなわれていた、とされています。
このうがいの由来は、鵜飼い(うかい)。鵜飼いとは「鵜を飼いならして鮎(あゆ)などをとらせること。また、その鵜を使うのを職業とする人」のこと。鵜という鳥を使って漁をすることなんですね。
夜、火を焚きながら小舟を出し、光に驚いて動きが鈍くなった鮎などの川魚を鵜が捉えます。鵜の首には紐が結びつけてあり、小さなサイズの魚はそのままお腹の中に飲み込まれますが、大きなサイズの魚は飲み込まれないようにしてあります。
そして、その大きなサイズの魚を鵜の口から吐き出させることで捕まえるのが鵜飼いの方法なんですね。鵜が魚を口から吐き出す様子から「うかい」というようになり、「うかい」が「うがい」に変化していったそうですよ。
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いかがでしたか? 平安時代からの生活の知恵であるうがい。新型コロナウイルスの猛威は続いていますので、引き続きしっかり手洗いうがいで予防していきましょう!
言葉の意味/デジタル大辞泉
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!