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LIFESTYLE

2020.06.29

真夏のひんやり感には「ミント」がおすすめ! 秘密は冷感センサー?

暑い夏にひんやり感を求めて手にするクール系アイテムには、ミントの主成分であるメントールが配合されています。なぜメントールは“冷たさ”を感じるのでしょう? これには、マンダムが長年研究する細胞の感覚センサー「TRP(トリップ)チャネル」が関係していました。

マンダム 製品評価研究所 高石雅之(たかいし・まさゆき)

お茶やおフロ、暑い日はミントで清涼感を得よう!

暑さが増しているこのごろ、快適に過ごすための冷却グッズが店頭に数多く並んでいます。代表的なのは、ペーパー化粧品やデオドラントスプレー。これら製品のスゥーッとする爽快な感覚(冷感)はミントの主成分であるメントールなど清涼成分がもたらしているため、ミントを上手に取り入れれば手軽に涼を感じられるというわけです。

◆ミントティーでクールなティータイムを

(c)Shutterstock.com

ミントの爽快感に着目した食文化は古くからあり、暑い地域であるアラブやアフリカ、モロッコではお茶にして飲む習慣があります。暑いのにホットのミントティーを飲むの? と不思議に思いますが、ミントの清涼感は暑さを心地よくしのいでくれるのだとか。

作り方は簡単で、洗ったフレッシュミントの葉を温めておいたティーポットに入れて熱湯を注ぎ、3〜5分ほど蒸らせばOK。お好みで砂糖やハチミツなどの甘みを加えてもおいしいです。

◆ミントバスでクールダウン&リラックス

(c)Shutterstock.com

メントールの成分はおフロでも活躍してくれます。例えば、ハッカ油ともいわれるミントオイルをほんの一滴、湯船にたらすだけでミントバスに変身。涼やかなバスタイムが楽しめるだけでなく、すがすがしい香りでココロもリラックスさせてくれます。暑い夏はシャワー派の人が多くなりますが、ミントバスならさわやかに入浴できて快適。ただし、ミントオイルには刺激作用があります。くれぐれも入れすぎにご注意ください

このように清涼感を与えてくれるミント。実は主成分であるメントールに温度そのものを下げる効果はなく、サーモグラフィーで見ても表面的な温度は下がっていません。冷涼感は、あくまで体感。次章では、そのメカニズムに迫ってみます。

清涼感を得る秘密は「冷感センサー」にあった!

(c)Shutterstock.com

私たちのカラダが感じる暑さや寒さは外部の温度に左右されています。それは、皮膚に温度を感知する細胞の感覚センサー「TRP(トリップ)チャネル」があるから。外部からの刺激をTRPチャネルが感知し、脳へと温度の情報を伝達することで私たちは「熱い」や「冷たい」を感じるのです。

◆涼しく感じるのは、冷感センサー「TRP(トリップ)M8」が反応するから

温度を感知するTRPチャネルはいくつもの種類があり、それぞれ活性化する温度が異なります。そのなかの「TRPM8」は約26℃以下の温度で活性化する冷感センサー。また、「TRPM8」は、特定の化学物質にも反応し、ミントのメントールによって活性化。そのため、実際に温度が下がっていなくても冷感センサーが反応し、涼しさを感じることができるのです。

◆ミント×アイスで、さらに涼しく!

TRPM8には、“メントール×冷刺激”で活性化。温度のしきい値が上昇するといった特徴もあります。つまり、冷風をより冷たく感じるのです。例えば、ミントタブレットを食べたときに息を吸うと空気をとても冷たく感じますし、アイスクリームにミントをのせればアイスの冷たさをさらに得やすくなりますよね。

メントールを増やせば清涼感は強まるの?

(c)Shutterstock.com

清涼感のある化粧品には配合されていることが多い、メントール。この量を増やせばさらにひんやりできるでは? と思いますが、そう単純ではありません。メントールを増量すると冷感センサーだけでなく、不快な感覚を引き起こす「TRP(トリップ)A1」も反応してしまうため、人によっては冷たさを通り過ぎて“痛み”を感じてしまう場合もあるのです。

マンダムはTRPA1による不快刺激を低減させる成分を探究し、「ユーカリプトール」「イソボルニルオキシエタノール」を見出しました。ユーカリプトールやイソボルニルオキシエタノールは、TRPM8を活性化させると同時に、A1を不活性化させる作用があるため、メントールと併用すれば不快刺激を低減できます。

また、イソボルニルオキシエタノールは清涼成分特有の香りが少なく、どんな化粧品にも配合しやすい成分なのです。

マンダムはこれらTRPチャネルを活用した清涼感研究を推進し、より快適な清涼感を実現する製品の可能性を広げています。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

マンダム 製品評価研究所 高石雅之(たかいし・まさゆき)

大阪大学大学院 薬学研究科先端化粧品科学(マンダム)共同研究講座

2008年入社 中央研究所第一開発研究室(当時名称)で、ヘアカラー製品開発に関わる業務に携わる。その後、基盤研究室へ異動し現在のTRP技術を習得。2014年に現在の製品保証部へ異動。基盤研究室在籍時から取り組んできたTRP技術に関する研究成果を基に2016年、自然科学研究機構 総合研究大学院大学にて学位(理学博士)を取得。現在は、製品の安全性評価業務を担当し、さらに日本化粧品工業連合会の動物実験代替法部会に参画し、安全性に関わる試験方法の開発にも注力している。
専門分野:分子生物学、生理学、毒性学
趣味:子育て(4歳の息子と毎日戯れてます)

監修者 富永真琴(とみなが・まこと)

医学博士。大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所 細胞生理研究部門

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生命創成探究センター 温度生物学研究グループ 総合研究大学院大学 生理科学専攻 教授


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