愛犬の体や心に耳を傾け、ともに幸せになれる「イヌなで」
「イヌなで」とは、その名のとおり「イヌをなでなで」すること。私たちはマッサージされると、リラックスして気持ちよくなりますよね。それは実は犬も同じ。目線が低いためいつも飼い主を見上げていたり、鎖骨がなく肩周りの筋肉だけで体を支えていたり、前足に全体重の約6割がかかっていたりと、犬の首や肩は意外とこっているのだとか。イヌなでの基本のワザはたったの3つで、「なでなで」「くるくる」「ひっぱり」。そこで、『イヌなで aziさんの幸せになる犬マッサージ』(azi著/小学館)から、「イヌなで」の簡単なやり方をご紹介します。
リラックスできる場所で10分間ゆったり愛犬と向き合う
「『なでなで』は、あなた自身がゆーっくり呼吸しながら、やさしくやさしくなでましょう。『くるくる』は、指の腹でゆーっくり丸をえがく感じ。筋肉をやさしくほぐしてあげます。『ひっぱり』は、手のひら全体でやさしくヒフをつかんでひっぱり上げます」と、「イヌなで」の極意を教えてくれたaziさん。
「ゆっくりまばたきをしたり、目をシバシバさせたり、舌がチロッと出てくるのは気持ちいいサインです」。からだから力が抜け、どんどん温かく、眠くなってくるように見えたら、そこで終わりにしてあげてもOK。愛犬のリラックスした表情を見るのは至福の時間ですよね♡
「イヌなで」これはやっちゃダメ! 5つのNGリスト
愛犬も人間も、幸せを共有できるのが「イヌなで」。飼い主さんの状態も整っていないとうまくできません。こんなときの「イヌなで」は避けて!
✔ストレスがたまっている、イライラしている
「飼い主さんがリラックスした状態でやりましょう。愛犬にグチりながら『イヌなで』するのもNGです。逆にワンちゃんがストレスを感じ、表情も厳しく、からだがパツンパツンに張ってしまうので、気をつけてあげてくださいね」
✔爪が伸びている、時計や指輪をつけている
「ワンちゃんの目や、ヒフを傷つける恐れがあります。ワンちゃんの洋服も、できれば脱がせてあげてください」
✔「うまくやらなきゃ」「気持ちよくさせなきゃ」と考える
「飼い主さんの邪念(?)はワンちゃんに、ダイレクトに伝わるもの。呼吸を意識しながら『イヌなで』しましょう。お互いにとって、いい時間にしましょう」
✔愛犬に「イヌなで」をムリじいする
「おなかが空いているとき、散歩したいとき、遊びたいときは、ワンちゃん自身が落ち着いていないので、『イヌなで』をムリにやってもうまくいきません。また、『イヌなで』の最中、「気持ちいい?」とワンちゃんに気持ちよさをムリじいするのも、やめてくださいね」
✔愛犬が病気、通院中
「『イヌなで』は医療行為ではないので、必ず病院へ行き、お医者サインの診断を受けてください。お医者さんのOKが出たときのみしてあげてください」
書籍『イヌなで』には、愛犬のストレスを解消し飼い主とのきずなを強くするマッサージの実践方法が詳しく紹介されています。
「あっちこっちでおしっこする粗相がピタッと止まった!」なんていう体験話も掲載されているので、お困り犬を飼っている人は試してみてもいいかもしれません。ペットは家族。みんなでハッピーになりましょう♪
初出:しごとなでしこ
教えてくれたのは…aziさん
2008年に犬のセラピーサロン「makana(まかな)」を開業、2015年より神奈川県横浜市内で主宰。ドッグマッサージの施術および指導を行なう、プロフェッショナルドッグセラピスト。一般社団法人日本ペットマッサージ協会(一社)主事認定資格「ペットマッサージセラピスト」、一般財団法人日本フラワーレメディセンター認定講師、米国NLP協会認定NLPトレーナー資格を取得。著書『イヌなで aziさんの幸せになる犬マッサージ』が好評発売中。