幸せになるための6つのリスト。それをやり遂げた彼女に待っているものは…!?
クリスマスまでに何とかしたい! と思ってい女子にオススメの映画が『マイ・プレシャス・リスト』です。
これは『マイ・インターン』のプロデューサーが手掛けた最新作で、コミュニケーション能力ゼロの女子キャリー・ピルビーが、セラピストから渡された“幸せになるためのリスト”をイヤイヤながらも実践し、人間として成長していくストーリー。
原作は、アメリカのニュージャージー州出身で、作家、エッセイスト、新聞記者として活躍するカレン・リスナーが2003年に発表したもの。原作も原題も『Carrie Pilby』と、主人公の名前が付けられています。
キャリーが受け取ったTO DO LISTに書かれた「子供の頃好きだったことをする」「デートに出かける」といった6項目は、たいていの人にはそこまで気が重くならずにできそうですが、キャリーにとっては難題ばかり。
というのも彼女はIQ185で、19歳でハーバード大学を卒業した天才少女ながら、超コミュ障。本を1週間で17冊も読んでしまうほど、人と話すよりも家にいる方が好きな引きこもりだから。
▲「ペットを飼う」という項目のために金魚を購入したキャリー
キャラクター設定からして、主人公にすぐに共感できるかどうかは難しいですが、彼女の周囲に登場する人たちがどこにでもいるようなちょっと癖のある男女で、その“人としてどうしようもない感じ”が魅力的に見えてくるあたりからストーリーが面白くなってきます。
▲「友達を作る」という項目は、タラ(ヴァネッサ・ベイヤー)と知り合うことで実現
そして、そこからのキャリーの変化、また家族の問題など、ストーリーは一気に展開。人間って、面白い!ちょっとしたきっかけで歯車が噛み合わなくなったり、逆にカチッとハマったら気持ち良く人生が動き出したり……。
▲キャリーを魅了する大学教授ハリソン(コリン・オドナヒュー)
▲出会い系の記事から知り合ったマット(ジェイソン・リッター)
登場する男性は、若手大学教授のハリソン役には、アメリカの人気TVドラマ『ワンス・アポン・タイム』に出演していたコリン・オドナヒュー、高学歴ながら流されやすい男性マット役にはやはり多くのTVドラマシリーズで人気のジェイソン・リッター、そして癒しのミュージシャンのサイ役には『ナルニア国物語』シリーズで注目されたウィリアム・モーズリー。
誰が自分の好みか考えながら観ても面白いかも。また、コメディ的な役に欠かせないヴァネッサ・ベイヤーが、キャリーにとっての初めての友人タラ役でいい味を出しています。
▲隣に住むミュージシャン、サイ(ウィリアム・モーズリー)も気になる存在
主人公のキャリー・ピルビーを演じているベル・パウリーは、ロンドン生まれの26歳。クリスティン・スチュワート『ロスト・エモーション』(15)やエル・ファニング『メアリーの総て』(17)等との共演が続き、2016年には英国アカデミー賞のライジング・スター賞にノミネートされたほど話題の女優だそう。
主人公が19歳とあって若い人向きの映画に思われそうですが、セラピストが提案した幸せになるためのTO DO LISTは、年齢を選ばず誰でもチャレンジできる内容です。映画は11月第4木曜日の感謝祭の日から大晦日までを舞台にしているので、まさに今からチャレンジしてみるには好タイミングかもしれません。まずは映画を観てから、行動を起こしてみてはいかがでしょう。
『マイ・プレシャス・リスト』(現在公開中)
監督:スーザン・ジョンソン
プロデューサー:スザンヌ・ファーウェル
出演:ベル・パウリー、ネイサン・レイン、ガブリエル・バーン、ヴァネッサ・ベイアー、ジェイソン・リッター、ウィリアム・モーズリー、コリン・オドナヒュー
日本語字幕:中沢志乃
協力:ニューヨーク市観光局
配給:松竹
©2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
初出:しごとなでしこ
伊藤なつみ
国内外問わず超人気アーティストなど多数取材している音楽&映画ジャーナリスト。若手ミュージシャンたちからの信頼も厚く、プロデュースやディレクション、スタイリングetcにも幅広く活躍中。フィガロ連載、Spotify のMUSIC SKETCHも人気。料理の腕前はプロ級でコース料理でおもてなしも。