「結婚しない」ではなく、「結婚できない」に悩み続けてきた40代女性のリアル
女性から見ると、「美人で聡明、仕事もできて、周囲に魅力的な男性たちもいるのに、なぜ結婚できないのか」と思う人が多数います。彼女たちには結婚願望があるので、“結婚しない”をあえて選択しているわけではなく、“結婚できない”に当てはまります。
総じてそのような女性たちは結婚したい理由として30代のうちは「子供が欲しい」と言い、アラフォーになると「孤独がつらい、自由も飽きた」と、そして40代後半になると「孤独死が怖い」と言います。
女性の結婚願望が現実化するのが、25歳くらいですから、40代後半まで独身でいると、実に20年間も“結婚”の2文字に悩み苦しまされ続けることになります。これはあまりにもメンタル的に負担が大きい。
結婚できない40代女性に、独身男性を紹介した結果…
先日、“子供が産みたい”と叫び続けて10年になった友人K(美人・40歳・外資系保険会社勤務・年収1000万円)が、切実な結婚願望を語っていたので、独身のアラフォー男性N(バツイチ)を紹介することにしました。彼は容姿は正直イマイチですが、最初の離婚で苦労してから、他者に寛容になったといい評判のある男性。小さな商社に勤めており、年収は500万円程度です。
二人を紹介する席は、東京都・新宿区市ヶ谷のフレンチバル。笹塚に住む友人Kと、清澄白河に住む彼Nの中間地点に設定しました。ハードに仕事をしている彼女のために、20時30分という遅めスタート。しかし、彼女は来ない。LINEで遅刻すると連絡があり、私と独身男子Nでビールとワインと料理を楽しみ、程よく酔っぱらってきた21時30分に彼女Kが登場。席につくやいなや自己紹介もそこそこに、今日の遅刻の理由をとうとうと語ります。遅刻するのは問題ありませんが、自分の遅刻の正当性を相手に納得させるためのプレゼンは、聞いている側は興覚めするもの。この“プライベートで遅刻するにはアリ”、そして自己正当化のためのプレゼン上手は、独身女子の共通点です。
加えて、会話をしながらKが彼Nの学歴、勤務先などのスペックを巧みに聞き出し、頭の中で点数をつけている様子が手に取るようにわかりました。男性をスペックで判断してはダメ。それは失礼だからです。女性から毛嫌いされる男性も女性を年齢や容姿などのスペックで評価している傾向が強いことを書き加えておきます。
彼女Kとその酒席以前にふたりきりで食事に出かけ女同士で話しているときは、彼女の鋭い観察眼、ウイット、そして自分をさらけ出すところが美点であり魅力だと感じていました。しかし同じ文脈を共有しない人が加わったとき(この場合、彼N)、自己主張が強く自分勝手に盛り上がる人として私の目にも映りました。
結果、この飲み会後、彼女はそこそこ乗り気だったのですが、彼の方からお断りが入りました。
結婚できない女性が、結婚を実現化するためにすべきこと
この彼女の今後の婚活に関する解決策としては、3か月くらい女子会に行かず、誰でもいいから男性の飲み友達を作ることです。そのことで、「女子同士の価値観」の憑依が抜けます。
仕事は努力や根回し、経験を積むことである程度予想がしやすいけれど、結婚は相手が生身の人間ゆえに、努力したからといって実るものではありません。絶対に安心なコースだと思い込んでいたら、クラッシュコースだった……ということも多いもの。まずは、今の状況を客観的に見ること。無意識のうちに自分い取りついてしまっているかもしれないものを払うこと。そこから、きっといい未来が広がっていくはずです。
初出:しごとなでしこ
沢木 文 Writer&Editor
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。