加齢によって20代のころより肌が乾燥しやすくなるのはもちろんですが、間違ったお手入れによる乾燥もあるはず――。30代の肌を多く診ている人気皮膚科医に取材して、乾燥してしまう理由を探ります。
「肌が乾燥するようになったのでとりあえず、朝洗顔をやめてみたけれど、あまり改善せず。スキンケアをどう変えたら、10年後も美肌でいられるの?」(一般事務・29歳)
ちゃんと洗わないと肌は乾きやすくなります!
お話を伺った人
慶田朋子先生|銀座ケイスキンクリニック院長
東京女子医科大学医学部卒業。スキンケアにも最新の美容医療にも詳しい。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)がある。
高瀬聡子先生|ウォブクリニック中目黒総院長
慈恵会医科大学卒業。最新作『ゆる美容事典「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』(講談社)など、著書多数。コスメの開発も手がける。
「朝はぬるま湯だけ」はかえって乾燥肌を招く
読者取材やアンケート調査で、最近「肌が乾燥するから朝は洗顔料を使わない」という人が多いことに驚かされます。ぬるま湯でさっとすすぐだけにして皮脂を残すと、日中の肌の潤いが守られている感じがする、というのが大多数の意見。
でも、「皮脂や前の夜に使ったスキンケアの油分が残っていると、日中酸化して、肌に炎症を起こす原因となります。また、ぬるま湯洗顔では不要な古い角質が落とせないので、代謝が乱れて角層が不健康になり、かえって乾燥肌の原因に」とは、銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子先生。朝晩2回、洗顔料でしっかり洗ったほうが肌のバリア機能が整い、むしろ肌の乾燥を防ぐことができるのだそう。洗顔後に肌が突っ張らない洗顔料選びと、すぐにしっかり保湿することが大切になります。
ウォブクリニック中目黒の高瀬聡子先生は「皮脂が少なく毛穴も小さい超乾燥肌の場合、朝は洗顔料を使わなくていいこともあります」。ただ、それはごく一部の人。テカるのに乾燥するようなコンビ肌や、日中小鼻や額がテカる人は、洗顔料を使ったほうがいいでしょう。
洗い方にも問題あり! ゴシゴシ洗いで乾燥肌に…
「クレンジングや洗顔で肌が乾燥してしまうというのは、洗い方に問題があるのかも」とは、慶田先生。「先日、テレビ番組の企画で女性たちの洗顔シーンを拝見したのですが、なるほど乾燥肌の原因はこれか、と思いました。クレンジングシートでゴシゴシこすっていたり、クレンジングクリームをほんの少量使うだけで汚れが浮いていなかったり。洗顔料を顔の上で泡立てていたり、洗顔ブラシを肌に押しつけていたり…。肌を洗浄料で摩擦すると、バリア機能が乱れて潤いが奪われる一方。それなのに、肝心の毛穴の汚れは落とせないんです」(慶田先生)
自分は大丈夫、という人も、洗顔は毎日のことだから無意識に力を入れすぎていたり、泡立てがおろそかになっていることもあるかもしれません。
クレンジングはたっぷりの量を使い、肌に摩擦が起こらないよう優しく手早くなじませ、ぬるま湯で乳化させて毛穴に汚れが残らないようにしてからすすぐ(こする負担がかかるシートの日常使いは基本NG)。洗顔料は手の上でしっかり泡立ててから、泡でさっと短時間洗って皮脂や油分を吸着させ、よくすすぐ。このやり方を意識するだけで、肌の潤いが変わってくるはずです。
クレンジングや洗顔料の選び方も大切です。アラサー以降は「激落ち」などと表示されているさっぱりタイプは避け、潤いを保って洗い上げるものを使うようにしましょう。
おすすめアイテム|シービック ガミラシークレット バニラ
洗顔すると肌が乾く…という人は、こんなソープを。エクストラバージンオリーブオイルに植物由来の美容成分をブレンド。洗い上がりはしっとりやわらか。シービック ガミラシークレット バニラ 115g ¥2,900(限定発売中)
<結論>
肌の上に残った皮脂や油分は、酸化して、炎症や乾燥の原因に。朝も夜も洗顔料でちゃんと洗う! ただしゴシゴシ&長時間洗いはNG。
Oggi11月号「30歳からの正解保湿」より
メイン画像/Shutterstock 撮影/西原秀岳(TENT) 構成/大塚真里
再構成/Oggi.jp編集部