自分をよりよく見せてくれる服があれば、ワンパターンだって自信がもてる
着こなしの幅を広げようと無理するのはいやなんです
自分をよりよく見せてくれる服って、世の中にそうそうない、数は限られているって私は思っているんです。あらゆるタイプの服が似合う人なんて、モデルでもいません。だから私は、着こなしの幅を広げようと、それほど似合っていない、ピンとこない流行服を着て、いまいちな気分で過ごすのはいや。
だったら絶対に似合うとわかっている服で、心地いいローテーションを繰り返すほうがいい。そう思っています。私にとって長く着続けたい服の条件は、着回しやすい普遍的なデザインに加えて、ほんのり上品でクラシカルなニュアンスのあるもの。体型のコンプレックスをカバーして実物以上にすっきり見せてくれるもの。そして、長く着続けるための大きな理由となる上質素材のもの――。これらを叶えてくれる服だったら、ワンパターンだって悪くないって思えるんです。
そんな自分に似合うMY定番をもっていれば、新しいトレンドを取り入れるときも安心していられるし、流行に流されずに、自分らしさを保てます。だからこそ、気に入った服は大事に着ます。家で洗える服はできるだけ手洗いしたい。洗濯が終わったらアイロンもしっかり。洋服がシンプルだからこそ、手間をかけることでちゃんとした印象に見えるはず。
マイスタイルに欠かせないアイテムは買い直しています
「これはマイスタイルに欠かせない」と惚れ込んでいるアイテムは、消費期限がきたら、似たようなものを探して、2代目、3代目と買い直しています。この企画で紹介しているレースブラウスがそう。人から見たら、1枚の服を長年着続けているようにしか見えないと思うんですけどね(笑)。
けれど、そろそろ買い替えたいなと思っても、自分が求めているものがすぐに見つかるわけじゃないですよね。だから、自分のワードローブに必要なアイテムに関しては、違う目的で買い物に行ったときでも、意識してチェックするようにしています。すると、実際に買うとき、「あのタイプの服はあのブランドにあるはず」と手助けに。
幅の広さより自分らしさ。だから服を買うのは慎重に
こんなふうに、一度「コレが好き!」となったら、飽きずにとことん好きでい続けてしまう性分なんでしょうね。洋服だけじゃなく、人も仕事も食べ物も…。
だから、「これでいいや」「まぁいっか」と妥協して買い物をすることは絶対にありません! 好きなものだけに囲まれていたいじゃないですか。タンスの肥やしはもう増やしたくないし…。私と一緒に買い物に行った人には、「まだ見るの?」、「まだ買わないの?」と呆れられることも(笑)。でも、ここはなんと言われても絶対に妥協できなくて…。
シンプルでベーシック、そして「いつも同じような印象」こそ私のおしゃれの軸。だから本当に自分に必要なもの、心から納得した欲しいと思うものだけを、慎重に吟味して買うことが大事なんだと思っているんです。私の買い物って〝執念深い〟なって、自分でも思っちゃいますが(笑)、自分に似合う一枚に出合うために必要なプロセスなんです。
三尋木さんが長年愛用するアイテムと着回し
右から
・2年愛用【トゥモローランド】のレースブラウス
今着ているのは2代目。同じような初代レースブラウスは〝マルティニーク〟でした。通算4年愛用中のアイテム。
・4年愛用【ドレステリア】のフィッシュテールスカート
・3年愛用【ドレステリア】のミモレ丈スカート
■レースブラウスの4年着回し
2014年
2018年
「2014年の写真のものが1代目、2018年が2代目。デニムを上品に着るのに欠かせません。色はエクリュホワイトが定番」
■黒スカートの4年着回し
2014年
2018年
「ひざ下丈の黒いフレアスカートは、ふんわりブラウスやざっくりニットを引き締めるのに適任」
■テラコッタスカートの3年着回し
2016年
2018年
「ベーシックカラーになじみつつ、変化を加えてくれる、私にとっての差し色。形は私的定番のフレア」
三尋木さんのおしゃれをサポートするもの
アイロンがけ
「週末には必ずアイロンをかけます。月曜から着られるものがあるという安心感にもつながります」
エマール&ザ・ランドレス
「大事な服は〝エマール〟で手洗いが基本。ニットは〝ザ・ランドレス〟のウールカシミアシャンプーで」
●この特集で使用した商品の価格はすべて、本体(税抜)価格です。
2018年Oggi5月号「着回しって、幅が狭くていいんです。」より
撮影/中田陽子(MAETTICO) ヘア&メイク/神戸春美 構成/高橋香奈子
再構成/Oggi.jp編集部