エディター・岡村佳代が出会った、あんな人やこんな人…
私はウォッチジャーナリストだったりもするので、この春、ジュネーブで開かれた時計フェアに取材に行かせていただきました。狭い業界なのですが、見渡せば時計界隈はクセあり人間の宝庫(笑)。今年もたくさんのクセありと邂逅してきましたが、群を抜いていたのがボウズ・ナマグサ!

▲ボウズ・ナマグサ/60代/僧侶
東海地方の名刹めいさつに生まれた現役僧侶。時計好きで某ブランドの上顧客。スイスの時計展に招待されるほど巨額の買い物をする。自ら「ボウズ・ナマグサ」と名乗り、袈裟を脱ぐと全身わかりやすいハイブランドでコーディネート。
人間観察File. 32|ボウズ・ナマグサ
メディアやブランド関係者ではないのですが、乗り継ぎのパリのラウンジで声をかけられ、某ブランドさんからのご招待で時計フェアに初めて行くと聞きました。そこで渡された2枚の名刺。1枚は普通のものでしたが、1枚は大きなフォントで「ボウズ・ナマグサ」。メアドは、ちょっと変えていますが「nam.nam.bouzu@」みたいな── ふざけてる(笑)。
時計フェアでは「オイスター」100周年ということで〝ロレックス〟のブースで、特製のかわいいトートバッグを無料で配布していることが大きな話題となっていたのですが、ボウズは私が通りかかるたびにもらっていて! おそらく10枚はもらっていたはず。ヴィジュアルもかなりインパクトがあるから絶対覚えられているに違いないのに、メンタル強いなあ。思わず「そんなにもらってどうするんですか」と聞いてしまったのですが、家族葬が増え、寺院の業界も不景気だそうで「太い檀家さんに営業兼ねてお配りしようかと」。
そのバッグ、早々にメルカリに高額で出品されていたそうなんですけれどね、ええ、私は密かに疑っています。
2026年Oggi8月号「クセあり人間観察ファイル」より
文/岡村佳代 イラスト/平松昭子
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
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