エディター・岡村佳代が出会った、あんな人やこんな人…
カイくんは私が20年来お世話になっているヘアサロンに入社した期待の新人くん。最近、私を担当してくれているヘアスタイリストの専属アシスタントに就いたばかり。ルックスはやや輩風でタトゥーがあり、でも聡明で気持ちのいい若者。結果からいうと、神の手レベルのシャンプー技術の持ち主でした!

▲カイ(仮名)/20代前半/ヘアスタイリストのアシスタント
仙台市出身。東京の大学に入学するが中退し、美容師を志して東京の専門学校へ入り直したという異色の経歴の持ち主。将来は海外で働きたいという夢のために英会話を猛勉強中。ルックスはやや輩風で、うなじと腕にタトゥーあり。
人間観察File. 25|輩風味のシャンプー王子
あまりの気持ちよさに静かに感動していると、例の「おかゆいところはありますか?」という質問がきたので、「人生でいちばん気持ちいいです」と自然に答えた私。すると自分でもびっくりしましたが静かに涙がひと筋こぼれて…。
そんな私にカイくんは「ありがとうございます、めっちゃうれしいです」とだけ言い、それから信じられないくらい長く頭をマッサージし続けてくれました。もしかしたら上司に長いと怒られるかもしれないのに。
あまりに感動して彼の上司でもあるスタイリストに伝えると、とても褒められた彼は「こんなに凝ったまま岡村さんを帰すわけにはいかなかったんです」── 心の中で号泣。
彼の腕にタトゥーがあったことがどうというわけではありませんが、もはや彼の母親世代の私は正直、少し抵抗感を抱いてしまったことは否めませんでした。でもそれが仕事に対する情熱や人間性には関係ないことを改めて認識した2025年。どこのサロンかは残念ながらナイショですが、イルミネーションが美しいあの街です。
皆さん、素敵なホリデーシーズンを!
2026年Oggi1月号「クセあり人間観察ファイル」より
文/岡村佳代 イラスト/平松昭子
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
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