時代は繰り返す。2025年春はちょっと懐かしい髪型がパワーアップして再び人気に
ファッションの流行は20年ごとに繰り返される「ファッションサイクル」がありますが、ヘアも以前に話題を呼んだスタイルがちょっと形を変えて人気が再燃することが少なくありません。
今よく聞くレイヤーや姫カット、ウルフスタイルなど2000年前後に流行ったスタイル。でも以前のそのままの形ではなく、パーツやフォルムで今っぽく落とし込んで新鮮さを感じるものに。
「特にレイヤースタイルは今やトレンドを牽引しています。ひとことでレイヤーといっても様々で、今は、重さを感じる韓国風のレイヤースタイルからより抜け感のあるレイヤースタイルを希望するお客さまが多いです」と、人気サロン「Garland」のディレクター、柏倉智紀さんは言います。
懐かしさこそ今っぽいリバイバルヘアスタイル3選
今回は、フェイスレイヤー・クラシカルボブ・ロングウルフの3スタイルを紹介。それぞれ柏倉さんに解説していただきました。
◆顔周りにシャープさをプラスして小顔見せする【フェイスレイヤー】

「この春のイチオシはフェイスレイヤーです。顔周りに軽やかさが出るとともにフェイスラインもカバーできて、小顔に見えるのが特徴。
面を生かしながら動きをつける韓国風のレイヤースタイルは、髪を巻かないと完成しないもの。こちらのスタイルはワンカール巻くだけでよく、スタイリングが簡単なのもポイントです。今までワンレンのストレートだった方が、ちょっとニュアンスをつけたいとフェイスレイヤーを入れることも。少しカットするだけで、見え方はかなり変わると思います。
カジュアルな雰囲気ですが、ストレートタッチできちんと感も出るのでお仕事シーンにも合いそうです」(柏倉さん)

−−このスタイルについて
鎖骨下5cmのミディアムベース。前髪はシースルーで、目の下でややラウンドにカットします。顔周りの顎下にレイヤーを入れ、シャープな軽さをプラス。カラーは7トーンのカカオブラウンに。レッドを混ぜたブラウンベースの温かみのあるあるカラーで、肌を血色よく見せてくれます。
ストレートアイロンで全体をワンカールの内巻きにしてからオイルを薄くなじませ、サラッと仕上げます。
−−モデルの髪質&顔型データ
髪質:太さと硬さ、量ともすべて普通
顔型:ベース
担当/Garland GINZA スタイリスト momoさん(Instagram:@momo_mtur)
◆ナチュラルさにアンニュイな甘さをブレンドした【クラシカルボブ】

「ボブも引き続き人気なものの、フォルムに変化が見られます。外ハネや切りっぱなしのボブが王道の今、それとはイメージの違う自然な丸みや厚みを残したクラシカルボブが徐々に注目されてきています。
丸みのあるフォルムは幼く見えてしまいそうですが、あご〜あご下3cmまでの長さにするとバランスがよく、ちゃんと大人っぽい雰囲気に。しっかり内巻きにすることなく、軽く巻いてラフにスタイリングするのが今どきです」(柏倉さん)

−−このスタイルについて
ベースはあご下2cmで平行にカットしたボブ。前髪は目の上で薄めに作り、流れるようなシースルーバングにします。表面にローレイヤーを入れ、やや丸みが出るようなシルエットに。カラーは、7トーンのグレーブラウンでワンメイク。くすみのあるブラウンは色持ちがよく、オークルの肌色との相性も抜群です。
ストレートアイロンで表面は少しだけ内巻きに、前髪はワンカールの内巻きにします。髪の内側からオイルをなじませ、最後に手ぐしで表面と前髪を整えてでき上がり。
−−モデルの髪質&顔型データ
髪質:硬さと量は普通、太さは細め
顔型:丸
担当/Uil スタイリスト KANAさん(Instagram:@uil.kana)
◆くびれを生かして骨格矯正。スタイリッシュなムードで洒落感のある【ロングウルフ】

「1990年代に流行し、当時ファッション誌でモデルさんたちがしていたウルフカットと最も異なるのは、髪の重さです。その頃のウルフは毛先をスカスカにすいて軽くしていましたが、今はそれほど毛量を変えることなくレイヤーでくびれを表現。
ミディアムなら全体や裾に重さを残しますが、ロングだとボリュームが出てしまうためちょっと軽くしたりと、バランスを見ながらシルエットを決めます。くびれのあるスタイルも今は多様化していますが、おしゃれ感度の高い方がオーダーしてくださる印象です」(柏倉さん)

−−このスタイルについて
全体の長さは胸下で、ワンカールして胸の中央あたりになるように。前髪はギリギリ目にかからないくらいの長さで薄めに作り、サイドバングは頬骨にかかる長さにして顔を小さく見せます。顔周りから鎖骨にかけて、耳からみつえり(襟足の両端)にかけて、そして表面にもレイヤーを入れ、くびれのあるフォルムを作りつつラフな動きが出るようにカット。
カラーは9トーンのアッシュブラウン。赤みやオレンジみを抑えながらもくすみすぎず、柔らかく見せてくれる効果があります。
32mmのカールアイロンを使い、内側の髪は内巻きのワンカール、後ろの表面と顔周りの毛先も内巻きのワンカールをしてから、髪の中央部分は縦の外巻きに。巻いた後アイロンを下に抜くとS字カールが完成。バームを手に広げてから全体になじませ、毛流れを整えます。
−−モデルの髪質&顔型データ
髪質:硬さと太さは普通、量は多め
顔型:卵
担当/Uil スタイリスト 高橋遥菜さん(Instagram:@uil.haruna)
構成・文/斉藤裕子

Garland GINZA ディレクター 柏倉智紀さん
美容師歴21年。ひとりひとりにベストなヘアスタイルを提案し、雰囲気をアップデートさせてくれる名手。分野を絞ることなく総合的な知識が豊富なため、肌がキレイに見えるカラーや扱いやすい前髪、髪悩みとのつき合い方お手入れ方法など、髪にまつわる幅広い相談に的確なアドバイスにも定評あり。
Instagram:@kashiwagura_tomonori

SALON:Garland GINZA(ガーランド ギンザ)
住所:東京都中央区銀座3-8-10 銀座朝日ビル5F
電話:03-6280-6035
営業時間:火〜木11:00~20:00、金11:00~21:00、土10:00~20:00、日祝10:00~19:00
定休日:毎週月曜(月曜祝日の場合は火曜に振り替え)
公式サイト