塩野瑛久さんインタビュー。もしも、この世界から愛してるという言葉が消えたらどうする？

「万人にウケるとは思いませんが、一度は観ていただきたい“もだもだ”ラブコメです」

Oggi.jpでの連載『あきじかん』が大好評の俳優・塩野瑛久さんがW主演を務めるドラマNEXT『五十嵐夫妻は偽装他人』が1月8日(水)深夜24時30分〜スタートするということで、塩野さんのスペシャルインタビューを敢行！

本作は「U-NEXT Comic」配信・海石ともえさんの同名作が原作で、別居中の夫婦が偶然同じ会社に転職し、他人を装って働くことになり、素直になれずすれ違うふたりのじれったさに“もだもだ”するラブコメディー。W主演の会沢真尋役に新川優愛さん、五十嵐直人役に塩野瑛久さんが演じるほか、兵頭功海さん、田辺桃子さん、水橋研二さん、浜中文一さんといった個性豊かなキャストが集結。

また、動画配信サービス「U-NEXT」で毎週(水)夜9時〜各話1週間独占先行配信中で既に話題に。さらに、放送や通常の配信版に、ドラマをより深く、多面的に楽しめるスペシャルミニドラマがプラスされた特別バージョン「U-NEXT限定『五十嵐夫妻は偽装他人』もだもだストーリープラス」が、1月29日(水)夜9時より順次配信開始、とニュースが盛りだくさんの本作。塩野さんがドラマの見どころをたっぷり語ってくれました。

――まずは、ドラマ『五十嵐夫妻は偽装他人』を同世代のOggi読者へ向けて、注目ポイントを教えてください。

僕と同世代のOggi読者の皆さんに注目してほしいのは物語の後半のだんだんとそれぞれの結婚観や生き方が見えてくる部分。「自分さえ我慢すれば周りがうまくいく」と考えがちな人にすごくフィーチャーしているような一面もある作品なんです。

どこか自分勝手な物言いや考えを押し付けてしまう人、自分が犠牲になればみんながハッピーになるからと自分を居心地の悪いところに追いやって順応して生きていく人…このドラマに登場する人たちがそこを見つめ直しながらどう生きていくのか。

最終的な着地点は万人に受けるとは思いません。ちょっとモヤモヤして、腑に落ちない部分が人によってはあるのかもしれない。でも、それもひとつの在り方、人の考え方だと思っていただけたら。皆さんがどういう感想をお持ちになったか、感想を教えてもらえたらうれしいです。

――客観的に見て、この夫婦に外野としてアドバイスをするとしたら？

後半になってくると「勝手にやってくれ！」となってきます（笑）。というのは冗談で、もう少し本音でぶつかったらいいのにと感じています。言わなくてもいいひと言を口走ることや、当てつけみたいな言い方をしてしまうときがあるので、もっと真摯に向き合えばいいのにと思うんです。

――次長役で部下がいる設定ですが、仕事で年下や後輩と接する際に気をつけていることはありますか？

変に年下扱いしないことです。僕自身、「若いからわかんないよね」という言葉を言われていやな思いをしたこともあったので、子どもであっても対等に接します。むしろ後輩や年下の子から学ぶことも多いですよ。最近で言うと、佐藤寛太の生き方がビクトリーすぎてすごいなと感心しました。本人を差し置いては言えないので、あえて詳しくは説明しないですが、とにかくビクトリーだな、と思います（笑）。うん、ビクトリーがしっくりきます。

――夫婦の物語ということで、もしもこの世界から「愛してる」という言葉が消えたとしたら、どんな言葉で表現しますか？

なんだ、この質問は…（笑）。大好きとかそういった表現の言葉がなくなったとき、という意味ですよね。それはやっぱり抱きしめるとかではなく、言葉じゃないといけないですよね？「愛してる」は僕にとってはかなりクサい言葉な印象があるので……「瞳の奥がきれいですね」。（盛り上がる現場）実は今、横から事務所NGが（笑）。いや、あえてクサい路線でいったんですよ！（笑）「愛してる」と同じくらいクサい言葉ならこれくらいでいいでしょう。

――入社して自己紹介するシーンでは、「優良物件」と評される直人ですが、かっこいい男の条件ってなんだと思いますか？

ブレないことってかっこいいと思うんです。たとえば、パートナーから変えてほしいところを言われたとして、「いや、でもこれが俺の生き方だからごめん」と自分を大事にするのを美学とする人もいるけど、“その人を大切だと思う気持ち”のほうが自分の美学として大きい人は直そうと努力するだろうし。自分を貫き通せちゃう人も柔軟に受け入れられる人も違ったかっこよさがある。結果的にどちらだとしても自分の軸がブレないことなのかな。うーん…優柔不断になっちゃいますね（苦笑）。

――でも、その視野の広さを持っていることがかっこいいと思います。だれしも自画自賛したくなるときってあると思いますが、最近今日の自分かっこいいかも、と思った瞬間はありましたか？

五十嵐夫妻の撮影中、昼休憩にひとりランチでくら寿司に行きました。最近のくら寿司ってすごいですね。ガシャポンが皿１枚につき10円をプラスで払うと 5回に１回は絶対当たる課金制になっていて、普通の設定か課金かを選択できるんですよ。僕は普通の設定を選択。ひとりだから8〜9皿で食べ終わり、皿を投入してルーレットが回ったらなんと一発であたりが出てきて、「課金いらなかった、俺！5皿入れただけで当てた！持ってるな〜！」とテンションが上がりました（笑）。

『五十嵐夫妻は偽装他人』
テレ東系・2025年1月8日(水)スタート。毎週水曜深夜24時30分～25時。
勤めていた会社をとある事情で辞め、別の会社に転職した会沢真尋(新川優愛)は、新しい職場で順風満帆な日々を送っていた。そんなある日、真尋の目の前に、別居中の夫・五十嵐直人(塩野瑛久)が現れる！真尋の転職先を知らなかった直人は、偶然にも同じ会社に転職してしまい上司と部下として働くことに…。周囲に気を使わせないため、他人を装って働くことに決めたふたり。そんな中、真尋と直人の歓迎会が開催されることに。突然始まった質問タイムで結婚しているかと聞かれたふたりは咄嗟に…

【“しおらしい”取材MEMO】
・現在発売中のOggi2月号に登場し、読者からの30問の質問に答えてくれた塩野さん。せっかく500問以上もご応募くださった質問をそのままにしておくにはもったいない…！と今回「もしも、この世界から「愛してる」という言葉が消えたとしたら？」という質問をこちらでお聞きしました。斬新な視点の質問に、「面白い！」と爆笑する塩野さんでした。

・ひとりランチの話の際、「実は最初、“〇〇製麺所”って書いてある場所を見つけて、ラーメン屋かなと思って、スマホで調べたらおいしそうなうどんの写真が出てきて。行ってみたら本当に“麺を製造する工場”だったんですよね…（笑）」と楽しそうに話しておられました。

・この日の差し入れはちょっと変わったラインナップになってしまったのですが、「いつもありがとうございます。お腹空いてますー！」とニコニコの笑顔で受け取ってくださいました。

撮影／misumi ヘアメイク：時田ユースケ（ECLAT）　スタイリスト：能城匠　取材・文／佐々木怜菜　

ジャケット¥79,200・パンツ¥74,800（JOYEUX〈NaNo Art〉） その他スタイリスト私物
問)JOYEUX　03･4361･4464