1年の中でも初心者さんに特におすすめな8月納涼歌舞伎
歌舞伎が大好きで、毎月必ず多い時は2回も3回も観劇に行く私ですが、年中観に行く中でも8月は特におすすめです。
8月納涼歌舞伎が初心者さんにおすすめな理由その1:拘束時間が短くて気軽に観られる
通常月は、昼の部・夜の部の2部制。昼の部だけでもその中に3演目程あって、間に長めの休憩を2回挟み… と、所要時間はだいたい4時間半ほど。半日歌舞伎座で過ごす事になります。
観て、幕間にお弁当やおやつを食べて、ゆったりと半日間過ごすのは私にとっては至福の時間ですが、やはり初めて行ってみよう! という人には半日もかかるの!? と思ってしまうこともありますよね(^^)
8月納涼歌舞伎は3部制でひとつひとつが短い&そのぶんチケットも少しお安くなっています。まずは1回観てみたいという人にも気軽に楽しむことができるのではないでしょうか。
8月納涼歌舞伎が初心者さんにおすすめな理由その2:演目がわかりやすい
歌舞伎ってセリフが昔の言葉だから、何を話してるかが分かりづらいのでは? 難しいのでは? とよく聞かれます。全然そんな事ないし、結局は江戸の庶民の娯楽。今で言う日曜洋画劇場か月9みたいなものなので実際はストーリーも楽しくわかりやすいものが多いのですが、確かに古典の演目だと私もイヤホンガイドが無いと厳しいなと思う時があります。
でも、8月は3部制にしてもっと気軽に! という意向なのでしょう、演目もわかりやすいものが多い! 特にこの8月は、3部が新作です。新作歌舞伎は言葉も現代語な事が多く、舞台演出もプロジェクションマッピングや特殊なライティングを駆使してとても華やかなので普通にミュージカルや演劇を見るのと難易度は全く変わりません。物語に入り込んで楽しめると思います。
8月納涼歌舞伎が初心者さんにおすすめな理由その3:若手イケメン俳優がたくさん!
8月は特に若手花形俳優をメインの役どころに抜擢しています。TVや映画でも活躍している若手俳優が生で観られるチャンス! 私が8月頭に観に行った3部ではあまりの美しさに雑誌の表紙でも見かける染五郎さんもとても重要なお役で出ていましたし、大好きな七之助さんも、そのお兄さんの勘九郎さんも(いだてんの勘九郎さんです!)出ています。
その他今回女形の面々も若手が多く、その可愛らしさ、美しさといったら…!
劇場では今月の出演俳優の直筆のサイン入りうちわの抽選会が開催されていました。もちろん、七之助さんのうちわに応募しました♡
今回観た新作歌舞伎「狐花」の感想
京極夏彦さんが、歌舞伎のために描き下ろしたという作品。本が発売してすぐ買って、読んでから舞台鑑賞に臨みました。
京極夏彦さんの人気シリーズ「百鬼夜行」の主人公の探偵中禅寺秋彦の祖父が今回の謎解きの中心人物。役をつとめる幸四郎さんのビジュアルが京極夏彦さん本人をイメージしているのかな? という程かっこよかったです。
物語の鍵となる彼岸花が一面に咲き乱れる舞台の演出や、大火事になる炎の演出など、とにかく美しく迫力ある演出にかなりドキドキ、うっとりしました。
物語の展開は、まさに歌舞伎っぽい! の一言。現代版鶴屋南北かな? と思いました。「実は親子」とか「実は兄弟」というのが歌舞伎ではよく出てくるのですが、小説を読んだ時にまさかそんな展開とは! と思い、そして実際に舞台で観て役者さん達の迫真の演技に胸を打たれました。
なんでそんなに歌舞伎が好きなの? と聞かれて語りたいことはたくさんあるので、またそれについてはブログでも書きたいと思いますが、今回はとにかく1回観に行ってみたい人、8月にぜひ! という内容で書かせて頂きました。8月納涼歌舞伎は8月25日まで毎日公演があります。この機会にぜひ!
八月納涼歌舞伎の詳細はこちら
オッジェンヌ 大枝千鶴
2015年からOggi読者モデル「オッジェンヌ」として活動。営業職という仕事柄、通勤服は好感度が最重要事項。最先端のIT企業で働きながらも歌舞伎と着物が大好きという古風な趣味をもつ。一級きもの講師。Instagramアカウントはこちら:@chizuru_oeda