駒木根葵汰&新原泰佑の役や作品に対する想い
――お互いの印象を教えてください
駒木根さん(以下敬称略):すごく真面目なところと明るいところのギャップがすごいなと思いますね。
新原さん(以下敬称略):一番初めはクールな方なのかなと思ったんですけど、お会いしてお芝居していくうちに、すごく気さくで明るい人なんだなと知りました。
――撮影中、お二人はよくお話をされますか?
駒木根:しますね。ちなみに昨日は“ワードウルフ”をやっていました。
新原:昨日は撮影が巻いて、外のシーンのために日が暮れるのを待つ時間があり、スタッフさんを巻き込んでみんなでワードウルフをやりました(笑)。
――今回俳優役ということですが、「演技の演技」をすることで意識していることはありますか
駒木根:二つの役が同じに見えないように、今は羽山で今は(作品中で羽山が演じる)涼二なんだっていうのがわかるように心がけています。
新原:観ている方が混乱してしまわないように、つながりを意識しつつも緩急や切り替えをしっかりつけて、一目でわかるようなお芝居を心がけています。
――新原さんは今回がドラマ初主演。ドラマが決まった時の感想を教えてください
新原:決まったと聞いた時は本当にうれしかったです!しかも漫画原作。僕は漫画やアニメが大好きなので、自分が好きなもののお仕事でなおかつ主演というダブルの嬉しさがありましたし、とても誇らしく思っています。
――新原さんが一生懸命お話されているところを駒木根さんが温かい目で見守ってらっしゃいましたね
駒木根・新原:(顔を見合わせて)笑
――先輩の余裕を感じました
駒木根:いやいや、全然です!
――ちなみに駒木根さんは作品コメントで「一つ大きな挑戦になる」とおっしゃっていましたが、撮影の中で今新たに得たものや感じたものはありますか?
駒木根:どんな作品をやってもその作品の良さとかで違った学びはもちろんありますが、今回の作品は僕と新原くんが画面に映る時間が本当に長いと思いますし、撮影期間もほとんどの時間を2人で共有しあっているくらい毎日一緒にいます。だから2人の関係性はもちろん、現場の空気やスタッフさんとのコミュニケーションに関しても、改めて大切であることを感じました。スケジュールがなかなか大変なんです。でも、僕ら演者はもちろん、スタッフさんたちも同じですので、周囲をしっかりと見ながら、みんなが無理しないような現場作りが大事だと思っています。
――撮影中に印象に残っているエピソードはありますか?
駒木根:新原くんが大事なシーンで喋るときに限って、ずっと音が鳴ってたりするんですよね。例えば喫茶店のシーンだと、それまで静かだった冷蔵庫がブーンって唸ったり、昨日のシーンだと電車や救急車が通ったり…。そういうことがすごく多くて(新原さんは)何かもっているのかなと(笑)。
新原:今作は特に音の運が悪すぎて…(笑)。本当に今の話の通りなんです。駒木根さんがいらっしゃらないシーンでも同じことが起こりました。例えば、スタートがかかって僕が話そうとしたら『ママー!』って小さい子が叫んだりとか(笑)。こういったハプニングのせいで撮影を何度やり直していただいてるか…。
駒木根:本当にびっくりするくらい新原くんのシーンで。僕はほとんどないんですけど(笑)。
新原:「羽山さん!」(車の音が)ブーンみたいな(笑)。
駒木根:セリフがないシーンならいいんですけど、セリフのときに限ってこういうことが起こります。
新原:僕がやるわけじゃないんですよ!(笑)
駒木根:これだけあるとさすがに音を引き寄せてるのかなって疑いをもちますね。
新原:確かにそうですね(苦笑)
――BL作品を演じて行く中で、見せ方や意識していることはありますか?
駒木根:昨日ベッドシーンの撮影だったんですが、スタッフさんたちがモニターで見て『こっちの方が映りがいいから』などと都度教えてくださるので、その意見に合わせて演じています。第一話のキスシーンはあごの角度を工夫…というか、いろんな方の意見を聞きながら試行錯誤して作り上げたシーンです。
新原:今、駒木根さんがおっしゃった通りで、監督はもちろん、撮影部さん、照明部さん、インティマシーコーディネーターさんなどたくさんの方がこの作品の美しさを考えて作ってくださるので、我々演者が何かを考えるというより、僕らは無我夢中で芝居をしているという感じです。今回は特に俳優のお話という我々が実際に仕事にしている役なので、より繊細に演じられる部分も大きく、我々がそこにただいるだけで美しさや、切なさが出てくるような仕掛けをスタッフのみなさんが作り上げてくれているんです。だから僕らはそれに応えられるように気持ちをずっと作り続けるようにしています。
――作品を楽しんでいる皆さんに注目してもらいたいポイントは?
駒木根:物語が進むに連れてどんどん羽山と白崎2人の心がすれ違っていきます。ドラマも終盤に向かう中で、2人は役では触れ合えるけれど、本人たちの心はすれ違っていく。この切なさは、僕も本当に切なくなるくらいです。切なくて素敵なラブストーリーになっていると思うので、最後の最後まで楽しんでほしいと思います。
駒木根さん、新原さんの素顔に迫る
――おふたりが仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
駒木根:僕はお仕事をする上で、自分が出せる最大限を出し切る気持ちで毎回挑んでいます。あとはオンオフをしっかりつける。ずっと仕事モードだと心が疲れてしまうので、時間が少ない中でもしっかり休める空間やリラックスできる環境を整えているつもりでいます。例えば休みが1日あれば自然を感じに行ったりしますし、時間がなければ家でキャンドルやお香を焚いて、部屋を暗くして何の情報も得ない環境にしてボーっとしています。
新原:僕も駒木根さんと似ているんですが、仕事をする上で大事なのは「プライベートの質を向上させること」だと思っています。仕事が過密になればなるほど、僕の部屋は汚くなっていきます。自分の部屋に忙しさが顕著に出るんです。でも、一回掃除をすると次の日には気持ちが切り替わります。その小さな積み重ねが自分の仕事はもちろん、QOLを上げていくことにつながるんじゃないかなと思います。だから僕は休みの日はカフェに行くことが多いです。あと、海を見るのも好きなので、海が見えるカフェに行ったり、夜の海に行くことも。普段と違う解放された場所に行くことで、気持ちが切り替えられるんです。
――仕事で悩んだり壁にぶつかったりした時はどうやって解決していますか
駒木根:(即答で)寝ます!
――誰かに相談したりはしないですか?
駒木根:仕事のことは基本相談しないですね。悩みにもよりますけど、基本的には美味しいものを食べて、寝て、すっきり!です。
新原:僕は1人で解決させなければいけない悩みは、考えに考えて突き詰めます。落ちるところまで落ちるじゃないですけど…。
駒木根:笑
新原:考え抜いて、もう無理だ、これ以上何も出ない!となったら、パタン!と全然違うことを考えます。今の自分の考えを出し尽くして、一回忘れて、客観的にその悩みを見たら意外と小さかったり、俯瞰して見たら実は抜け道があったり、解決方法が出てきます。だから悩むだけ悩んで、パン!と切り替えますね。些細な悩みの場合や息抜きしたいというようなときは、信頼できる友達と飲みに行ったりご飯食べたりするときに「聞いてよ~」と話を聞いてもらいます。
――おふたりが全力で好き!と言えるものは何でしょう?
駒木根:すごく好きなのは…一人の時間です!
――お休みの日は人と会うよりは1人で過ごされることが好きなんですか?
駒木根:そうですね。友達と会うときは職業柄、スケジュールをかなり調整することが多く、無理をすることもあります。でもその作業が僕は苦手で…。だから、人と会うときは「今から家に行くわ!」と僕のわがままを許してくれる友達に会うことが多いです。でもそういうことがない限り、一人でいるし一人の時間が好きですね。先ほど新原くんも話していたQOLに関して、僕は割と模索しながら生きています。今は自分の空間がだいぶ出来上がってきている気がします。
新原:僕は踊ること。これに限ります! 踊っているときが一番生きてると実感します。でも、なんで踊ることが好きなんだろう、なんでやり続けているんだろうと考えてたんです。
――どうしてだったんですか?
人それぞれ趣味やリフレッシュ方法があると思うんです。例えば音楽を聴いたり、身体を動かしたり。僕はどちらも好きだしダンスってその両方ができるんですよね。一石二鳥じゃないけど、体を動かしながら心は安らいでいく、そんな時間が過ごせるからダンスが好きなんだと思います。
――最後に、お休みが取れたら行きたい場所は? 家以外でお願いします。
駒木根:家以外!(笑)。そうしたら海外ですね。この間、台湾の取材チームの方とお話をする機会があったのですが、「臭豆腐」の話になったんです。僕は食べたことがないんですが、偶然にも仲の良い友達も臭豆腐の話をするんですよ。だから今、臭豆腐をどうしても食べてみたいんです。自分にとっておいしいものなのか、得意じゃないのかまだわからないですが、久しぶりに興味があるものに出会えた気がして、今、頭の中の半分は臭豆腐で占められています。
――どんなものかはご存じですか?
駒木根:それが全然わからないんです。「臭い豆腐」って書くことぐらいしか。
――好みは分かれると思います。
駒木根:ちなみに…?(とエディターに尋ねる)
――全然ダメでした!
駒木根:ダメか~。人生経験ですね。
――新原さんはいかがですか
新原:臭豆腐が好きか嫌いかですか?
――違います(笑)
新原:笑
駒木根:ちなみに、食べたことある?
新原:ない!食べたことないんです。
駒木根:ちょっと怖いよね、全然ダメだったという話を聞くと。
新原:でも楽しそうです!
駒木根:ドキドキしてきたな。で?(と新原さんに「行きたい場所」の答えを突然聞く)
新原:あ、終わったかと思った(笑)。僕は景色が良いところがいいです。日本が好きなので、国内の景色の良い場所に行きたいです。厳かな庭園とか、静かなところ。海もそうですが、温泉に浸かりながら目の前に広がる景色を見て、コーヒー牛乳を飲むみたいな時間を過ごしたいです。
駒木根:金沢、めっちゃおすすめ! 兼六園行ったことある?
新原:兼六園行った! めっちゃいい!めちゃくちゃ楽しかった。去年、富山で舞台があって、その帰りに金沢に寄ってから帰ったんです。その時に兼六園に行きましたね。そういう景色の良い日本っぽいところに行ってみたいですね。
それぞれの回答を聞きながら、興味深そうに頷いたり、仲の良さがひしひしと伝わる駒木根さんと新原さんでした。
ドラマ「25時、赤坂で」
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
毎週木曜日深夜24:30~25:00放送中
BSテレ東、BSテレ東4K 毎週火曜日24:00~24:30放送中
駒木根さん
ジャケット¥88,000、タンクトップ¥13,200、スカート¥38,500、パンツ¥46,200(GALAABEND)、ネックレス¥79,200、ブレスレット(太)¥73,700、ブレスレット(細)¥41,800(3RD[i]VISIONPR〈WERKSTATT:MUNCHEN〉)、その他スタイリスト私物
新原さん
シャツ¥27,500・パンツ¥68,200(スタジオ ファブワーク〈ホロマーケット〉) その他/スタイリスト私物
問い合わせ先
3RD[i]VISIONPR TEL:03-6427-9087
スタジオ ファブワーク TEL:03-6438-9575
撮影/田中麻以 スタイリスト:千葉良(AVGVST/駒木根さん)、秋山貴紀(新原さん) ヘアメイク: 吉村健(駒木根さん)岩村尚人 (SPIELEN/新原さん) 取材協力/近藤亜衣子 構成/岡野亜紀子