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2024.04.18

主演ミュージカル『イザボー』がWOWOWで放送・配信! 望海風斗さんインタビュー

フランス史上〝最悪の王妃〟・イザボーを描いたオリジナルミュージカル『イザボー』。今年1月から2月にかけて上演された話題作を、WOWOWが放送・配信! 同作の主演俳優・望海風斗さんに、お話を伺いました。

WOWOWにて4月20日(土)放送・配信! 主演ミュージカル『イザボー』への想い

フランス史上最大の悪女と名高い王妃・イザボーを描いたオリジナルミュージカル『イザボー』。今年1月から2月にかけて上演された話題作が、WOWOWで放送・配信されることに! 〝最悪の王妃〟イザボーを見事に演じきったのは、宝塚歌劇団で雪組トップスターとして圧倒的な人気を誇り、退団後も多くの話題作に立て続けに出演する望海風斗さん。WOWOWでの放送・配信を前に、望海さんのインタビューをお届けします。

——大盛況の中、無事に幕をおろしたミュージカル『イザボー』。4月20日(土)にはWOWOWで待望の放送・配信も控えていますが、改めて作品への想いを教えてください。

百年戦争の時代を生きたイザボー。その長い人生をダイジェストのように描いているので、どのようなバックグラウンドを背負って彼女がそこに存在しているのかを、場面ごとにしっかりと演じなくてはいけない。一回一回の公演に、高い集中力が求められる作品でした。だからこそ、初日から千秋楽まで駆け抜けることができた達成感も非常に大きかったですね。公演を重ねるごとに、お客様の熱気も高まっていく…そんな環境で千秋楽を迎えられて幸せでした。

——客席を巻き込むような演出も多く、舞台と観客が一体となるような作品でした。印象的な客席の反応などはありましたか?

やっぱりラストシーンですね。客席からは涙ぐむ音が聞こえてくるのですが、こちらとしては「このまま終わらないよ?」と(笑)。「一体なんだったの…?」とお客さまたちが唖然としたまま終わる、〝いい裏切り〟ができて楽しかったです。尋常じゃない量の〝薔薇の花びら〟が降ってくるんですが、降ってくるというより、もはやのしかかってくるので、こちらも処理しきれずにカーテンコールが始まるという…(笑)。だけど、そんな畳み掛けるようなラストは、お客さまの反応があるからこそ、より面白いものになりました。

——〝いい裏切り〟、WOWOWの放送・配信でも感じてもらいたいですね。そんなラストシーンをはじめとする演出はもちろん、登場人物たちのキャラクターも面白い『イザボー』。もしイザボー以外の人物を演じるとしたら…誰を演じてみたいですか?

う〜ん、これは難しいですね…(と、しばらく悩む望海さん)。…あ! 私、『イザボー』でやりたかったのにできなかったことがあって。それが〝客席降り〟なんです。だから、(客席に降りて観客を煽る演出がある)ジャン役を演じて、客席を歩いて、観客の皆さんを作品に巻き込みたい! 公演を重ねるごとにパワーアップしていく客席降りのシーンを、いいなぁと思いながら観ていたんです。

——そんなも演出も含めて、WOWOWの放送・配信で観てほしいポイントを教えてください。

演劇的な要素が多くて、エンタメ感が強い。一般的なミュージカルとは一味違った作品になっているので、普段あまりミュージカルを観ない方にも観ていただきたいですね。衣裳やセット、照明といった美術も美しいですし、音楽も面白い。そして、登場人物のキャラが濃い! というより、濃い人しかでてこない(笑)。楽しんでいただけるポイントが本当にたくさんありますので、〝私はここが好き!〟というポイントを見つけながら観ていただけたらなと思います。

プライスレスな現場をつくる…望海風斗のマイルール

——ではここからは、望海さんご自身のお話を聞かせてください。Oggiは〝働く女性〟をメインターゲットにしたメディアなのですが、仕事をする上での望海さんの「マイルール」とは?

プライスレスな現場をつくること、ですね。もちろん舞台は興行ではありますが、それだけではない部分もとても大きい。「舞台が好き」「仕事が好き」という純粋な気持ちをもった方々が集まって、一緒に作品をつくりあげていく…そんな場所で働けるのは、とても幸せなことだと思うんです。だからこそ、〝当たり前の仕事〟にしてはいけない。毎日が特別で、みんなが楽しんで舞台に挑めるプライスレスな現場を目指す。これは宝塚時代から変わらない考えですね。

——その意識からでしょうか、宝塚時代から共演者の皆さんと活発にコミュニケーションをとられているイメージがあります。現在は作品ごとにカンパニーが変わる環境でお仕事をされていますが、取り組み方に変化はありましたか?

最近、やっとカンパニーの皆さんとしっかり交流できるようになってきました。人見知りな性格もあって、最初のころは、すでに関係値があるキャストの皆さんの中に入っていくことへの戸惑いや遠慮があったんです。皆さんがどうやってコミュニケーションをとっているのか、それを現場で学んで、どんどん入り込めるようになってきた。「もっと話せばよかったな…」と後悔することもあったので、これからはもっとオープンマインドでやっていけたらいいなと思います。

——Oggi読者にとっても、コミュニケーション術は欠かせないもの。少しずつ後輩が増えてきた中で人間関係を円滑にしていかなければならない…という年代でもあるのですが、〝先輩〟として上手にコミュニケーションとるコツってあるんでしょうか。

〝後輩に教えてもらうこと〟はすごく大事だなと思います。先輩として後輩を教えるのは当たり前のことですが、答えをずっと求められるのも何か違うし、教えることがありがた迷惑になってしまうこともある。だから、基本的には〝聞かれたら答える〟というスタンスではあるんですが、自分とは違うことをやっている後輩には「それどうやってるの?」と積極的に質問するようにしています。そうして会話をすることで、聞かれた人も私も視野が広がる。お互いに得なのかなって思うんです。たとえば、写真の撮り方とかは絶対的に後輩たちから学んでいます(笑)。

——質問される、自分の行動に興味を示してもらえるってうれしいですよね。

問いかけがきっかけで、深い話ができるようになったりするんですよね。時間があれば、今もいろいろな人に話しかけて質問するようにしています。

——もうひとつ、上手な働き方に欠かせないのが〝オンオフの切り替え〟。望海さんは、どうやって切り替えていらっしゃいますか?

「休みだから、休まなきゃ!」と思うと、それに追い込まれてしまいますよね。宝塚時代は、オフの日に体のメンテナンスをつめこんでいたので、休日なのにタスク量がすごくて(笑)。自分の心に身を委ねることが、大事なんじゃないかと思います。今日は絶対に家にいたいと思ったら、無理に出かけず家にいればいいし、外の空気が吸いたいならちょっと散歩してみればいい。人に会って何かを喋りたいなと思ったら、誰かとお茶するだけでも気持ちは切り替わる。私は、ちょっとでも時間ができたら旅行にいくようにしています。いつもと違うどこかに行くことで、気持ちがスムーズに切り替わるんですよね。

——最近もどこか旅行されました?

熱海に行きました! すごく楽しかったです。星が綺麗にみえるところに出かけたんですけど、曇っていて全然見えなくて…(苦笑)。でも、最後の最後にみることができて! 「よかった〜」って感動しながら帰ってきました。

——では最後に、『イザボー』と絡めた質問で終わらせてください。望海さんが演じられたイザボーは強い野心にあふれた女性でしたが、今、実現させたい野望はありますか?

フルオーケストラの中で歌うこと! フルオーケストラをそろえるって相当なことなのですが…だからこそ、今を頑張ることができる。この野望に向かって、日々進んでいこうと思います!

—ありがとうございました! 野望の達成、楽しみにしています!

◆望海風斗主演ミュージカル『イザボー』、4月20日(土)20:30〜WOWOWにて放送・配信!

独特の世界観で熱狂的支持を集める劇作家・末満健一と日本を代表するミュージカル女優・望海風斗がタッグを組んだオリジナルミュージカル『イザボー』。愛と衝動のままに生き、フランス史上最も嫌われた〝最悪の王妃〟イザボー・ド・バヴィエールの人生を描いた話題作が、WOWOWで放送・配信される。

◆放送日時/4月20日(土)20:30〜
番組HPはこちら

作・演出:末満健一
出演:望海風斗、甲斐翔真、上原理生、中河内雅貴、上川一哉、那須凜、石井一孝 ほか

望海風斗(のぞみ・ふうと)

10月19日生まれ、神奈川県出身。2003年に宝塚歌劇団入団。2014年に花組から雪組へ組み替えし、2017年に雪組トップスター就任。唯一無二の歌唱力で多くのファンを魅了。2021年4月に宝塚歌劇団を退団した後も、『DREAMGIRLS』『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』などの人気ミュージカルに立て続けに出演。日本を代表するミュージカル俳優に。

[衣装]ニット¥41,800・パンツ¥41,800(オンワード樫山 お客様相談室〈ジョゼフ〉) ピアス¥27,000・ネックレス¥79,000(トムウッド 青山店〈トムウッド〉)

撮影/中川達也 スタイリスト/田中雅美 ヘア&メイク/yuto 構成/旧井菜月

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