2023年、映画やドラマといったエンタメ事情はどう変化した?
〝推し〟が多様化するご時世に、注目を集めるのには理由がある! 日々の癒しと刺激に欠かせない2023年のエンタメ事情とは…。エンタメをこよなく愛する3人がドラマ&映画を中心に語りつくします!
教えてくれたのはこちらの3人!
2023年のエンタメ事情を総括!
◆「わかりにくくてリアリティのある作品」が話題をさらった2023年
佳香:今年はテレビドラマの枠が、毎クールごとにどんどん増えました。
大島:テレビ局がCMによる収入を見込めなくなって、配信サービスに舵を切りましたね。ドラマは当たれば10年後でも配信で見てもらえるから。作品が増えすぎて質にはバラツキがあるけど、深夜の低予算な30分ドラマにもいい作品が出てきたりするんですよ。「初恋、ざらり」とか、知ってます?
原:えっと、韓国ドラマに忙しくて… (苦笑)。そんな私でも知っているドラマと言えば「 VIVANT」。
佳香:「半沢直樹」と同じ布陣で期待も高かったですし、どんでん返し続きでまったく飽きなかった!
大島:これまでの「日曜劇場」の流れかと思いきや、勧善懲悪でもなく、だれが悪者かもわからず、夢を叶えるわけでもなく、まんまと踊らされました。
佳香:社会も価値観も多様化している時代に、勧善懲悪的なわかりやすい話ではないという意味では、今放送中の「いちばんすきな花」もリアル。
大島:学生時代のあるあるや生きづらさなど、主人公4人のだれかには共感してしまう。「ブラッシュアップライフ」も、主人公が人生を何回もやり直したうえで現状を肯定する、地に足の着いた着地が泣けました。
◆女性同士が連帯する〝シスターフッド〟ドラマにも良作が多かった一年
佳香:女性同士の連帯=シスターフッドを描いた「18/40~ふたりなら夢も恋も~」は、不妊治療をあきらめる選択肢や卵子凍結まで踏み込んでくれて。
原:デリケートな話題ですが、考えたり話したりするきっかけになりますね。
佳香:「セクシー田中さん」やリアリティショー「バチェラー・ジャパン シーズン5」も女性同士の絆が光ったし…。
大島:「日曜の夜ぐらいは… 」「今夜すきやきだよ」も刺さった! よしながふみさんのマンガ原作の、NHK「大奥」も外せません。男女逆転の設定で現実の社会構造を批評的に描きつつ、何人もの女優さんの演技も堪能できて、実写のお得感がめっちゃある。
佳香:特に1~3月放送のシーズン1は、さまざまな役割を背負う女性が、その苦しさも丸ごと受け止めてほしいと切望する様子にグッときました。女性たちのモヤモヤを代弁してくれる作品としては、映画「バービー」も。
原:かわいくて子供向けの映画かと…。
大島:ポップに見せかけて実は社会派っていうプロモーションはうまいですね。今年はほかにも「怪物」や「君たちはどう生きるか」「シン・仮面ライダー」など、見た後に「アレなんだったんだ?」と議論したくなる映画が多かった。「君たちは~」なんて「鳥の映画?」と思わせて、実は… (笑)。
◆韓流イケメンたちの美しさに胸キュン♡
原:韓ドラファンの私は、キュンキュンするラブコメとドロドロ系を並行して配信で見ています。最近なら「イ・ドゥナ!」「この恋は不可抗力」「セレブリティ」が好き。難しいことは考えず「あぁ美しい」って♡ K-POPでも大ニュースがあって、アイドルグループSEVENTEENのアルバム売上が1000万枚を突破したんですよ!
佳香:韓国は競争社会の上昇志向や価値観がエンタメにも反映されていそう。
◆リアリティショーは新たなステージへ!
大島:最後に… リアリティショーは今年、新次元に突入! これまでの定番とは異なり、企画性を押し出して、新たな見せ方をする流れが出てきました。
原:Oggi読者ランキング1~3位の作品は全部見ました。
佳香:35歳以上の男女が古民家で暮らして〝人生最後のパートナー〟を探す「あいの里」はキラキラしてないのがいい(笑)。マッチングアプリ全盛の時代に、過去の別れやトラウマも抱える参加者たちの、ぶつかり稽古のような恋愛を見ました。来年のエンタメも、多様性やリアリティは、引き続きキーワードでしょう。キラキラした韓国ドラマと棲み分けして楽しんでみては?
大島:好きなものをマニアックに楽しみつつ、僕ら世代が楽しめる〝メジャー〟作品もなくなってほしくない。僕も意識的にさまざまな作品を見て、その魅力を紹介していきたいです!
3人の「2023年・私的ベストアクター」は?
ドラマ「ブラッシュアップライフ」、映画「怪物」の安藤さんはもちろん、「いちばんすきな花」、TVerオリジナルドラマ「潜入捜査官 松下洸平」の松下さんも演技の幅が話題に。ドラマ「下剋上球児」、映画「エゴイスト」主演の鈴木亮平さんは〝人格俳優〟としても知られる。ロウンさんは韓国ドラマ「先輩、その口紅塗らないで」「この恋は不可抗力」のイケメンぶりが眼福。
2024年Oggi1月号「働くわたしの『いいもの』大賞 第5回Oggiアワード2023」
イラスト/green K 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部