タイ発ラグジュアリーホテル「デュシタニ京都」
インバウンドが回復した今、京都のホテルはどこも満室続き、タクシーは拾えないし、どこを訪れても人、人、人…。オーバーツーリズムが話題となるばかりの京都ですが、きっとまだどこかには静かな大人の楽園があるはず…! と、あれこれリサーチ。
結果、京都ツウの友人から有益な情報をゲットし、いざ向かったのは2023年9月にオープンしたばかりのホテル、「デュシタニ京都」。
ずらりと並ぶタクシー待ちの行列を横目に、京都駅から歩くこと約10分。西洞院通りに面した静かなエリアに佇み、京の街並みに溶け込んだ外観、それが「デュシタニ京都」でした。
アジアを中心に6つのホテルブランドを展開中のデュシット・インターナショナルは、タイ資本のホテルグループ。中でも「デュシタニ」シリーズは、リゾート地で展開する最高級カテゴリのホテルブランドで、日本では京都が初上陸だそう。
でも、タイと京都って、意外な組み合わせ…と、正直、到着前はイメージが湧かずにいましたが、ロビーに一歩入った瞬間、両者の見事な調和に感動!
都会的かつアジアンモダンが息づく館内
1階ロビーフロアは「デュシタニ」のイメージカラーでもあるダークブルーの藍染リボンが効果的に配され、モダンながらもリゾートのように緩やかに時間が流れていくような雰囲気もあり、一気にリラックスモードへと誘います。
また、アユタヤと京都というふたつの古都からインスピレーションを受けたというデザインがそこかしこに息づき、さりげなくエキゾチックな雰囲気も。
客室数は147と、大規模ホテルではないからこその”ちょうどいい”居心地の良さに満ちていて、大人が求める静けさもバッチリ。
ロビーの奥にはラウンジ「ザ・ギャラリー」と「ティーサロン」があり、第二・第四土曜日には舞妓さんが踊り、日本のお茶体験もできるそう。
今回ステイしたゲストルームは広さ40平米の「プリミエルーム」。シンプルながらも、和とリゾートのテイストが控えめに調和し、居心地抜群。障子越しに差し込む柔らかな光も心地よく、街の喧騒とも無縁。
タイの本格スパ「デバラナ・ウェルネス」でリラックス
今回、「デュシタニ京都」をステイ先に決めた理由の一つが、タイの伝統的トリートメントが受けられる本格スパ「デバラナ・ウェルス」。「DEVARANA」とは天国の庭、という意味を持つとか。
楽しみにしていたのが「Thai Herbal Antidote」という、上質なエッセンシャルオイルにハーブやスギ、ヒノキのエッセンスを組み合わせた癒しのトリートメント。
タイの伝統的なレシピに、京都の自然の森林療法にインスピレーションを得たという京都だけのオリジナルメニューだそう。
求める効果によって「Destress」「Detos」「Deep Sleep」の3種類が用意されていますが、今回は「Detox」をチョイス。
レモンライム、グレープフルーツ、ユーカリのエッセンシャルオイルをタイのレシピ通りに、自ら配合。このプロセスも他にはないユニークな体験。
心地良い香りに包まれ、セラピストの手に体を預けている間は、ここは京都ではなく、タイなのでは? と錯覚してしまったほど、極上のリラックスタイムとなりました。
ほんの60分ではあったけれど、日頃の疲れが一気に解消。これはもう、京都を訪れる度に、”自分へのご褒美”と言い訳してでも、絶対に受ける! と固く決意。
スパ内にはトリートメントルームが4室、プライベートバス付きのスイートルームが1室。タイ古式マッサージなどのメニューが充実しているのもうれしい限り。
感性を刺激されるディナーは「Ayatana(アヤタナ)」で
もうひとつ、「デュシタニ京都」で楽しみにしていたのがディナー。京都を何度も訪れている身としては、たまには和食以外の食体験もいいな〜と思っていたんです。
ホテル地下1階のメインダイニング「Ayatana(アヤタナ)」は、ミシュランガイド バンコクで星を獲得したシェフが監修したレストラン。
「Ayatana(アヤタナ)」とは、タイ語で六感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、心)を意味するそう。
ユニークなのは、まず入り口でオリエンタルな香りが染み込んだ扇子を受け取り、中庭を通ってダイニングエリアへと向かうという、席につく前の”プロローグ”とも呼ぶべき導入部分があること。
さらに、席に着いたらオーガニックハーブの水で手を洗い、嗅覚や触覚を呼び覚まします。
その後、ウェルカムフードがシェフ自ら手渡しされ、ゲストはそれを一口で味わった後、ようやくメインフロアへと案内されます。
5種類のアミューズは、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味という5つの味わい、さらに緑、赤、黒、黄、白の5つの色、そして焼く、燻す、蒸す、茹でる、生という5つの調理法を表現。
複数のメニューを少しづついただけるのは、メインも同様。
サラダから炒め物、カレー、スープ、煮込み料理、蒸し魚、お米まで、6種類のメインはシェアするスタイル。
デザートまでお腹いっぱい食べた後は、隠れ家のような雰囲気をもったバー「Den Kyoto(デン・キョウト)」へ移動し、寝酒代わりにカクテルを1杯。
ダイニングもバーも、ゲストの年齢層が高いぶん、静かで落ち着いた雰囲気がたっぷり。友人とゆっくり語らうには最高の空間。
朝食は選べるメインから名物「ガパオ」をチョイス
ちなみに、朝食もメインダイニング「Ayatana(アヤタナ)」がある場所でいただきます。サラダやフルーツなどのビュフェコーナーとは別に、メインディッシュをメニューからチョイスするシステム。
エッグベネディクトなどの洋食もオンメニューしていますが、お目当てはやっぱり「タイスペシャリテ」。
ガパオライス、タイのおかゆ、ライスヌードルの3種類がラインナップしていますが、人気なのは辛さ控えめのガパオライス。
京都の朝=和食、という固定概念を華麗に覆す「デュシタニ京都」の朝食。ランチに懐石や湯豆腐などを予定しているならば、こんな選択肢はむしろアリ!
世界遺産「西本願寺」までも徒歩圏内という立地も便利。
いつもと違う京都を満喫するなら、「デュシタニ京都」をおすすめします!
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