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【スタイリストが解説】サテンとは?
その肌触りのよさから、スカートやパンツなどに限らずパジャマなどにも多用されるサテン(satin)。今回は、華やかなサテンの特徴やシルクとの違い、お手入れで気をつけたい点などを、スタイリスト・城長さくらさんがナビゲートします。
サテン生地の特徴
「私たちは普段、サテンを生地の名前のように使っていますが、正確には『朱子・繻子(しゅす)織り』という織り方の種類のことを指します。サテンという素材があるわけではなく、織り方の名称なので、原料はさまざま。コットンやウール、ポリエステル、シルクなど、いろいろな素材で織ることができます」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
シルクとの違い
1:サテン=織り方の名称、シルク=素材の名前
「サテンは『朱子・繻子(しゅす)』という織り方の名称ですが、シルクは蚕の繭からつくられる素材のこと。どちらも艶のある生地に仕上がるため混同されがちですが、実はまったく別物です」
2:サテン=合成繊維が多い、シルク=天然繊維
「サテンは織り方の名称なので、シルクやコットンでつくることもできますが、デイリー使いするようなスカートやパンツの原料は、合成繊維のケースが多いようです。原料の違いから、ポリエステルやキュプラなど合成繊維でつくられたものを『サテン』、シルクでつくられたものを『シルク(シルクサテン)』と呼び分けることも。一方、シルクは天然繊維のみ」
3:サテン=低価格、シルク=高価格
「合成繊維と天然繊維の違いから価格の差が生まれます。サテンでも天然繊維からつくられた場合は高くなりますが、原料が合成繊維の場合は、大量に生産できるため比較的安価。一方、シルクは高価な製品が多いですね」
お手入れで気をつけるべき点
サテンは非常にデリケートな織物のため、お手入れ方法にも注意が必要。間違ったお手入れをすると、風合いが損なわれたり、テカテカ光ってしまうこともあります。
裏返しにして洗濯ネットに入れる
「非常にデリケートなため、引っかかって生地が傷まないよう、洗濯ネットに必ず入れましょう」
吊るして陰干しに
「シワになりやすく、紫外線によって変色、変形してしまう可能性があるので、吊るして陰干しを」
アイロンをかけるときは当て布を
「サテンは熱に弱いため、低温で当て布を必ずしましょう。高い熱でアイロンをかけるとテカテカ光り、美しい風合いを損ねる可能性があります」
【2023年最新】サテンアイテムの着こなしポイント
カジュアルからオケージョンまで幅広いシーンで活躍するサテン。その着こなしのコツをご紹介します。
POINT1.カジュアルな素材と合わせてメリハリを
「秋冬であればウールやニット、春夏であればカットソーやスエットなど素材のイメージが異なるアイテムを組み合わせると、コーディネートにメリハリが生まれます。それだけで、いつもとひと味違うコーディネートが完成しますよ」
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POINT2.オケージョン服にピッタリ
「ワンピースやセットアップなど、艶のある高級感のある素材感を活かしたオケージョン服がたくさん出ています。シンプルなデザインでも艶があるだけで華やかに見えるので、特別なお出かけにおすすめです」
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POINT3.パジャマで取り入れるときは原料に注意
「肌触りのよさから、サテンはパジャマなどの寝具にもよく使われています。肌触りがよくリッチ感のあるサテンパジャマはギフトにも人気がありますが、選ぶべきポイントはサテンの原料。寝ている間は想像以上に汗をかくので、合成繊維よりも天然繊維が多く含まれているものがおすすめです」
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【アイテムごとの着こなし】おすすめコーディネート
サテンの特徴や着こなしのポイントを抑えたところで、実際にどのように着こなせばよいのか見ていきましょう。
スカート|ちょっとしたお出かけにも頼れる華やかさ!
ヘムフリルが組み合わさったタイトシルエットのスカート。タイトな部分とフリル部分がしっかりセパレートされているため、メリハリのある美しいシルエットが生まれる。女らしい美ラインにスラブサテンの艶が加わり、より一層華やかな印象に。
パンツ|コットンシャツとの風合いの違いを楽しんで!
レモンシャーベットのような透明感のある発色が目をひくパンツ。サテンのツヤ感を引き立てるために、シャツは真逆の風合いの、洗いをかけた地厚なコットンを選択。上下ともにゆったりしたフォルムでいながら品よく好印象なのは、きれい色パンツの清涼感のおかげ。
ワンピース|ジャケットスタイルの華やかな盛り上げ役に
モノトーンベースのジャケットスタイルにオレンジベージュのキャミワンピを投入。ドレッシーさもある一着だから、シックな装いに合わせても違和感なし。洋服の素材や色が重くなりがちな秋冬は、明るく艶のある素材で装いを軽く見せるのが◎!
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ブラウス|タックアウトでゆるっと着こなすのが大人っぽい
モードでかっこいい色合いと、上品でやわらかな素材のバランスが絶妙なワンツースタイル。きれいめな装いとは正反対のスポサン&ロゴトートでやんちゃに着くずして。
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【色ごとの着こなし】おすすめコーディネート
発色のよさもサテンの魅力。ベーシックカラーからアクセントカラーまで、色別の着こなしをお届けします。
黒|シアーな黒の魅力をとことんモードに楽しむ
オーバーシルエットをクールに辛口に楽しむなら、潔いブラックコーディネートで。透け素材に光沢のあるサテン、軽やかなテクスチャーを重ねることで、黒でも重く見えず涼やかに着こなせる。カラーシャツやプリントバッグで色を差し、装いを盛り上げて。
白|ゴツめのブーツとオーバーサイズシャツを合わせてテイストMIX
真っ白なサテンのナローフレア。女らしく繊細なアイテムには、真逆のテイストをぶつけるのが映えるおしゃれワザ。スクエアトウのコンバットブーツとオーバーサイズのシャツで、クールなパンチを効かせたい。
ピンク|女っぽいサテン艶が着こなしをドラマティックに
軽くてやわらかいバックサテンパンツなら、どんな動きもドラマティックに! 光沢があるのできちんと感をキープしながら、女性らしい華やかさとほどよい抜け感も叶えてくれる。
女っぷりが上がる「ツヤサテンパンツ」コーデ|軽やかなテクスチャーが春にぴったり!
ブルー|繊細なサテン×無骨なブーツで洒落感UP!
女らしいサテンワンピースに、あえてパンプスではなくレースアップブーツを合わせて足元にパンチを利かせて。ブルーのジャケットをラフにはおれば大人の余裕が漂う。
最後に
女らしく繊細なサテンは、通勤やオケージョンといったきれいめコーデから、リラクシーなカジュアルスタイルまで大活躍! スタイリングのコツを踏まえつつ、素材の違うアイテムを重ねたりテイストMIXすることで、より今っぽく着こなしてください。
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。