まるで天空の城「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」
「何もしない」って、実はとっても難しい。それならあえて何もしないをする旅に出てみようと向かったのは、日本有数の温泉地・大分県別府市。滞在先に選んだホテルは「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」です。
「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」があるのは、別府市内の明礬(みょうばん)地区と呼ばれるエリア。
アクセスは、大分空港から別府駅まで空港バスで約50分。そこからホテルまでのシャトルバスに揺られること約20分。湯けむりの立ちのぼる情緒あふれる景色を横目に森を超えると、緑豊かな山々に囲まれた高台の好立地に位置します。
到着後、まず感じるのはスーッと透き通った新鮮な空気。そして、大分県産・日田杉や別府石で構成されたエントランス前の車寄せからは、グローバルリゾート×別府温泉らしさの見事な融合を見て取ることができます。
さっそくロビーへ進むと、眼前には開放感バツグンな吹き抜け&明るい光が差し込む全面ガラス窓。別府湾や青々とした連邦が広がる景色に、早くも日常から切り離されていくよう。天候によっては、雲が海のように広がる雲海を眼下に望むことができるというまさに天空の城!
出迎えてくれる伝統工芸の竹細工や、アートの数々も印象的です。
一瞬で「もうずっとここにいる!」と思わせるパーフェクトな客室
続いては客室。
客室数は全部で89室。筆者が宿泊したのは、「クラシック」というタイプのお部屋です。ドアを開けると、真っ先に飛び込んできたのはここでも全面ガラス窓! 大パノラマの先にある新緑の山々(扇山)と、広い空を独り占め。
そのまま吸い込まれるように向かったテラスには、ゆったり座れるソファまで。…なんて贅沢っ! ぼんやりたたずんでいると、鳥のさえずりや風の音が耳に優しく響きます。ものの数分で、すっかり別世界の住人になった気分。
しかも、ベッドからもこの景色を堪能できちゃうのが嬉しい! リラックスした姿勢の足先に、大パノラマが望めます。
また、客室内でもひときわ特徴的なのが、ベッドルームとバスルームの仕切り。室内はこのような組子細工や竹細工といった精巧な伝統工芸で彩られていて、モダンな空間のなかに和の落ち着きを感じ取ることができます。それがなんとも言えない居心地のよさを演出してくれているのでしょう。
バスルームは、ゴージャスな大理石。体を伸ばしてゆったり浸かることができる広々としたバスタブには、白檀や竹、桜のバスソルト。お湯に溶かすと、スパさながらのアロマ空間に早変わり。アメニティには、ファッション好きが愛用するストックホルム発ラグジュアリーセンスブランド「BYREDO(バイレード)」のシャンプーやコンディショナー、ボディ・ハンドソープがズラリと並びます。
ツインシンクは組子細工越しに自然の光を感じられるように設計されていて、朝の身支度もどこか楽しく感じられる。1日のスタートが清々しいだなんて、何年ぶりに感じたことか!
「もうずっとここにいる!」と思わせるパーフェクトな客室に、終始うっとり。
露天風呂は2つ、日替わりで違った景色を楽しめる
さて、別府といったら温泉は外せませんよね。
別府八湯のひとつでも知られる明礬エリアに位置する「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」では、美肌の湯を堪能することができます。鶴見岳の噴火でできた別府石で造られた野趣あふれる露天風呂とつぼ湯は、日替わりで入湯可能。
朝は別府湾からのぼる太陽を、夜は別府から大分にかけてのキラッキラと輝く夜景を見ながら至福のひととき。高台に吹き抜ける風が、温泉で火照った体にほどよい涼感をもたらしてくれます。浴室内にはサウナ(スチーム・ドライ)も併設されているので、流行りのサ活をするのもいいかもしれませんね。
そうそう、露天風呂に向かう途中にはインフィニティプール(宿泊者は無料で利用可能)もあるんです。視線の先には、これぞ別府な湯けむり! 市内に点在する温泉から立ちのぼるモクモクとした湯気は、圧巻の光景です。
ほかにも、さらなる異世界へといざなう光の道を通り「ハーンヘリテージスパ」で施術を受けるもよし。
予約必須な隠れ家的空間・家族風呂(プライベート温泉)やプールサイドのカバナ、各種運動器具が取り揃えられたフィットネスセンターなどさまざまな施設が充実していることからも、最高のホテルステイが叶う…といっても過言ではありません。
大分の食材をふんだんに使った料理に舌鼓&夜景も朝の景色も両方楽しんで!
夕食は4階、レストラン&バーフロアにある「エレメンツ」で。室内およびテラス席合わせて全110席のオールデイダイニングです。
筆者がいただいたのは、LAND(陸)&SEA(海)をテーマに地元の新鮮な食材を使ったコース料理。「四季の恵みPLATE(前菜盛り合わせ)」では、色鮮やかに盛り付けられた食材のなかにライスペーパーでエディブルフラワーと一緒に巻かれたアスパラガスの美しさが目を引きます。メインディッシュは皮目がパリッとした鰆。身がふっくらしていて、ジューシー!
デザートは、席を変えて別府湾と市内の夜景が一望できるテラス席でいただきました。高台ならではの絶景は目をみはるものがあって、涼しい夜風に触れながらいつまでも眺めていたい気持ちに。抹茶のティラミス越しに見たまばゆい世界は、今もまぶたに焼き付いているくらいに印象的でした。
肝心のスイーツは、食べ進めると抹茶のソースがとろ~りと出てきて甘さとほろ苦さのさじ加減が絶妙!
翌日は、清々しい朝の空気が感じられるテラス席でビュッフェスタイルの朝食。大分名物のとり天には、密かにテンションUP。和食だけでなく、洋食やクロワッサン、マフィン、デニッシュなど種類豊富な焼きたてパンは全種類制覇できなかったのが心残り。ですが、ふわっふわなのに重厚感のあるスペシャルなオムレツを食べることができたので大満足。
ちなみに、無類のソイラテ好きの筆者。滞在中、1日2回は2階「ザ・ラウンジ」を訪問していました。まろやかな豆乳の風味に、コク深いエスプレッソ。バリスタの方が好みの配合に変えてくれるので、エスプレッソを濃いめにオーダー。テイクアウトして、部屋でのくつろぎタイムに飲むのも最高! ホテルオリジナルのスリーブがまた、特別感があっていいんですよね。
旅の締めくくりには、ブティック「パティスリー・ブーランジェリー」でホテルメイドのパンをお土産に。レストランスタッフの方イチオシのクリームパンは、烏骨鶏の卵が使われていて驚くほど濃厚でした。午前中には売り切れてしまうことも多いそうなので、要チェックです!
帰宅前には、念願の雲海にお目にかかることができて感動。
部屋ではテレビも音楽もつけずに自然の音に耳を傾け、目に映る景色は、ひたすら優しく寄り添ってくれる。温泉のまろやかなお湯やふと肌に感じるさわやかな風、美味しい料理、館内にふんわりと香るひのきをベースに大分名産・かぼすを加えたオリジナルアロマ。
至るところに散りばめられた五感を刺激してくれる要素の数々は、ただその場にいる時間を充実した有意義なものに変えてくれる重要でかつさりげないエッセンスになってくれました。こんなにのんびりとした過ごし方は、過去を遡っても思い出せないくらい久しぶり。
何もしないことが大の苦手な筆者ですが、客室や館内、露天風呂にレストランとそのとき・その場にごく自然にスッと身を委ねてゆったりできたのでした。これぞまさしく、何もしない贅沢な旅! 忙しく過ごすことに慣れてしまっているみなさん、ぜひ足を運んで極上のホテルステイを体験してみては?
【前編・完】
後編では、「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」で開催された特別なアクティビティに参加。詳しくは、次の記事で。
「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」
大分県別府市大字鉄輪 499番地18