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気軽に相談してオーダーメイドな施術を
クリニックにもよりますが、ASTRA BEAUTY CLINIC(アストラビューティークリニック)では最大90分のカウンセリング時間を設けてます。最初は特にかまえず、雑談のような形で気軽に相談にきて大丈夫です。
最近、ちょっとパッとしない、肌がくすんでる気がする、一気に老けた感じがする等のぼやっとしたイメージで来店する患者さんも多く、それに対して何が必要か提案するのも私たちの仕事です。
例えば老けて見えるというお悩みに対しては、クマがあるから老けて見える、くすみが気になるというお悩みには、肌が乾燥しているからくすみも目立っているなど、プロの目からアドバイスさせていただき、改善に導きます。
ぼやっとしたお悩みに対して予算やダウンタイム有無を聞いて美容皮膚科で肌を整える提案や、「どこをいじったら可愛くなれますか? キレイになれますか?」という相談に対してはお顔を拝見して美容整形の提案をしていきます。
いいクリニックはその人にあったプランをいくつか提案してくれるはずです。それに対して持ち帰ってしっかり検討してもいいですし、納得してその日に施術するのも自由です。
美容室や美容師さん選びと一緒で、クリニックによって先生のセンスも異なってくるので、自分の好みに合うクリニックや先生を探すために何件かカウンセリングを周って比較してもいいと思います。
初めての人は知識がないため、友人と一緒のものを選ぶという人も多いですが、悩みや施術も人それぞれ異なってきます。自分の悩みを相談して、自分に合ったオーダーメイドな施術を受けることをおすすめしています。
実際に多くの人が気軽に相談にきている
最近では、「ズーム会議で無修正の自分の顔を見て気になる部分ができた」と相談しにくる人が増えました。またコロナ禍でのマスク生活もきっかけになっています。「お口パンツ」と言われるほどマスクをすると口周りの筋肉に緊張感がなくなり、顔周りがだらしなくなってしまいます。
それにより、たるむ、二重顎ができやすくなったなどのお悩みが発生。2023年初頭からマスクを外すことを見込んでケアをスタートする人が増加しました。気になった時がタイミングなので考えすぎずに相談に行く事が第一歩です。
私の患者さんでも「やる時期が未定だけど、次は何をやった方がいいのでしょうか?」「2万円くらいで手軽にできるものはありますか?」「今日、すぐにできてダウンタイムがない施術はありますか?」など気軽に相談にきます。
私のクリニックで最大90分のカウンセリング時間をとっているのは、リラックスして欲しいのと、なんでも相談できて末長く通える場所になってほしいと思っているからです。大手ではできなかった細やかなサービスを提供できるような仕組みにしています。美的センスの相性やカウンセリングの流れは自分の好みがあると思うので、合うクリニックを見つけてください。
ぼやっとしたイメージしかない時、どうすることがおすすめ?
もちろん、ぼやっとしたイメージで相談してもらっていいのですが、それでも不安な場合は自分が「何をしたいか」「どんな結果を求めたいか」を明確にしておくのがいいと思います。
例えば美容整形では、大きい変化を出したいのか、顔を根本から変えたいのか、他人に知られてもいいのかなどです。また美容医療に関しては、エイジングケアがしたいのか、予防がしたいのかなど「なりたい自分」のベースがあれば、より自分のモチベーションにもつながるかと思います。
たくさんの提案があると迷ってしまい、先延ばしになってしまうこともあるので、目標期限を設けておくのもポイントです。例えば数ヶ月後の同窓会までに10万円くらいで他人に知られずに痩せたい、可愛くなったねと言われたいなどアバウトなイメージと目標があるとクリニック側もそれに合わせたメニュー提案ができます。
目標、到着地点、期限、予算などを考えておくと自分の背中を押せてトライしやすいです。
施術後、納得のいく自分になるためには?
クリニックで施術を受ける場合、納得のいく自分になるためには術前のコミュニケーションが最も大切になります。納得とは自分の理想と一致することなので、自分はこうなりたいんだ、この施術を受けたらこうなるんだという部分にドクターと共通の認識を持ってないといけません。
そのためには、最初はぼやっとしたイメージからスタートでいいのですが、施術を受ける直前までには共通の認識を持てるまでしっかり話をすることをおすすめします。更にはなりたいことだけでなく、なりたくないことも伝えてください。例えば美容整形で目の形を整える場合、目を大きく見せたいけれど美容整形感が出るのは嫌、二重幅を広げたいけれど眠たそうな目は嫌など、自分のなりたい顔となりたくない顔を明確に伝えてください。
またドクターに関してはその施術で起こりうる可能性をしっかり伝えます。例えば先に伝えた、目の施術。ある患者さんの目では右の方が左の目より脂肪が多いため、同じラインでつくっても多少の左右差が出るので、できる限り違和感がないように施術はするものの、完璧な左右対称は難しいなど、起こりうる可能性もしっかり伝えます。このドクターからの説明があるだけで術後の納得にもつながるんです。そのためしっかりとコミュニケーションが取れるドクターを選び、リスクについてもしっかり聞いておきましょう。
このように、最初はぼやっとしたイメージで気軽にクリニックに相談しにいって大丈夫ですが、最後は納得して施術に臨んでいただけたらと思います。
美容外科医 塩満恵子(しおみつ・けいこ)
大手美容外科院長を歴任し、2022年8月より渋谷に美容クリニックを開院。形成外科出身の確かな技術力と丁寧なカウンセリングに定評がある。日本語・中国語・英語の3ヶ国語を操り、プライベートでは2人のお子さんを育てるエレママ。