日本のさまざまな「1位」を堪能する弾丸旅。今回は「天下を取る」ための歴史的拠点でもあった愛知・犬山へ!
愛知県といえば、専ら名古屋止まりの私でしたが… 名古屋から名鉄に乗り換えて約30分(快速特急、特急利用)、「犬山遊園」という駅にあるホテルにステイするのが今回の旅の一番の目的!
「一度訪れるべき価値がある」と2022年3月のオープン当初から話題になっている「ホテルインディゴ犬山有楽苑」へ満を持してステイしてきました。「ホテルインディゴ」は日本国内には箱根強羅と軽井沢にありますが、街の個性や魅力を生かしたインテリアやフードカルチャーが楽しめるライフスタイル・ブティックホテル。中でも今回うかがった「ホテルインディゴ犬山有楽苑」は、ホテルジャーナリストやホテルフリークからの評価も高く、開業1年目にして「ワールド・ラグジュアリー・ホテル・アワード2022」というホテル業界のアカデミー賞ともいえる賞を受賞した実力も!
そして「犬山」という地は戦国時代、交通の要である中山道と木曽街道、そして木曽川に通じる場所であり、重要な拠点だったそうで、天下を取りたい戦国武将、信長も秀吉も家康もこぞって「犬山城」を狙っていたというエピソードも! そんな犬山城に隣接するスゴいホテルと聞き、歴女なわけではありませんが、妙にワクワク増し増しで旅がスタート。
◆国宝「犬山城」を眺めながら木曽川沿いを7分歩いてホテルに到着!
ホテルインディゴ犬山有楽苑は、名鉄「犬山遊園駅」から徒歩7分。木曽川沿いを歩いて行くと、丘の上に趣のある犬山城がお目見え!
【ホテルインディゴ犬山有楽苑の1位なコト その1】現存する日本最古の天守「犬山城」を臨むホテル
エントランスからホテル内に入ると、天井が高く開放感のあるエントランスロビーの大きなガラス窓の外に堂々たる「犬山城」の姿が! 日本国内には現在、現存する天守が12ヶ所しかないなか、「犬山城」は最古を誇る国宝。日本のお城のほとんどは戦国の戦乱や明治期の廃城令、その後の戦争などで失われているので、戦国時代の天守を残しているのはかなり貴重なんだそう。
「犬山城」を築城したのは織田信長の叔父である織田信康。もともと暮らしていた木之下城を廃し、1537年に木之下城の城郭を現在の「犬山城」の場所に移築したのがはじまりだそうで、その後、錚々たる戦国武将たちが天下取りの最重要拠点として「攻め取りたい」と願った、歴史的に深みがありすぎるお城なんです。
◆犬山城を見上げるキャッスルシート
エントランスロビーから一段下がったキャッスルシートから見上げるアイコニックな「犬山城」の眺めはとても贅沢! 時間や天気によって趣が異なる「犬山城」が楽しめるのも魅力です。
今回宿泊させていただいたお部屋から。朝起きてベッドでゴロゴロしながら窓の外を見てみたら… そこにも「犬山城」が! ロビーのみならず、レストランやお庭、お部屋からも国宝のお城を望めるホテルステイはかなりスペシャルですよね! とくにお城好きというわけでなくても、テンション上がること間違いなし。
◆水盤に映る景色も楽しみながら…
中庭には「犬山城」の借景を最大限に生かすために配された大きな水盤が広がります。水面の最も美しい反射を計算して割り出された、水深6センチの巨大な水鏡は、季節や天気、時間帯などによってさまざまな彩りを見せてくれます。ライトアップされた「犬山城」や樹々が映る夜景はとってもミステリアス!
翌朝は残念ながら風があったため水面がさざ波立っており、「犬山城」の〝逆さ城〟がキレイに映し出されませんでしたが、〝逆さ城〟の撮影をリベンジしにいきたくなる衝動に駆られています(笑)。まったく同じ景色には二度と出会えないからこそ、何度でも訪れたくなっちゃいますよね。
【ホテルインディゴ犬山有楽苑の1位なコト その2】非日常感に浸れる、ふたつの国宝に隣接する唯一無二のホテル
国宝「犬山城」に加えもうひとつ、ホテルに隣接するのが「日本庭園 有楽苑」にある国宝茶室「如庵(じょあん)」。茶の湯の創世期に、織田信長の弟である織田有楽斎(おだうらくさい)が京都の建仁寺に創建した茶室で、国宝茶席三名席のひとつです。東京、神奈川と転々とし、現在は犬山に移築。織田有楽斎は尾張の国が生んだ大茶匠で、この茶室は茶道文化史上貴重な遺構だそうです(撮影/門司紀子)。
◆国宝茶室「如庵」の円窓をイメージした窓がホテルにも!
国宝茶室「如庵」の約400年前から受け継がれる独創的なデザインアイディアが、「ホテルインディゴ犬山有楽苑」の随所に活かされています。例えばレセプションエリアには、国宝茶室「如庵」へのオマージュとして印象的な円窓をデザイン。現代建築の快適なステイが約束されている中にも、犬山の歴史とカルチャーを随所に感じられるのがユニークなところ。
【ホテルインディゴ犬山有楽苑の1位なコト その3】愛知県で最もホットな、心躍る〝映え〟ホテル
ホテルインディゴ犬山有楽苑は館内あらゆるところに〝犬山らしさ〟がちりばめられていて、ステイしながらまるで宝探しをしているかのようなエキサイティングな気持ちに浸れるのも大きな魅力です。
お部屋にある犬山城から木曽川、城下町を見渡す景色を描いた浮世絵にコンテンポラリーなアレンジを加えたアートウォールはインパクト大。国宝茶室「如庵」の窓や壁、犬山祭りのからくり人形からインスパイアされた和モダンテイストなインテリアにもワクワク! 156室ある部屋は全室バルコニーつきで、「犬山城」や木曽川を一望できる部屋もあり、窓からはみずみずしい自然が臨めてリフレッシュ感も満点!
「有楽苑スイート」の部屋は「犬山城」と木曽川、さらにホテルの中庭の水盤も一望できる開放感が。
◆犬山祭名物の車山や国宝茶室モチーフにしたバーも〝映え〟空間
エントランスロビーの横にあるバーの、犬山祭の名物であるからくり人形を乗せた13輌の車山をモチーフにした照明も圧巻。昼と夜、まったく違う雰囲気を醸し出す空間は、通るたびに写真を撮りたくなる〝映え〟空間。犬山のストーリーを盛り込んだシグネチャードリンクも味わえます。
バーには国宝茶室「如庵」に残る暦張り(古い暦を壁面に張り付けたもの)をモチーフにしたものや、犬山焼の著名な窯元・尾関作十郎さんに特注したという美しい犬山焼の展示も。
◆約100年前にタイムスリップしたかのような廊下のアート
廊下のカーペットや壁にも随所に、写真では伝えきれないほどダイナミックでユニークなアートが多々。こちらは大正期から昭和初期にブームとなった吉田初三郎作・名古屋鉄道路線鳥瞰図のグラフィックアート。名古屋鉄道の古い路線図に、アイコニックな木曽川、霞をイメージした日本画調、ふたつのグラフィックデザインを重ねて現代風にアレンジした浮世絵アート作品。館内をめぐり、お宝のようなアートを探しながら撮影するだけでも楽しすぎるホテルです。
◆まるでアートギャラリーのようなリゾートセンター
ロビー横のリゾートセンターには、犬山の地に魅せられたスタッフ=ネイバーフッドホストが常駐。館内の気になるアートやスポットについて質問したり、犬山の街や歴史に関する好奇心くすぐるさまざまなストーリーを教えてくれます。ぜひ気軽に話しかけてみて! 犬山の特産品や美しい器などがギャラリーのように並ぶショップゾーンのセレクトもとにかく粋。必見です。
◆美しくスタイリッシュすぎるフィットネスセンター
フィットネスセンターには、環境負荷を最大限考慮し、米国とドイツの森林から厳選した再生可能木材のドイツ製「NOHrD」マシンを採用。「自宅にもインテリア感覚で置けそう。ステキ!」と思わず調べてしまいました(笑)。電源を使わずに水抵抗や自走式稼働の機器というのも今どきで、新感覚のトレーニングが快適に楽しめるから、ステイ中にぜひ体験してみて!
◆まるでアート! 犬山唯一の天然温泉も
館内には犬山唯一の天然温泉「白帝の湯」も。無臭で澄み切ったPH約8.5のアルカリ性単純温泉は美肌効果があるといわれており、アートのような洗練された空間も相まって、心身ともにたっぷりの癒しをチャージできることうけあい。
【ホテルインディゴ犬山有楽苑の1位なコト その4】「パリで最もおいしいクロワッサン」も食せる絶品朝食
スタイリッシュで快適かつワクワクするような空間でのステイに加え、ごはんのおいしさもホテル選びの絶対に欠かせない要素。ホテル内のレストラン「インディゴホームキッチン車山照」では、地元食材を使ったホテルシェフこだわりのお料理がいただけます。
夕食のクオリティの高さにもかなり感動しましたが、朝食の充実っぷりが半端なくて… 宿泊が叶わないのなら、朝食を食べにだけでも訪れたいレベル! 朝食では2019年に「VOGUE PARIS」で「パリで最もおいしいクロワッサン」のひとつとして選出されたフランス発のベーカリー&カフェ「ゴントラン シェリエ」のクロワッサンがいただけるというスペシャリティも!
◆クオリティ高く大充実の朝食ビュッフェ
「犬山城」を望むレストランでは、前述の「ゴントラン シェリエ」のパンをはじめ、多種多様なサラダバーに前菜、産地別のサーモンの食べ比べやその場でカットしてくれる生ハム、さらにスムージーや地元の豆腐屋さんの豆乳、フレッシュヨーグルトまで… ビュッフェが大充実。欲張っていろいろとってしまいましたが、おいしすぎてもちろん完食です!
◆さらに洋食/和食もセットに!
なにがすごいって!? 豪華すぎるビュッフェのみならず、朝食は洋食または和食のセットまでついてきちゃうんです! 洋食もおすすめですが、ビュッフェの内容でも洋食は満足感高いので、個人的には和食セットがおすすめです。いや~ホントに、ホテル朝食の充実度は間違いなく私の人生イチです!
◆ディナーでは五感を刺激するお料理の数々に舌鼓
ディナーはアラカルトのほか、コースが3種(時期によりメニューが異なります)。地元食材をふんだんに使ったシェフこだわりのお料理、おすすめは「クロマツ」のコース。ひと皿ひと皿、写真を撮らずにはいられない小洒落ていて斬新なプレゼンテーションなのですが、新鮮さがありながらもホッと安らげるような滋味深い味わい。
スーッと優しくカラダになじんでいきながらも、グッと心の奥深くまで刻まれていくという、なんとも不思議な感覚を味わうことができました。
木曽川の流れをイメージした天井、鵜飼いのかごを模したランプシェードや、水を連想させる椅子のファブリックなど、こだわりのインテリアも要チェックです。
チェックアウト後は犬山城下町散策も楽しい!
犬山のストーリーに触れながらのラグジュアリーなホテルステイを経た翌日は、歴史に触れながら国宝「犬山城」や国宝茶室「如庵」を巡ったり、城下町の散策をぜひ楽しんでみて。
◆国宝「犬山城」天守から見たホテルインディゴ犬山有楽苑
ホテルインディゴ犬山有楽苑からは茶室はすぐお隣、お城も城下町も徒歩圏内。ホテルステイだけでも満足感高すぎて「もうお腹も胸もいっぱい」ってほどですが… さらに欲張って、犬山城の天守からもホテルを見ておかなくては!
◆「三光稲荷神社」で縁結び&金運祈願
犬山城のふもとにある三光稲荷神社では、ピンクのハートの絵馬で縁結び祈願や、銭洗い弁天で金運アップを願ったり…。
◆城下町で串物グルメ食べ歩き
城下町は「串物の町 犬山」を楽しめるお店が30店舗上も集結! この日食したのは、左上から時計回りに、「山田五平餅店」の五平餅、「ココトモファーム犬山城三之丸店」で縁バウム(抹茶)、「犬山城下町 蘭丸 肉兵衛分店」で特上飛騨牛すきやき串、「香味茶寮 壽俵屋犬山井上邸」の醤油おこげ串、「クシカツとなまる」の華串カツ。
ホテルの豪華な朝食をたらふくいただいて満腹でしたが、ランチ代わりにユニークな串グルメも堪能して帰途へ…。犬山ご当地グルメ食べ歩きも、旅の楽しい思い出になりました。
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今回ステイしたのは…
ホテルインディゴ犬山有楽苑
愛知県犬山市犬山北古券103-1
TEL:0568-61-2211(代表)
◆1月20日(金)から、投稿に【いいね】と @oggi_mag と @hotelindigoinuyama をフォローをしていただいた方の中から抽選で1組2名に「ホテルインディゴ犬山有楽苑」の1泊分の宿泊券をプレゼント。詳しくはOggi公式インスタグラムをチェック!
弾丸トラベライター 門司紀子
大学在学時からCanCam編集部にて編集アシスタントとして“雑誌づくり”のキャリアをスタート。約20年、フリーランスエディター&ライターとして活動。趣味は弾丸旅と料理とゴルフ。コロナ禍以前は月イチで台北にごはんを食べに台北への日帰り弾丸旅を敢行。昨今は食べまくり飲みまくり動きまくり充実の国内旅を堪能中。著書に『台北日帰り弾丸旅食べまくり! 1年12回』、『弾丸トラベライターの台湾妄想旅ごはん』、『たった2コの食材でキレイになれる 魔法のニコサラダ』(すべて小学館刊)。