【目次】
・ユリ(百合)の花言葉
・色ごとに違うユリ(百合)の花言葉
・ユリ(百合)の花言葉には怖い意味はある?
・ユリ(百合)の名前の由来は?
・ユリ(百合)の基本情報
・最後に
ユリ(百合)の花言葉
「ユリ」の全般的な花言葉は「純潔」、「無垢」、「威厳」です。ちなみに、英語の花言葉には、「purity(純粋)」や「refined beauty(洗練された美)」などがあります。「ユリ」の花言葉の由来には、キリスト教にまつわる話がいくつかあるので紹介しましょう。まず、「純粋」と「無垢」の花言葉がつけられたのは、聖母マリアに捧げられたのが「マドンナリリー」と呼ばれる白い「ユリ」だったことが由来だそうです。
また、旧約聖書に登場するアダムの妻・イブが流した涙が「ユリ」になったため、「ユリ」=「純潔」という花言葉がつけられたという説も。
そのほか、ギリシャ神話にも「ユリ」の花言葉に関するエピソードがあります。ギリシャ神話に登場する女神・ヘラは、女性の結婚や出産を司る神。そのヘラからこぼれた乳が地上に落ちたときに「ユリ」が生えました。このことから、「ユリ」は「純潔」や「母性」の象徴とされるようになりました。また、「威厳」という花言葉は、その堂々とした「ユリ」のたたずまいに由来しているようです。
色ごとに違うユリ(百合)の花言葉
「ユリ」全般の花言葉を見たところで、次に色別の花言葉を見ていきましょう。「ユリ」は白というイメージがありますが、赤やピンク、黄色なども見られます。色別に持つ花言葉もそれぞれでまったく異なりますので、チェックしておいてくださいね。
白いユリの花言葉
清純なイメージの白の「ユリ」の花言葉は、「ユリ」全般の花言葉と同じく、「純潔」や「威厳」です。そのほか、「清浄」、「無邪気」、「高貴」、「偉大」、「栄華」、「自尊心」、「甘美」といった花言葉も持ちます。また、すでに紹介したとおり、聖母マリアに捧げられた「ユリ」は白でした。そのため白い「ユリ」は純潔の象徴で、英語の花言葉にも、純潔を意味する「virginity」、純粋を意味する「purity」のほか、威厳を意味する「majesty」があります。
赤いユリの花言葉
赤い「ユリ」の花言葉は「虚栄心」です。ポジティブな印象の多い「ユリ」の花言葉ですが、赤い「ユリ」の花言葉はネガティブな印象ですよね。この花言葉がつけられたのには、キリストにまつわるエピソードが由来になっています。
それは、キリストが十字架に磔にされ、処刑されたときのこと。ほとんどの花が刑に処されるキリストを「とても見ていられない」と首を垂れるなか、「ユリ」だけは自分の美しさがキリストを慰めるかもしれないと、頭を上げていました。
しかし、自分のおごりであると気づいた「ユリ」は、恥ずかしくなり、顔(花)を赤らめ、頭を下げたそう。この話が、赤い「ユリ」の花言葉「虚栄心」の由来になっているようです。なお、英語の花言葉には、「warmth(優しさ、暖かさ)」や「desire(願望)」などがあります。
ピンクのユリの花言葉
ピンクの「ユリ」の花言葉には、赤い「ユリ」と同じ「虚栄心」があります。由来も、赤い「ユリ」の花言葉で紹介したキリストの話と同じなので、そちらをチェックしてみてください。また、英語の花言葉は、「wealth and prosperity(富と繁栄)」です。
青色のユリの花言葉
近年、品種改良により、青い「ユリ」もつくられるようになりました。しかしまだ一般の人は手に入れられないようです。最近できた品種のため、花言葉もまだありません。
黄色のユリの花言葉
ビタミンカラーがまぶしい黄色の「ユリ」の花言葉は、「陽気」や「偽り」、「不安」です。「陽気」という花言葉は、明るく元気な印象の黄色にぴったりですね。
一方、ネガティブな印象を受ける「偽り」や「不安」。これは、聖書に登場する裏切り者のユダが着ていた服が黄色だったため、キリスト教では黄色=裏切りの色とされています。そのため、このような花言葉がついたのかもしれません。
英語の花言葉には、日本の花言葉と同じ「gaiety(陽気)」と「falsehood(偽り)」のほか、「I’m walking on air(天にも昇る心地)」があります。
オレンジのユリの花言葉
黄色と同じく明るい印象を与えるオレンジの「ユリ」。その花言葉は「華麗」や「愉快」、「軽率」です。軽快なイメージの色なので、「華麗」や「愉快」という花言葉がつけられたのは納得ですね。一方、「軽率」という花言葉もあるので、贈る際には注意しましょう。
紫のユリの花言葉
紫の「ユリ」には、花言葉はつけられていないようです。日本では紫は高貴な色とされているため、上品な人や知的な人、優雅な印象の人へのプレゼントにいいかもいしれませんね。
ユリ(百合)の花言葉には怖い意味はある?
これまで「ユリ」の花言葉について、色別に見ていきました。そのなかでひとつ、紹介していない色で、怖い花言葉を持つものがあります。それは「黒百合(クロユリ)」という、黒い「ユリ」。花言葉は「呪い」、「復讐」です。この花言葉の由来は、昔、日本で実在した佐々成政という戦国武将と、その妻・早百合姫という女性にまつわるエピソードがあります。
佐々成政は早百合姫を寵愛していましたが、あるとき、早百合姫が浮気しているという噂が流れ、佐々成政は早百合を殺してしまいます。あらぬ疑いをかけられた早百合は、死ぬ間際「黒百合が咲いたら、佐々家は滅亡するでしょう」と呪いの言葉を残します。これが、「呪い」や「復讐」の花言葉の由来になっているそうです。これだけ見ると怖いイメージを持ってしまう「黒百合」ですが、「愛」や「恋」といった花言葉もあります。
ユリ(百合)の名前の由来は?
「ユリ」は、茎が細いのに花は大きいので、風に吹かれるととても揺れやすい植物。風にゆらゆらと揺れるようすから「揺すり」と呼ばれ、それが転じて「ユリ」と呼ばれるようになったことが由来です。また、「百合」という漢字の由来は、「ユリ」の球根には、百枚ほどの鱗片が重なり合っていることからつけられました。
ユリ(百合)の基本情報
「ユリ」は北半球に分布する、ユリ科の植物です。さまざまな品種があるため、花の形も筒状のものから杯状のもの、球状のものまで、大きさも4cmのものから、30cmになるものまで、バリエーション豊か。次は、「ユリ」の代表的な種類について紹介します。
種類
・カサブランカ
「カサブランカ」は「ユリ」のなかでも代表的な品種で、オランダで品種改良されてできました。約20cmの大きな白い花を咲かせるのが特徴で、その堂々として美しい姿から、「ユリの女王」と称されるほど。花言葉には「威厳」や「高貴」、「純潔」などがあります。まさに「カサブランカ」にぴったりの花言葉ですね。
・テッポウユリ
沖縄や屋久島など、日本では南の島に自生している品種です。白く、ラッパのような形の花を咲かせます。この花の形が鉄砲に似ているため、「テッポウユリ」という名前がつけられました。「テッポウユリ」の花言葉には、「威厳」や「純潔」、「甘美」などがあります。
・ヤマユリ
「ヤマユリ」は日本が原産で、山地に自生している品種です。「ユリ」のなかでも大きな花を咲かせ、その大きさは20cm以上。「カサブランカ」が「ユリの女王」と呼ばれるのに対し、「ヤマユリ」は「ユリの王様」と呼ばれています。「ヤマユリ」の球根は、「ユリネ」として、食用にも栽培されているんですよ。花言葉は「荘厳」です。
・オニユリ
「オニユリ」は、本州のみならず北海道や九州の平地や山地でも見られる品種です。褐色の斑点があるオレンジ色で、花びらが後ろ向きにカールしている花の形が特徴。「ヤマユリ」同様、球根は「ユリネ」として食用にもなります。「オニユリ」の花言葉は、「陽気」、「愉快」、「華麗」、「賢者」などです。
・ヒメユリ
大型の花を咲かせる「ユリ」が多いなか、小ぶりの花を咲かせるのが「ヒメユリ」です。花の大きさは約5〜8cmで、細い花びらを星形に開かせます。なお、沖縄の「ひめゆりの塔」はこの「ヒメユリ」のことではないので、関係ありません。「ヒメユリ」の花言葉は「可憐な愛」や「愛らしさ」、「誇り」で、その可愛らしい姿に合ったものが多いようですね。
最後に
清楚かつ気品のあるイメージの「ユリ」。花言葉にまつわるエピソードを見ていると、昔から世界中で「母性」や「純潔」の象徴とされ、親しまれてきたことがわかりました。清らかな「ユリ」は、女性への贈りものにぴったりなので、花言葉を参考にして、プレゼントに贈ってみてくださいね。
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