非日常へトリップ! 嵐山にたたずむ【星のや京都】に魅せられて #1
京都が一年で最も賑わう秋。11月中旬から12月上旬ごろに紅葉の見ごろを迎え、嵐山のランドマークでもある渡月橋は、多くの人が行き交います。
そんな紅葉ピークでものんびり過ごせるのは、嵐山にひっそりと佇む水辺の私邸「星のや京都」。いま一番訪れたいのは、プライベートな滞在が叶う隠れ家のような宿なのかもしれません。
送迎船に揺られ「星のや京都」へ
優雅な旅のはじまりは、渡月橋のたもとにたたずむ「星のや京都 舟待合」から。柔らかな光が心地よい空間でのんびりとお茶を味わい、これから体験する未知の世界への期待が高まります。
船に乗り込み、左右に広がる色づく木々を眺めていると、一気に日常から切り離されていくのを感じました。ゆったりとした空気を肌に浴びながら大堰川を遡ること約15分、歴史的風土保存区域に指定されている自然豊かな山間に「星のや京都」が現れます。
嵐山にひっそりと佇む水辺の私邸「星のや京都」
国内に6施設、海外に2施設を展開する「星のや」は、“夢中になるという休息”をコンセプトに、各施設の独創的なテーマで圧倒的非日常を提供するブランド。
「星のや京都」は、明治30年に建てられた歴史ある建物を改装し、2009年に誕生しました。心地よい静けさが漂う空間は、赤く染まる紅葉と緑色に輝く苔のコントラストが美しく、心を奪われます。
2つの滝が流れ落ちる「水の庭」で到着したゲストを迎えてくれるのは、美しい音色。仏具でも使われる「おりん」をアレンジした楽器や波紋音を使って、美しい音色を奏でます。
“空中茶室”は紅葉をひとり占めする特等席
チェックインを済ませたら、まずは敷地内を散策。フロント横にある24時間利用可能な「ライブラリーラウンジ」は、コーヒーやお茶、おかきなど自由にいただけて、のんびりくつろげる場所。チェックイン前やチェックイン後にも利用できます。
「ライブラリーラウンジ」の奥、川にせり出すように作られた「空中茶室」は、川と四季の自然をたのしむ特等席。
かわいらしい野点籠に入った茶道具を使い、自然の中でお茶をいただく癒しのひととき。野点では、難しい作法は一切不要! 思い思いにお茶を点てたら、景色をたのしみながらのんびりいただくのも贅沢な時間です。
客室は京都の文化を織り交ぜた和の空間
100年前に建てられた旅館の風情を残す客室は間取りもしつらえも様々。どの部屋も川に沿って広い窓があり、全25室という限られた空間がより特別な滞在を叶えてくれます。
今回宿泊した客室は、「星のや京都」の中でも人気の高い「月橋ツイン」。和室と寝室で構成されており、友人や恋人との旅行でもプライベートな空間を大切にできるので、ゆったりと過ごすことができます。
2面の窓から差し込む光、季節を彩る紅葉など、豊かな自然と時間の移ろいをたのしめるのも魅力のひとつ。まるで額縁のように景色を切る取る大きな窓からの眺めは、1日中見ていても飽きません。
ヒバの香り豊かな浴室や星のやオリジナルの薬湯、りんごを浮かべてたのしむ秋の季節湯は、旅の疲れを癒してくれて、何度もお風呂をたのしみたくなってしまいます。
お部屋には、写経体験が気軽にできる茶道具が入った野点籠と、安眠効果を促す「枕香づくり」のセットなど、大人がたのしめるアイテムが用意されています。
「枕香づくり」は、3種類の香りの原料を好きなようにブレンドして、西陣織の布袋で包むだけで完成。枕の元に置いて寝ると、安眠効果を誘います。
四季の嵐山の情景を映す京料理ディナー
古くから豊かな食材が集まる場所として食文化が発展した京の都。「星のや京都ダイニング」では、旬の食材を生かして丁寧に仕上げた料理を味わうことができます。
例えば、出汁ひとつでも季節によって味わいを変え、暑い夏の出汁はすっきりとした味わいに、寒い冬の出汁は昆布の深い旨味や香りを凝縮するなどの工夫も。
四季の嵐山の情景を映す、美しいお皿への盛り付けも含めて五感でたのしむ料理との出合いが待っています。
金目鯛の昆布締めにラフランスを添えた1品は、甘みのあるさっぱりとしたラフランスと昆布の風味が広がる金目鯛の旨味が見事にマッチ。味噌とともに葉っぱの上でからめ焼く牛フィレ肉朴葉焼きは、少し焦げた方が味噌と朴葉の香ばしさがおいしく、忘れられない味となりました。
先人が培ってきた日本料理の知恵と都の食文化が織りなす、伝統と革新の会席料理は、旅の夜を彩ります。
次回は、“朝鍋”スタイルの絶品朝食や、2日間限定の紅葉の宴「星のや紅葉賀」を紹介します!
「星のや京都」
住所:京都府京都市西京区嵐山元録山町11-2
アクセス:阪急嵐山駅より徒歩約10分、京都南ICより車で約30分
電話番号:0570-073-066(星のや総合予約)
チェクイン15:00~/チェックアウト~12:00
料金:134,000円~(1室1泊あたり、食事別、税・サービス料込)
窪咲子
編集者・トラベルライター。芸能雑誌編集部を経て、1年8カ月の世界一周の旅へ。これまでに訪れた国は76ヶ国。趣味はホテルステイと旅先のマーケット巡り。著書『GIRL’S TRAVEL』、『恋する世界一周』。
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