【舞台『検察側の証人』レポ】ジャニーズWEST・小瀧 望「やっとの思いで初日までたどり着いた」
8月28日に初日を迎えた舞台『検察側の証人』の公演前に行われた取材会の様子をどこよりも詳しくレポートします!
取材会には主演を務めるジャニーズWESTの小瀧 望さんをはじめ、共演の瀬奈じゅんさん、成河さんが出席。
◇まずはいよいよ初日を迎えますが、その思いをお三方にお伺いしたいと思います。小瀧くんからお願いします。
小瀧:はい、信じられないというか、いろんな意味で本当にギリギリの状態でやってきました。毎日のように抗原検査、PCR検査をやってここまでたどり着いたので…。そう、“たどり着いた”という感じですね。だから今日、幕が開けたということはきれいに閉じたいなと思ってます。まずは今日の初日公演、いいスタートを切りたいなという思いです。
瀬奈:そうですね、まず本当にここまで来られたということがひとつ、奇跡だと思うので千秋楽まで奇跡を起こし続けてスタッフ、出演者一同、全員そろってゴールを目指したいと思います。そういう緊張感をもって、大切に演じてまいりたいと思います。
成河:本当に初日開けられるだけでも感謝しなきゃいけないし奇跡なんですけど、同時にそんなもんじゃないだろうという欲望も沸いてくるような複雑な面持ちではあります。一日一日を精一杯やっていくだけですのでよろしくお願いいたします。
◇奇跡という部分では、本当に豪華な顔ぶれがそろったのも奇跡だと思いますけれども、今回は小川絵梨子さんの演出ということで皆さん、「どうしても出たい」という思いが強かったそうですね。
小瀧:そうですね。大人気の演出家さんですし、やはり出たいという思いはありましたね。皆さんそうだと思いますけれども。
◇迷わずに、という感じでしょうか? 瀬奈さん。
瀬奈:はい、私はもう迷わず「出ます!」という感じでした。
◇やっぱり新しさというのは演技する中で皆さん感じてらっしゃいますか?
小瀧:(瀬奈さん、成河さんに向かって)どうですか?
成河:新しさですか? まあそうですね、演目自体が古いので。やはりいちばん感じるのは翻訳だと思います。小川絵梨子さんご自身で翻訳されてらっしゃって、“現代の人間が聞いてまさに隣で起きているような会話”をこの戯曲の中でやる難しさと面白さがあって。それをどこまでやれるかというところです。
◇おばちゃん、という言葉も出てきましたもんね。
小瀧:「おばちゃん」言ってますね。「おばさん」も言ってますし、「ばあさん」とかも言ってますし。
◇なかなかないセリフですね。小瀧くんは今回演じる中で難しさ、というのは感じていますか?
小瀧:そうですね、はい。んーやっぱりできたりできなかったり。悩み、試行錯誤している段階ですし、これから進むにつれて皆さんのお芝居が変わってくる部分もあるでしょうし…。僕がいちばん難しかったのは感情をつくって、その感情をもったままセリフを言うのが、どうしても間違った覚え方をしていて。でも、「その感情を持たずにどんどんセリフはプレゼントだから相手にちゃんとあげないと」という言葉をいただいたので、それを頭のど真ん中に置いてやってますね。
◇成河さんも今、大きく頷いてらっしゃいましたね。
成河:素晴らしいですよ。本当に言っているとおり、口だけじゃなくて本当に誰よりもそれを率先してやっていて。それって別に経験があるからできるわけじゃなくていつでもそこにある躓く石なので。小川絵理子さんはとにかくそこを丁寧に前へ前へ、自分の感情に溺れないようにどんどんいくっていうことをおっしゃっていて、(小瀧くんは)本当に口だけじゃなく率先しているので素晴らしい座長だと思います。座長扱いしちゃいました(笑)。初めて言ってみました。
小瀧:ハハハハ(笑)
瀬奈じゅん「小瀧さんって本当にジャニーズの人だったんだ」
◇お稽古場の雰囲気っていうのはどんな感じなんですか?
成河:どんよりしてますね(笑)
小瀧:ハハハ(笑)。稽古場の雰囲気ですか? でもやっぱりもうずっと感染対策でマスクをしたままでのお稽古だったので、4〜5年前の舞台に比べるとコミュニケーションとかも限られてくるんです。その中でも皆さん、感染対策に気をつけながらコミュニケーションをとってきて、今ようやく顔が見られるようになって、より仲良くなってきたという感じです。
成河:この2〜3日で顔を初めて見る人が多かったんで(笑)
小瀧:舞台上での稽古からはマスクを外す、となったのでそこで改めて「初めまして」という感じにはなりましたね。
◇お互いかっこいいなとかきれいだなって思ったことはありますか?
小瀧:もちろん! 全員ですよ。
成河:(レポーターに向かって)何言ってるんですか(笑)
小瀧:ハハハハハ!(笑)
◇お互いのよさを感じるのはどんなことがありましたか?
小瀧:でもやっぱり顔が全部見えたほうがよりダイレクトに相手の方のセリフも受け取れると思います。今ストレスフリーでできているという感じですね。
◇瀬奈さんとご夫婦役ということで、小瀧くんのことはどういう風に映ってますか?
瀬奈:私ですか? いやあ、本当に「私ですいません!」って思ってるんですけど(笑)。でもずっとお稽古場ではマスクをつけてやっていて、お稽古場の席も隣だったんですけれども私語も謹んで、お互いの間にビニールも張ってという状態でやっていたんです。舞台稽古で初めて見たときに「あ、本当にジャニーズの人だったんだ」と思って。すごい素敵な方です。
◇でも今回本当に落ち着いている雰囲気ですね。
小瀧:はい、えっそうですか? ありがとうございます。
◇役を演じるにあたって役づくりとか考えたことは?
小瀧:役づくり!? 役づくりですか… んーなんて言うんですかね。でも、(役と同じで)僕自身も本当に素朴なのでね(少し照れ笑い)。そんなに「私生活に影響を及ぼす俳優」のタイプじゃないんで。でも、レナードが載った夕刊が入ってくるシーンがあるんですけど、劇中で使う新聞紙を僕の楽屋の目につく場所に置いたり、家に置いたり。見られている意識は持つようにはしてます。
◇普段の生活の中で?
小瀧:そうですね、国中からすごい注目されている人物なので。
◇小瀧くん自身も注目されている人物ですから。
小瀧:ありがとうございます。頑張ります!
◇昨年、主演舞台『エレファント・マン』で賞を受賞してだいぶ自信が出たんじゃないですか?
小瀧:いやあ、全然! 本当にまぐれというか、皆さんでいただいた賞なので僕自身がどうこうという感じではないと思うんです。(『エレファント・マン』の監督の)森 新太郎さんからも賞のことは一回忘れろと言われて… でもやっぱりどこかにプレッシャーがあるんでしょうね。それを今、稽古からずっと忘れようとやってきて、やっと取っ払えた感じなのでレナード・ボウルという役、『検察側の証人』という作品にぶつかっていきたいなという思いですね、今は。
◇自分で成長できたなって思うところはありますか?
小瀧:いや、わかんないです。自分で成長を感じることはあんまりなくて。たぶん人様が見てくださって「あーこの子成長したんかな」って思うものかなと。だから、あんまり自分ではわからないですけど、特に成長という意識はもたずに、常に高みを目指してもっともっと貪欲にっていうのが今、僕にできることなのかなと思います。一日一日を大切にこの作品と向き合っていきたいという思いです。
◇瀬奈さんや成河さんはバックボーンが違うといいますか、本当に皆さんそれぞれ個性が違うと思うんですけど、そのあたりはどう刺激し合ってますか?
小瀧:刺激…(瀬奈さんに向かって)どうですか?
瀬奈:えぇっ私?(笑)
小瀧:ハハハハ(笑)
瀬奈:えーどうでしょう。まあとにかく成河さんは、「変態」という名の天才なので、もう本当にいい刺激を受けまくっています。そして小瀧さんは、「本当に頭がいいんだな、この方は」っていう。本の読解力であったり、表現力であったりがブレてなくてそのまんまをきちんと取れる人。それってすごく簡単なようでなかなか難しいことだと思うんです。それをすごくサラッと理解できるっていうが「あーこの方も天才だな」と。天才に囲まれてやっております。
◇変態の天才ってどういうことでしょうか?(笑)
瀬奈:いや、もう本当に成河さんって、そこまでやるんだっていうくらいの、そこまで貶める? っていうくらい攻撃力があって。すごくマニアックな変態というか。
小瀧:パワーとかエネルギーとかが凄まじいですよね。
瀬奈:そう、凄まじい! 引き込まれるというか。
◇小瀧くんはどうですか? 成河さん演じる検察マイヤーズにバーッと来られて、ひと舞台が終わった後の消耗度は?
小瀧:めちゃくちゃありますね! ハハハハ(笑)。でも法廷でのシーンは成河さんが導いてくださっているというか。成河さんに食らいついていこうと思えば思うほど、こっちも自然と必死になるのでそれが重なって、レナード・ボウル自身とも重なって良くなるのかなって思います。でも成河さんに助けていただいているという感じです。
◇ひと舞台終えたらもうぐったりという感じですか?
小瀧:そうですねー…。
成河:いや、まだわかんないですよね。まだお客さん入ってみての公演がどういう風になるのか。ぐったりするんだろうね。
小瀧:そうですね。
◇成河さんはどうですか? 追い詰める感じは? 気持ちいいですか?
成河:いやいや、今は。もちろん気持ち良さはありますけどまだそこにずっと沈殿していてはいけないので今はいろんなことを気を使いながらやっています。ご覧のとおり、舞台の後ろがバーッとあいていて、世田谷パブリックシアターでは舞台を相当低くしているんですけど傍聴席に見立てられていて。前に飛ばすエネルギーと後ろに飛ばすエネルギーとの声のボリュームが…(マスコミ陣に向かって)ちゃんと聞き取れました? うるさすぎた? ちょっとうるさかったという人ー?
小瀧:ふふふ(笑)
成河:大丈夫でした? こういうことまだたくさんあるんで、お客さん入らなきゃわからないこともあり、小川絵理子さんが寄り添ってずっと一緒に進めてくださるので、なんだろうね。今はまだちょっと細かくやらなきゃいけないことを全部していって全体像をお客さんと一緒に観るのが今日の夜。まずはやっていく数日間なのかなと思います。
◇この法廷劇の難しさもあるんではないですか?
小瀧:そうですね。成河さんもおっしゃってましたけど本来ならもっと傍聴席とかがあるんですけど、今回は出演者が全部で15人なので、まあ法廷のシーンは15人も出てないですけど。だからこそ、ひとりひとりがすごくよく目立つので、本当に全員が自分が主役だと思って演じているという。難しいと思うんですが、ひとりひとりのリアクションにも注目していただきたいです。リアルが詰まっていると思いますので。
小瀧 望が最近、ジャニーズWESTメンバーについてしまった「嘘」とは?
◇これは嘘か本当かみたいな話が出てくると思うんですけど、皆さんが最近ついた嘘って何かありますか?
小瀧:あーなるほど。嘘… あります? 瀬奈さん。
瀬奈:私、息子がいるんですけど、私自身が魚介類が苦手なんですが、息子には食べさせないといけないので「ママなんで食べないの?」と言われたときに「ママ、アレルギーでね」って嘘をつきました…(笑)。すいませんでした。食べられるように頑張ります。
成河:ハハハ! それはよくない(笑)
小瀧:ハハハ(笑)
成河:最近ついた嘘ですか… ここで言えるような最近ついた嘘。そうですね、僕はあのー、今年40歳になりましたけど、生まれて40年間嘘をついたことは一度もありません。ありがとうございます!
小瀧:という嘘かもしれないですね(笑)
◇大きな嘘ですね! 小瀧さんはいかがですか?
小瀧:僕はあれですね。まだ見てないメンバー出演のドラマとかを「見たよ」って…。
成河:ちっちゃい嘘!(笑)
小瀧:何作かあります…(笑)
◇誰の、どの作品ですか?
小瀧:ちょっと作品名は差し控えさせていただきたいですけどね。「あー! 見た見た見た! よかったー!」って言いましたね…。
◇今放送中のドラマですか?
小瀧:いや、今放送中のドラマじゃないかもしれないですね。
◇そのメンバーは観に来てくれますか?
小瀧:メンバーは基本は全員! 桐山は舞台の時期が被ってるので難しいかもしれないですけど、基本的には去年の舞台も全員観に来てくれました。今回も来てくれるんじゃないですかね。
◇メンバーはこの舞台のことなんて言ってましたか?
小瀧:えー。でも今日もメールいただきましたよ。「初日おめでとう! 大変な中やけど頑張ってな」っていうのはグループメールでいただきました。
◇小瀧くんは演技が評価されていますが、アイドルとしてデビューして俳優としても評価されて、というのをたぶんメリーさんも喜んでらっしゃったと思うのですが、メリーさんへの思いというのはどうでしょうか?
小瀧:僕は直接お話しさせていただく機会というのはあまり多いほうじゃなかったんですけど、一度グループ全員でお昼ごはんに連れて行っていただいたのをすごく覚えてます。緊張していて会話はほとんど覚えてないですけど、そういうのもありましたね。毎年、そんな僕みたいな人間にもお年玉をくださる優しい方で、天国でもエンタメとお肉とワインを楽しんでいただきたいですね。
◇どういうタイミングでお食事に連れて行ってもらったんですか?
小瀧:デビューして2〜3年経ったくらいですかね。1〜2年かも。割と早いタイミングで連れて行ってくださって、本当に光栄でした。
◇何か叱られたとかそういうことは?
小瀧:いや、本当に優しくお仕事のお話を聞いてくださって。僕はもう緊張していたので、メリーさんとはあんまりお話できず、ただただおいしいごはんを一生懸命食べるということがありましたね。
◇でも、きっと本当に喜んでらっしゃると思います。
小瀧:(天を仰いで)たぶん観に来てくださると思いますし、全力で最後まで頑張りたいなと思います。ありがとうございます。
◇では最後にひと言ずついただけますでしょうか。
成河:さっきいろんなところからいろんな人が来て刺激を与えあっているという話もありましたが、基本的に日本の演劇のプロデュース公演は本当にいろんなところからっていうのは常日頃のものなんです。今回特にここには登壇されてませんが大滝 寛さんが演じるウィルフリッド卿はとんでもない役で、ずっと背負いながらお客さんを連れて行かなければいけない役。大滝さんは本当にご自身のチャレンジとして誠実に向き合ってらっしゃる。
小川絵理子さんの現場の特徴は、それぞれ個別の課題にグッと向きあってチャレンジしていくことを続けている現場ということ。なので、作品としてきっちりしたものをいずれ… いや今夜届けたいと思っています。一生懸命自分の課題に向き合っている俳優の姿は見せてはいけないんですけど、とてもいい作品なので楽しみにお越しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
瀬奈:このような状況ですので、お客様も命がけで観に来てくださるんだと思うんです。なので私たちも命がけで皆様に「観てよかった」、「楽しかった」「ワクワクした」と心を揺さぶるような舞台をできるように一回一回を大切に演じてまいりたいと思います。千秋楽までどうぞよろしくお願いいたします。
小瀧:まずは今日、初日を迎えられたことが本当にうれしく思います。このエンタメができるというのを当たり前じゃないと2020年は本当に感じました。逆に今、このエンタメを届ける必要があると思いますので、僕自身2020年は本当に長いこと生の演劇とかエンタメに触れない時期がすごく長かったんですけど、去年の夏にメンバーの舞台を生で観たときに、生のエンタメって本当に素晴らしいと感じて、公演が終わったときに自然と涙が出てきたんですよ。自分でもびっくりしたくらい。
感染対策やいろんなことに気をつけながら観に来てくださる皆様に、「やっぱり観てよかった」と思ってもらえるような公演にしたいと思います。キャスト一同、スタッフ一同、一丸となってこの1ヶ月やりきりたいなと思います。頑張るので、応援よろしくお願いします。ありがとうございました。
舞台『検察側の証人』
作:アガサ・クリスティ
翻訳・演出:小川絵理子
出演:小瀧 望(ジャニーズWEST) 瀬奈じゅん/大滝 寛 浅野雅博 寺西拓人 斉藤直樹 林 愛夏 西川大貴 阿岐之将一/那須佐代子 梶原 善/成河
『検察側の証人』公式サイト
企画・製作:シーエイティプロデュース
東京公演:2021年8月28日(土)〜9月12日(土)
会場:世田谷パブリックシアター
兵庫公演:2021年9月16日(木)〜9月20日(月・祝)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
大阪公演:2021年9月23日(木・祝)〜9月28日(火)
会場:枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
【ストーリー】
物語は、容姿端麗な青年レナード(小瀧 望)が資産家で独り身の婦人を撲殺した殺人容疑で起訴されるところから始まります。彼は全くの無罪を主張しているものの、状況証拠は不利なものばかり。被害者とレナードは、道で困っているところを彼に助けられて以来交流があり、事件当日も被害者宅を訪ねていたこと、事件当時、彼は無職で金に困っていたこと、そして、彼には確実なアリバイが無いこと。レナードはあえなく逮捕され、敏腕検事マイアーズ(成河)が事件を担当することに。彼を裁く法廷が開かれ、法廷弁護人と検事の答弁が白熱の応酬となる中、唯一のアリバイを妻ローマイン(瀬奈じゅん)が証言する、はずだった。しかし、法廷に立った彼女から口を突いて出た言葉は、彼から『婦人を殺した』と告白された、という検察側の証人、としてのものだった……。
そして、現在好評発売中のOggi10月号では、ジャニーズWESTが登場! 5月号以来、久々に全員集合で登場してもらいました。今回ももちろんジャニーズWESTの7人が総合商社に勤務する理想の上司・同僚・後輩を演じる大人気シリーズ『(株)ジャニーズWESTホールディングス』企画です! 7人と一緒に「秋の社員研修」に参加したら… というテーマでドキドキのストーリーが展開します。広報部設定の小瀧さんは「一緒に社員研修のカメラ係を担当する」という設定です♡ ぜひこちらもチェックしてくださいね!