【小瀧 望】主演舞台『エレファント・マン THE ELEPHANT MAN』舞台挨拶レポ前半
10月27日に初日を迎えた舞台『エレファント・マン THE ELEPHANT MAN』。前日の26日に行われた取材会の様子をお届けします。
取材会には、主演を務めるジャニーズWESTの小瀧 望さんをはじめ、共演の近藤公園さん、高岡早紀さん、木場勝己さん、演出の森 新太郎さんが出席。
◆まず、役柄と今回この作品に臨むにあたっての今の心境をお話しください。
小瀧:(すごく緊張している様子の小瀧さん)役柄とえっと… なんでしたっけ?(笑) 作品に臨むにあたっての心境ですか、そうですね。今日ゲネプロをして、あとは本番に臨むだけなんですけど森さんとキャストの皆さんと何ヶ月もかけて稽古をしてきました。本番1ヶ月弱ありますけども、怪我なく全力でこの作品に挑みたいという思いですね。役どころはジョン・メリックという、実在した人物を演じるのは、僕がやってきた中ではあまりないことなのですごく緊張しますし、ジョン・メリックさんに失礼のないように意識しながら演じています。
近藤:ジョン・メリックと出会って、彼を保護しようとする医師・フレデリック・トリーヴズという役をやらせていただいてます。そうですね、メリックとの出会いのシーンでは、お客さんはトリーヴズの目を通してメリックという存在と出会うことになるので、その瞬間を大事にしたいというか、一緒にメリックという存在を感じてもらえたらいいなと思いながらやっております。
高岡:私は舞台女優の役をやらせていただいております。ジョン・メリックが私を見て、初めて女性を女性と感じさせる役をやらせていただいているんですけど、メリックのピュアなところから初めて女性を女性として見られるその女性として… いっぱい言っちゃった、女性ばっかり(笑) わかんなくなっちゃった…! 影響を与えられる素敵な女性を演じられたらいいなと思っています。そして小瀧くんは…
(笑う小瀧さん)
高岡:なんで笑うの?(笑)
小瀧:何言われるのかなあって(笑)。
高岡:いえいえ、私の長男とひとつしか違わなくて、小瀧くんのほうがお兄さんですけどもそういう面では“お母さん”と見られないように、“女性”として見られるように心がけてはいましたが、どうしてもね、お母さんに見えてしまうかもですね。
小瀧:いえいえいえ! 言ったことないじゃないですか、お美しいです!
高岡:(笑)。でも本当にこういう新鮮な若者とお芝居をさせていただいて、私もその新鮮さを奪い取りながらとても楽しんでおります。
◆小瀧さん、“お母さん”と思ったことはないですか?
小瀧:一度もないです!
高岡:ないよね?(笑)
小瀧:本当にきれいな方なので。なんでしょう、あの… 言い方が悪いかもしれないですけど、ちゃんと“女性”として見ています。
◆女性らしさはどういうところから学びましたか?
小瀧:えっ、どういうところで学びましたか…?(笑) 手のしぐさとか、(座るときの)足をそろえるのとかもそうですし、スタイルも抜群なので… 本当に女性として… こんなに何回も言ったら変な記事にされちゃいますよ…(苦笑)
木場:この舞台ではロンドン病院の理事長役をやらせていただいています。僕はどんなお芝居もだいたい恋愛劇だと思っているんです。このお芝居にも何組かの恋愛劇が見え隠れするのですが、私も入っていると自分では思っています。
キャスト陣:笑い
木場:だれのことを想っているかは秘密です!
小瀧:ハハハハハ!(笑)
◆ちなみに何組の恋愛が?
木場:大きく3組。まあ、組というよりもあちこちに散らばっている小さな恋物語があると思います。私は結構大きい恋物語を演じている演じているつもりです。
キャスト陣:笑い
◆森さん、皆さんのご挨拶聞いていていかがでしょうか?
森:いかがでしょうか…?(笑)
◆今回の作品にかける思いなどを聞いて。
森:本当にいいチームだったんですよ、今回。役者が9人で、9人ともプロフェッショナルだと思っていますけども思っていますけども、こういうコロナ禍の中で、“コツコツ”という言葉が本当に似合うくらい毎日コツコツと小さいことを積み上げて今日まできて、ゲネプロが今までの中でいちばんいい出来になりました。明日の初日に向けてまたさらにコツコツ積み上がっていくんだろうなって。僕が今まで演出した現場では感じたことないような、確かなものをこのチームから感じます。“信頼”と言っていいと思うんですが。そういう意味では演出家冥利に尽きるなと思っています。
◆小瀧さん、体を曲げて、そして足も手も顔もずっと違う形にしていなきゃいけないというのは本当に大変だと思いますが、どのぐらいお稽古をされたのか、いちばんどこが難しかったかを教えていただけますか?
小瀧:まず、いただいた仮台本にも戯曲にも書かれているんですけど、「このジョン・メリックという役をやる役者は、必ず医師やトレーナーに相談してほしい。なぜなら2週間で、腰に持病を持つものは腰がダメになるからだ」みたいなことが書かれてあるんです。まずそれに驚かされまして、そこからトレーナーさんと森さんとお話ししながら体を歪めた体勢をとりながらポスター撮影に挑みました。そこから稽古で、口を歪めていって、体もう少し歪めようか、左肩だけは上げたままで、とかそういう微調整を重ねてきて今の形になりました。今のところは体の四肢全体が厳しいです(笑)
◆やはり痛いですか?
小瀧:演じているときはそそんなに気にならないですが、終わった後に「イタタタ…」ってことはあります。でも、ジョン・メリックという役を演じさせてもらっていることをそこで感じられますし、この役でしか味わえない経験なので全く苦ではないです。
森:役者によって違うとは思うんですけど、今回この形に至ったのは僕とトレーナーと小瀧のアイディアです。本当に微調整を結構いろいろとしてきて。歩き方が早くなったら、そこはゆっくりとか逆に慣れすぎるのも良くないとか、ここはもう少し大きく右手を出してみようかとか… 本当に微調整を重ねてここにきているなと。まあ褒めてもしょうがないですけど、大したもんですよ、小瀧は!
(うれしそうな小瀧さん)
◆ゲネプロをご覧になって、もうバッチリという状態ですか?
森:これ言ってもしょうがないんですけど、結構バッチリなんですよ!
小瀧:ハハハハハ(笑)
高岡:(小瀧に向かって)やったね〜!
森:今日観て、本当に小瀧よくここまできたなと思って。体もそうなんですけど、彼のセリフのリズムが。発語がしっかりできない役なので、昨日の通し稽古で「みんながタッタタッタ言ってても、もうちょっと自分のリズムで息でやって」って言ったんですが、今日見事に調整してやっていて、本当にメリックで。みんなとは全く違う世界が見えているであろうメリックが存在していたので、明日初日だから褒めてもしょうがないですけど、小瀧えらい! って思いましたね。
◆ジャニーズの皆さんはどちらかというとまっすぐ、ピンとしてらっしゃるイメージがありますから、曲げていかなきゃいけないというのは大変だったのでは?
小瀧:そうですね。立ち姿は入ったときにも習いますし、けどけどそれは一回置いといてジョン・メリックになりきるというのを大事にしたいなと思ってます。本当に今回しか経験できないようなことなので、ありがたく思ってます。
◆木場さんは舞台の大先輩でらっしゃいますが、小瀧さんのエレファントマンはどうでしたか?
木場:ナイーブでね、とってもいいと思います。(小瀧さんは)普通の会話ができるのが夢のシーンで一箇所だけなんですけど、照明もちょっと暗めでもう少しはっきり見たい、と思いながら見てました。僕は小瀧くんが好きです。
キャスト陣:笑い
高岡:そこだったんですね、恋!
小瀧:いやいや、そこじゃないです(笑)
◆高岡さんは小瀧さんのエレファントマンをどうご覧になってましたか?
高岡:そうですね。最初に本読みをしたときとは全く違うジョン・メリックになっていますが、先ほども森さんが言われていたように体もそうですけども顔とか声の出し方とか彼が本当にいろいろと研究していたのをずっと目の当たりにしてきて、とても私の見る限りでは真面目でピュアで素敵だなと思いました。
◆ちょっと生々しいガラス越しのシーンががありましたがあれはどんな感じになってるんですかね?
高岡:それはちゃんと見たとおりのことですよ。(小瀧さんに向かって)ですので、裏でね?
小瀧:ねー?
◆小瀧さん見てらっしゃるんですよね?
小瀧:もちろんです。目に焼き付けてます(笑)。初めてメリックが女性の女性らしい部分を見るシーンなので、「初めて」という感情をすごく大事にしています。
舞台挨拶レポ前半はここまで。小瀧さんの役づくりや作品にかける意気込みをたくさん語った後半の様子は明日お届けします!
舞台『エレファント・マン』
期間:2020年10月27日(火)〜11月23日(月・祝)
会場:世田谷パブリックシアター
演出:森 新太郎
出演:小瀧 望(ジャニーズWEST)
近藤公園 花王おさむ 久保田磨希 小牧根隆介 前田一世 山崎 薫
高岡早紀 木場勝己
主催:公益財団法人せたがや文化財団・東京グローブ座
企画制作:世田谷パブリックシアター・東京グローブ座
【ストーリー】
19世紀のロンドン。その外見により「エレファント・マン」として、見世物小屋に立たされていた青年ジョン・メリック。肥大した頭蓋骨は額から突き出し、体の至るところに腫瘍があり、歩行も困難という状態だった。ある日、見世物小屋で彼を見かけた外科医フレデリック・トリーヴズは、研究対象として彼を引き取り、自身が勤める病院の屋根裏部屋に住まわせることにした。メリックにとっては、その空間が人生で初めて手にした憩いの「家」となった。