コロナ禍のフランスのバカンスシーズンの様子は? エクサンプロヴァンス&カシへ国内旅
新型コロナの影響により、例年とは趣の異なる雰囲気となった、2020年の夏。筆者が暮らすフランスでは、「今年のバカンスは国外でなく国内での旅行」と推奨されていました。私も便乗してフランス国内旅行。訪れた南仏ではバカンスを楽しむフランス在住の人々でごった返していました! さすが明るいラテン気質… と肌で感じながら、コロナ禍で旅した記録をお伝えしたいと思います。今回はエクサンプロヴァンス&カシの様子をお届けします。
今はまだ日本から海外旅へは規制も多いですよね。いつかまた自由に旅を楽しめる日がきたら、ぜひフランスも旅先の候補に! この記事がその際の参考になれば幸いです。
前回記事▶︎コロナ禍も仏人は旅に出ていた【南仏プロヴァンス】アヴィニョン&リル・シュル・ラ・ソルグ編〜
◆海辺がきらめく小さな港町・Cassis(カシ)
マルセイユ隣の小さな港町・Cassis(カシ)。クルーズがあるというのでワクワクしながら訪れたのですが、当日は強風にてクルーズは中止でした(涙)。でも港を囲む建物等のカラフルさ、青空と海の煌めく様子はとても美しく、また戻って来たいと思えるものでした。
さて現地の人々はというと、地元の店員さんはマスクをつけているけど、旅人はほぼつけていない… といった印象でした(8月上旬時点)。
▲港をくるっとカフェやショップなどがとり囲んでいます。じりじり照りつけるような太陽に負けないくらい、カラフルな建物がたくさん!
▲迷い込んでしまいそうな細い道が続く街中の風景は、どこを切り取っても絵になる。ゆっくり歩きたくなります。
側にあるグランド・メール・ビーチというエリアにも訪れましたが、遠目からこの風景を確認して静かに去りました(笑)。みんな夏を満喫中のようで、この混み様ですがマスクをしている人はあまりいないようでした。ロックダウン時のストレスを発散しに訪れている人々も多そうです。
▲この街は、夏になると通常より4〜5倍も人口が膨れ上がるそう。この青空と海を求めて、フランス中から人々が訪れるのでしょうね。
夜は「港町ではやはり魚料理でしょう!」ということで、La Vieille Auberge (ラ・ヴィエイユ・オーベルジュ)にて、白魚料理をいただきました。
ここで痛恨のミス! 付け添えであるラタテュイユと魚を分けて食べたのですが、向こうの席で同料理を食している人を見ると、白身魚とラタテュイユを混ぜながら食べている…。基本のきの食べ方なのもしれませんが、「ああ〜だからお魚、薄味だったのね」と合点がいきました(笑)。
◆芸術に彩られたAix en Provence(エクス・アン・プロヴァンス)
画家・セザンヌが生きた土地であり、大学都市でもある活気のある街、Aix en Provence(エクス・アン・プロヴァンス)。L’atelier de Cezanne(セザンヌのアトリエ)は必ず! と、訪れました。
フランスでは現在、人気で混み合う美術館や博物館は時間指定の予約制となっています。筆者もネット上で前日にチケットを購入。予約なしに現地に訪れたカップルを目にしたのですが、係員に予約のことを説明され、諦めて帰っていくのを見かけました。予約が空いていたら当日でも入場可能だと思いますが、やはりコロナ禍では事前の予約が必須。
▲セザンヌが生涯を通して描き続けたモチーフが大切に飾られている空間。入場の際はマスク着用必須で、入り口で手のアルコール消毒もマスト。
個人邸宅がアートセンターへ生まれ変わった場所、Hôtel de Caumont Centre d’Art(オテル・ド・コモンアートセンター)に行きました。
▲Hôtel de Caumont Centre d’Art(オテル・ド・コモンアートセンター)
コモン夫人の寝室は、装飾が愛らしく、ロココ時代の映画内にいるような気持ちに♡ こちらの場所のチケットもネットで事前購入していましたが、オフィスで当日購入している人も多く見かけました。手の消毒、マスク着用の上入場です。
▲大きなサロンが併設されていて、4つの部屋ごとにインテリアが異なります。今回はピンク色の部屋を満喫。
フランス式庭園に囲まれた邸宅が美術館となった、Pavillon de Vandôme(パヴィヨン ド ヴァンドーム)も訪れました。17世紀の面影を残す壁紙や内装に想いを馳せて。
▲Pavillon de Vandôme(パヴィヨン ド ヴァンドーム)
エクス・アン・プロヴァンスではAirbnbで3日間を過ごしました。最終日の夜、オーナーが野菜と果物いっぱいのディナーをご馳走してくれました。オーナーとそのご友人と日本の往年の映画(黒澤 明監督と小津安二郎監督の名作)、そして新型コロナのことなど、様々な話を英語とフランス語を混ぜながら話しました。
次回またこのお宅を訪れる頃には、どのように状況が変わっているでしょうか。来年あたたかくなった時期にまた訪れるのを楽しみにしつつ、その頃には世界中がコロナ禍を乗り越え明るい状況になっていることを待ち望んでいます。
次回はコロナ禍での南仏旅3つ目、ル・カストレの様子をお届けします。そして本記事を書く間に、在住するパリで新たなコロナ対策の動きがありましたので、その様子も近日レポートしていきたいと思います。
大倉綾実(Ayami OKURA)
NYと東京でスタイリングとライティングを学び、2020年より渡仏。フランス語に奮闘しながら、ライター・スタイリスト・コーディネーターとして活動中。Instagram:@ayamiokura