連載お仕事小説#16「ブラックどんまい! わたし仕事に本気です」
燃えるお仕事スピリットが詰まった好評連載、第16回。主人公の七菜(なな)は、いつも仕事に全力投球! 撮影中のドラマの「原作引き上げ」を撤回してもらった七菜は、喧嘩していた恋人・拓とも和解の兆しが見え、何もかもがうまくいき始めていた。そんな矢先、ロケ飯を作る上司・頼子の激しく咳き込む声が聞こえて……!?
トラブルを回避した主人公 時崎七菜(31歳)は、何もかもうまくいっていたが……?
【前回#15までのあらすじ】
働く気力を取り戻した七菜は、どうしたら朱音の怒りを解くことができるかだけを考え歩いていると、映画館にたどり着いた。とある1本の映画を観て、「大切なこと」に気づかされる。そして、七菜が迷わず向かった場所とは……?
【今回#16のあらすじ】
七菜の仕事への熱意が朱音に伝わり、「原作引き上げ」を撤回してもらうことに成功。後半の改変も滞りなく行われ、仕事は順調に進んでいた。喧嘩していた恋人・拓とも和解の兆しが見え、何もかもがうまくいくかと思った矢先、尊敬する上司・頼子の様子が……。
サクッと3分で読める! 本編はこちらから「ブラックどんまい! わたし仕事に本気です #16」
<主な登場人物>
・時崎七菜(ときざき なな):テレビドラマ制作会社「アッシュ」のAP(アシスタントプロデューサー)、31歳。広島県出身。24歳で上京してから無我夢中で走り続け、多忙な日々を送っている。
・板倉頼子(いたくら よりこ):七菜の勤める制作会社の上司。チーフプロデューサー。包容力があり、腕によりをかけたロケ飯が業界でも名物。
・小岩井あすか(こいわい あすか):撮影が進行中のテレビドラマ主演女優。
・橘一輝(たちばな いっき):撮影が進行中のテレビドラマ主演俳優。
・佐野李生(さの りお):七菜の後輩AP。26歳で勤務3年目。
・平大基(たいら だいき):七菜の後輩AP。今年4月入社予定の新人22歳。
・野川愛理(のがわ あいり):メイクチーフ。撮影スタッフで七菜と親しい。
・佐々木拓(ささき たく):七菜の恋人。大手食品メーカーの総務部に勤めている。
・上条朱音(かみじょう あかね):ドラマ『半熟たまご』の原作者。数々のベストセラーを持つ小説界の重鎮。教育評論家としても名高い。
・岩見耕平(いわみ こうへい):チーフプロデューサー。七菜の上司。
つづく
【次回予告】激しく咳き込んだあと、その場にうずくまった頼子はタクシーに乗り込み、行きつけの病院に入院することになった。仕事の引き継ぎをするため、七菜は頼子の病室を訪れるが、そこで見たのは髪のない頼子の姿だった。
#17は5/8更新予定です!
中澤日菜子(なかざわ・ひなこ)
1969年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2013年「お父さんと伊藤さん」で小説家デビュー。同作品は2016年に映画化。他の著書にドラマ化されら『PTAグランパ!』、『星球』、『お願いおむらいす』などがある。