自粛生活が続くなか、SNS上では「バトン」が流行中
自粛生活が続くなか「本の表紙」や「今日のエクササイズ」「今日テイクアウトで買ったもの」などを、友人同士でバトンで回し合う投稿が流行中。自由に会えない友人たちとの「つながり」を感じられることから、気楽な気持ちで参加している人も少なくないでしょう。
自宅生活が長くなると、SNSに投稿したくなるような“リア充なシチュエーション”は少なくなりますから、テーマを決めた投稿でつながりを求める遊びが流行るのも納得です。
「○○バトン」「××チャレンジ」などと、投稿内容を縛った遊びのほか「#〜を食べよう」と、地域を限定したうえで、テイクアウト料理を買って、飲食店を支援している様子を披露する投稿も活発。
しかしそんな投稿だらけになったタイムラインに「疲れ」を感じているアラサー女子も増えているよう。実際、私のもとに恋愛相談をしてくる女子からも「最近、SNSを見るのが疲れる」「バトンばかりやっている友達の投稿にイラっとする」などの声が増えてきました。
バトンやテーマ縛りでの投稿は「指名」に疲れの原因が潜む
本来、SNSは誰がどんな投稿をしようが自由な場ですが、これらのリレー投稿には「自分が投稿したあとに誰かを指名する」といったルールが存在するものも多いですよね。そして、そのルールこそが、その投稿を見たときに疲れを感じる原因にも。
周囲で流行っているほどに「自分が指名されない孤独感」による心のザワつきもしかりですが、「指名されたあとに、誰かを指名しなくてはならない義務感」も、今のような非常時では精神的負担を伴いがちです。相手の状況や心理もわからないときに「次は○○ちゃんに」と気楽に指名をすることは、周囲への気遣いを怠らないやさしい女子ほど、大きな負担に感じるでしょう。
また非常時は、相手がどんな状況で、どんな心理状態なのかがわかりにくいもの。平時と同じ感覚でいる人は少なくなっていることから、ちょっとしたやりとりのせいで、人間関係に強烈なヒビが入るきっかけにもなりえます。
SNSのバトンで疲れないための断り方
SNSのバトンで疲れないためには、とにかく「やりたくないなら止める」に尽きます。
「空気が読めない人」「ノリの悪い人」と思われるのがイヤで無理に合わせるくらいなら、自分に回ってきたとしても、勇気をもってストップさせて、何の問題もありません。そのときにハッキリと「こういうのを見て、嫌な気持ちになる人もいるから、私は遠慮しておく」と言ってもいいのですが、無用なトラブルを避けるためには「指名する人が思いつかないから、やめておく」と断れば、角が立ちにくいでしょう。
その行動が、同じように「イヤだな」「不快だな」と感じている人に、負担を連鎖させないおこないとなる可能性も高いのです。
今の状況下ではSNSが、友人たちとの唯一の交流の場になっているアラサー女子も少なくないですよね。だからこそ、そこでのトレンドには「合わせないと」「参加しないと」と焦りも生じがちです。
楽しんで参加している分にはストレスの発散や、メンタルの安定になりますが「やりたくないな」と少しでも思うのであれば、無理に参加しないことも、自分の心を守る術になりますよ。
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。