月にまつわる、あんなことこんなこと!
2019年の十五夜は、9月13日です。月を見るとうさぎが餅をついているところを連想する方が多いのではないでしょうか。なぜ月でうさぎが餅をついていると言われるようになったのか… 気になりませんか?
◆なぜ、月でうさぎが餅をついているの?
月面の模様を見て、うさぎが餅をついていると言われるようになったのは、インドから伝わった月のうさぎの伝説によります。日本版にアレンジされたものが、今昔物語に記され、童話にもなっています。あらすじは以下の通りです。
『さるときつねとうさぎが、ある日空腹で倒れている老人を見つけました。老人のために食べ物を探しにいき、さるは柿を、きつねは魚をとって帰ってきましたが、うさぎはどんなに一生懸命頑張っても何も持って帰ってくることができませんでした。
そんな日が続き、心優しいうさぎは、とうとう火の中に飛び込み、自らの命を老人に捧げました。実はこの老人は神様であり、うさぎのおこないに心打たれ、うさぎが大好きだった月の世界に住まわせたのでした。』
インド版ではこのうさぎこそ仏陀の前世ともいわれています。
うさぎが月に住んでいる理由はわかったのですが、餅をついているのはなぜでしょうか。月でうさぎが食べ物に困らないためという説や老人への食べ物を準備するためという説が伝わっています。
そのほか、かぐや姫の物語の元となっているとも言われる中国の伝説の中でうさぎが月で薬草をついていたことが、日本に伝わる際に餅をつくうさぎに変わったのではないかとも言われています。
様々な言い伝えがあるんですね!
◆十五夜といえば、やっぱりお団子!
十五夜のお供えにはお団子を準備しますよね。その風習と結びついて、うさぎが餅をついているように見えるようになったと思うのは私だけでしょうか。うさぎが餅をついている月を見上げつつ、月見団子を食べることで、月の世界と繋がっているような、そんな風流な世界観が秋のお月見にはある気がします。
十五夜は平安時代には美しい月を愛でる宴を催していたようですが、江戸時代に庶民にも広まったことで、月を愛でるだけでなくお米などの収穫を感謝する収穫祭に変化していったようです。満月に見立てたまん丸のお団子をお供えします。なお、小さいお団子は仏壇に供えるお団子を連想させるため、大きめのお団子を準備してくださいね!
そのほか、秋に収穫を迎える里芋、さつまいも、栗やぶどうなどとすすきや秋の七草を供えます。すすきは稲穂に見立てるとともに、神さまが宿り、魔除けにもなると信じられていたことから、収穫物を悪霊や災いなどから守り、豊作となることを祈願するために飾ります。
お供えは月が見える場所にしましょう。お月見を終えたらお供えものを食べていいんです。神さまへのお供え物を頂くと神さまとの繋がりが強くなるとも、健康や幸福が得られるとも言われています。月の光の神秘的な力も加わってさらにご利益がありそうですね。
旬のものを美味しく頂けることは四季がある日本ならではであり、有難いこと! 月のうさぎに思いを馳せながら、秋の味覚に感謝して十五夜を過ごすのはいかがでしょうか♪
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。日本語教師の母からの厳しい指導や幼少期より読書好きだったことが影響し、現在マナー、教育、ライフスタイルなどの執筆に携わっています。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!