20年通いつめたコンフォートビストロが涙の閉店…!
カイムキにあるカフェミロといえば、創作系のお料理やワインをアラカルトやプリフィクスコースで気軽に頂けるコンフォートビストロのはしり。お店がオープンしてから20年。和食材や地元の食材を駆使した、毎日通っても飽きないお料理がずらりと並ぶフレンチビストロには、夜な夜なローカルの食通たちがこぞって集っています。
もちろんその光景は20年前も今もまったく変わりません。つい先日うかがったときも満席でした。でも、この10月20日を最後に、残念ながら閉店が決まってしまいました。思い出深い大好きなレストランが無くなると聞き、とってもショックです。でも実はそこには新たな動きもあって…。
▲パセリやニンニク、バターなどのエスカルゴソースでオーブン焼きした、前菜のオイスターロックフェラーで白ワインがすすみます。
オーナーシェフの小林茂さんに閉店の理由をうかがいました。九州にいらっしゃるご両親がご高齢でいらっしゃること、ナンバー2だったシェフの方がご病気でお店を辞められたこと。
そしてご自身も、創業20年を機に熊本に戻って、ご両親のそばで過ごす時間を大事にしたい、そして熊本のフレッシュな食材を使ったお料理で熊本を元気にしたいと、そんな思い…。本当に人生は色々。思いがけない転機というものはあるのですね。
▲一度も冷凍しないハワイのアヒ(マグロ)だからこそのぎゅっとした美味しさ。絶品アヒマリネ!
◆数々のスペシャリテが頂けなくなるなんて
今ではハワイにも繊細で美味しいレストラン、体に優しいお料理を出すお店はたくさんできましたが、20年前、そういうレストランはまだまだ珍しく、こちらのスペシャリテであるビーフステーキの赤ワインソース茎わさび添えや、大根おろしのバター醤油ソース、白身魚の焦がしアーモンドバターソテー、フォアグラ丼などは新鮮な美味しさでした。
▲ビーフステーキ赤ワインソース茎わさび添え
▲醤油ベースの甘辛ソースが日本人の口に合うミニフォアグラ丼。
▲その日獲れた白身魚のアーモンドバターソテー
もちろん味だけでなく、オーナーシェフである茂さんの穏やかで丁寧な応対やお店の温かい雰囲気、ひとりでもうかがえる安心感は、ほかのお店にはなかったもの。
キッチン前のカウンターはシェフズテーブル。茂さんの味に魅せられたファンがキープし、メニューにないものを作ってもらったり、何度も通ううちにまかないみたいなお試しメニューを試食させてくれるようになったり、そういう常連さんがいっぱい。
初めての方にも、さまざまなリクエストに融通を利かせてくれる親切なサービスはやはり日本仕込み。私も、このお店を中心に、ハワイ在住のお友達が増えていったことに感謝しています。旅先の街で、色々な情報を教えてくれる窓口が、私にとってはこちらでした。みんなでご自宅にうかがったり、ゴルフをしたのもいい思い出。
▲右から2番目がオーナーシェフの小林茂さん
長年通いつめたお店のクローズは寂しいけれど、茂さんが新たな道を行くなら応援したい! そして、熊本の新しいお店にもうかがいたい!! 心から新しい未来が楽しみです。そして、ハワイの跡地に新たな動きも。
◆ニューレストラン、驚きのシェフの名は?
茂さん手作りのカフェミロの店内インテリアを生かして、ネーミングにもMiroの名を残しつつ新たに誕生するレストラン。その新店舗を牛耳るシェフの名は、なんと、昨今のハワイNO.1レストランとされる「セニア」のオーナーシェフ、クリス・カジオカ!
「ヴィンテージ・ケーブ・ホノルル」の初代料理長を務めた超スーパースターシェフがカイムキで始めるレストランとは、一体どんなお店になるのでしょうか。来年春頃からスタートとの噂ですが、本当に、別れがあれば出会いもある…! 新たなお店との出会いがまた本当に楽しみになりました。
でも、まだ10月20日までは最後のカフェミロナイトが繰り広げられますので、ぜひうかがってみてくださいね! 温かなお料理とおもてなしに、20年のハワイの歴史が感じられるはず。事前に言っておくと、メニューにない美味しいハンバーグも作ってくれますよ♫
▲裏メニューのハンバーグは懐かしい味!
▲カウンターバーで軽く飲む人も。
武田麻衣子/Maiko Takeda ファッションエディター
大学在学中よりファッション雑誌の編集者としてキャリアをスタート。以降、Oggi、Domani、Precious、和楽などで活躍。ゴルフ、歌舞伎鑑賞、ドライブ、クッキングなど、趣味を生かしたカルチャーなページづくりにも定評あり。遊びや仕事で訪れるたびにハワイ愛が膨れ上がり、2012年ついにオアフにコンドミニアムを購入。行ったり来たりのデュアルライフをエンジョイ中。
instagram→@maikotakedaogawa
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