毎日通っても飽きない!【神保町】カレーストリートの魅力
古くからカレーの街として知られる神保町。神保町にカレーを出すお店が増えた理由は諸説ありますが、出版社や古本屋が多い町であり、学生街でもあるということから、片手で本を読みながら片手で食べられるカレーの需要が高まったと言われています。
また、震災や戦争などで焼け残った狭い場所に細長く建てられたビルも多く、狭い厨房でも鍋ひとつあれば作れるカレーライスを出すお店が増えたなど諸説あるのですが、いずれにしても古くからカレーのお店が多く集まっているのはまぎれもない事実。
神保町を歩けばカレー屋に当たるとまで言われている程ですが、特に良いお店が密集しているのはどこかというと、神保町カレーストリートが挙げられるでしょう。
神保町カレーストリートの正式名称は「錦華通り」。
神保町のマクドナルドと三井住友銀行の間を、水道橋方面へ真っ直ぐ向かう道のことです。
この通りにはカレーを売りとしているお店が沢山あり、特に密集しているエリアとなると半径10メートル以内に5軒集まっているというカレー密度が高すぎる状態です。今回はその神保町カレーストリートにある、おすすめのお店をいくつかご紹介したいと思います。
◆時代を問わない美味しさのインド風カレー「カーマ」
この通りにあるお店の中でもかなりの古株であり、神保町を代表する人気店のひとつです。こちらのお店が開店した90年代当時は全国的にも珍しかったスパイスが効いたサラサラのカレーは、元々は中華や和食に携わっていたマスターがアメリカで味わったカレーを元に独自に編み出したオリジナルだそうで、時代を問わない美味しさです。
ご飯の上にドバっとかかった粘度の低いスープ状のカレーに、存在感ある大ぶりのチキンとじゃがいも。記憶に残る味であり、思い出すと食べたくなってしまいます。
▲チキンカレー
◆あったらラッキー! 中華カレー「ハオワール」
こちらはカレーストリートの中でもかなり新しいお店。四川料理や点心を中心とした親しみやすい中華料理店なのですが、週に1〜2回、ランチタイムに麻辣咖喱飯が登場します。曜日が決まっているわけではなく完全にランダム。SNSをチェックするか、実際お店に行かないとあるかどうかわかりません。
どんな味かというと、カレー味の麻婆豆腐の豆腐抜きと言ったらわかりやすいかもしれません。麻辣ということで麻(しびれ)も辣(辛さ)も効いた味はクセになる美味しさですよ。
▲麻辣咖喱飯
◆老舗の名店メーヤウの進化系「ばんび」
元々はメーヤウとしてオープンしたものの、途中から店名を変え、スタイルも少し変わったばんび。メーヤウといえば信濃町にある老舗で、その歴史を紐解くと色々と複雑なのでここで詳細は書ききれないのですが調べてみると興味深いですよ。
こちらはそのメーヤウの味を基本としながらも進化させたといえるお店であり、カレーの種類も豊富なのですが何を食べても美味しいです。夜はお酒も飲めるスタイルで、おつまみで攻めるも良し、カレーで攻めるも良し、どっちもいっちゃえば尚良しです。
▲ポークカリー
◆ワンコインでお釣りがくる!「仙臺(せんだい)」
かつては都内にも数店舗あったものの、今は渋谷にだけ残っている「いんでぃら」出身のマスターによるお店です。こちらのポークカレーは何と450円! ご飯の量も通常で300gもあり、女性はご飯半分くらいでちょうど良いくらい。
安くて量が多いだけではなく、ワンコインでお釣りがくるのが申し訳なくなるくらいの奥深い美味しさ。通し営業ではないのですが、ほとんど通し状態で微妙な夕方の時間帯でもカレーがいただけるのは嬉しい限りです。
▲ポークカレー(ご飯半分)
◆個性派カレーヌードル「パンチマハル」
個性的なマスターが一人で切り盛りしているお店で、色々とローカルルールが存在するので最初は行ったことある人に連れて行ってもらった方が良いかもしれません。
スープ状のカレーにフォーが入ったカレーヌードルは、常連を探して連れて行ってもらう価値ある美味しさ。チキンめんは鶏肉の旨味と野菜のフレッシュな美味しさを味わえます。写真には無いのですが、実際にはライスもついてくるので麺を食べ終わった後はスープカレーとライスの組合せも楽しめ、お腹一杯になります。
▲チキンめん
◆インネパ飲みならここ「SAINO」
ネパール人によるインド料理とアジア料理のお店です。この手のお店はインドネパール略して「インネパ」と呼ばれ、本格的なインド料理ともネパール料理とも違う料理が出てくることが多く、マニアからは敬遠されがちなのですが、この手のお店は飲み利用が最高なんですよ。
何しろお酒が安い! せんべろできちゃう驚きの価格です。おすすめのカレーはチャナマサラ。これはカレーでありながらおつまみとしても機能するひよこ豆のドライカレー。これにモモやタンドリーチキンをつまみにお酒を飲めば大満足です。
▲チャナマサラ
◆カレーストリートのラスボス「桃の実」
最寄り駅は水道橋なのですが、神保町カレーストリートの最後にあるカレーのお店がこちら桃の実。本郷三丁目にあるビストロの姉妹店であり、本店より気軽なスタイルでカレーライスとスパイスおつまみがいただけます。
といっても料理の手の込み方はとても気軽と呼べない程。チキンカレーは玉葱の火入れだけで何時間もかけていて、細部にわたるこだわりが凄い。だからこその絶品カレーがお手頃価格でいただける最高のお店です。お店の雰囲気も最高で、カレーストリートのラスボスとも言える僕の大好きなお店です。
▲チキンカレーセット
このエリアに住んでいる人や働いている人、学校に通う人が羨ましくなるようなカレー激戦区。そのスタイルも様々なので毎日カレーを食べても飽きないでしょう。
実は僕も通っていた大学がこのエリアで、それがきっかけでここまでカレーを食べるようになったのです。といっても当時はこれほどお店の数も無かったので、とにかく今のこのエリアが羨ましい。しかも今回ご紹介した以外にも美味しいカレーを出すお店があるのですから探り甲斐もあります。
夜もカレーを楽しめるお店があるので、神保町カレーストリートではしご酒のはしごカレーも良いかもしれませんね!
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。
音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均1000食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/