できたてのニキビは、詰まった毛穴が盛り上がるのみで白っぽい色調ですが、内部の炎症が悪化するとニキビが大きくなるばかりでなく、発赤や熱感、痛み、かゆみなどの様々な症状を引き起こします。
また、毛穴内に膿が溜まると、毛穴が深くなりクレーターのような痕を残すことも少なくありません。
ニキビの痕は簡単には消えませんので、できる前にしっかり治療することが大切です。
【目次】
・【ニキビ治療】皮膚科はどんな基準で選んだらいい?
・【ニキビ治療】皮膚科では、どんな治療をするの?
・【ニキビ治療】皮膚科の治療費っていくらくらい?
・【ニキビ治療】処方薬について教えて
【ニキビ治療】皮膚科はどんな基準で選んだらいい?
ニキビの治療を専門的に行うには、皮膚科がおススメです。かかりつけの内科などで相談するのも一つの方法ではありますが、きちんと治したいのであれば皮膚の専門家のアドバイスに従って治療を続けるのがよいでしょう。
皮膚科にもそれぞれ得意とする分野や領域があります。どの皮膚科でもニキビ治療を行うことは基本的にはできますが、肌トラブルの解決が得意なクリニックを探すとよいでしょう。
最近では、クリニックのホームページを見れば、そのような内容の治療を専門的に行っているのか知ることができますので、参考にしてください。
注意したいのは費用面
肌トラブルを治療するクリニックは、健康保険のきかない自費診療を積極的に取り入れているところも少なくありません。
実際の治療は、自身の予算と治療内容に納得した上で始めることが大切です。無理に高額な自由診療を勧めるクリニックは、後々に費用面などでトラブルが生じることがありますのでおススメできません。
ニキビ治療は長期間に渡ることも多々ありますので、安心して治療を続けられるクリニックを探しましょう。
【ニキビ治療】皮膚科では、どんな治療をするの?
ニキビを改善するには第一に食事や睡眠、ストレスなどの生活習慣を改善することが大切です。
しかし、生活習慣の改善指導だけでニキビが改善しない場合は、塗り薬や飲み薬などの薬物療法になります。
最もスタンダードな処方薬「レチノール外用薬」
これは、ビタミンAを主成分とするもので、毛穴の出口付近の表皮を柔らかくすることでニキビの発症・悪化を予防する効果が期待できます。
日本では2008年に初めて認可された治療薬であり、現在では最もスタンダードな治療薬として使われています。
一方、炎症が強いニキビはレチノイド外用薬のみでは改善しないことも少なくありません。このような場合には、毛穴に詰まった皮脂の排出を促す効果のある硫黄製剤外用や細菌を退治する抗菌薬外用または内服治療が行われます。
薬物療法以外の治療ではとしては、毛穴に詰まった皮脂を圧迫して落ちだす「圧出療法」、古い角質などを除去する「ケミカルピーリング」、炎症を鎮めるための「ステロイド局所注射」などが行われることもあります。
一般的な薬物治療は、ほぼすべての皮膚科で行われていますが、これらの治療はクリニックによって実施しているところとしていないところがありますので、希望する治療がある場合は事前にクリニックに問い合わせておくとよいでしょう。
【ニキビ治療】皮膚科の治療費っていくらくらい?
一般的な薬物療法など、健康保険の適応になる治療は、初診料や診察料、調剤料、薬代などが全て3割負担になります。このため、一回の受診につき1000円~3000円程度に留まることがほとんどです。
一方、ケミカルピーリングなどの特殊な治療では保険診療が使えないため、治療にかかる費用は全て自費となります。
費用はクリニックによって様々ですが、一回につき5000円~1万円ほどかかり、十分な治療効果を得るには少なくとも5、6回は通院が必要になります。自由診療での治療を受ける際には、後々になってトラブルにならないよう、治療終了までにかかる費用をしっかり把握しておくようにしましょう。
【ニキビ治療】処方薬について教えて
ニキビを解消する効果が謳われた市販薬は数多く市販されています。塗り薬やローション、パウダーなど形状も豊富であり、リラックス効果のある香りがするものもあります。
このため、ニキビに悩んだとしても市販薬を使用してやり過ごす人は多いのではないでしょうか?
もちろん、軽度なニキビであれば市販薬でも十分な治療効果が得られることもあります。しかし、市販薬の成分は処方薬よりも弱いものがほとんどであり、含まれる有効成分の量も少なめです。このため、市販薬では十分な効果がないことも多々あります。
効果が薄い市販薬を漫然と使用している人もいますが、ニキビがよくなるどころか、塗り薬が毛穴に詰まってニキビを悪化させるケースも少なくありません。
市販薬を1週間ほど使用しても目立った効果がない場合は、それぞれの症状に合わせた治療を受けるためにも皮膚科を受診することをおススメします。
成田亜希子先生
一般内科医。プライベートでは二児の母。
保健所勤務経験もあり、医療行政や母子保健、感染症に詳しい。
国立医療科学院などでの研修も積む。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属。