離婚する夫婦の5組に1組は、一緒に暮らし始めてから3年以内に別れる時代。離婚には至らなくとも婚後3年ほどで、夫婦関係に不満や〝壁〟を感じ始める人は少なくありません。何がどうして、壁になるのか。リアルな声から探ります。
乗り越えられなかった人、壁にぶち当たり中の妻側に聞きました!
「キャバクラ通いをやめなかった夫。こんな人の子供、産めません!」
妻の残業中に夜遊びしまくる夫。子供をつくろうと言われたけれど、妻が育児中でもほかの女の子と遊び歩くに違いない人の子を産み育てるなんて、どうしても考えられなかった。【結婚後2年6か月/乗り越えられず離婚】(Aさん・39歳・専門職)
「休みが合わなくて、常にワンオペ育児」
夫が平日休みで、週末は家事も育児もすべてひとりでこなすハメに。彼が休みの日は保育園があるので…。この不公平、気づいてる?【結婚後3年6か月/ただ今壁にぶち当たり中】(32歳・マスコミ)
「住宅購入を検討中。でもこの夫と35年間、共同名義のローンを返す覚悟が決まらない」
マイホームは欲しいけれど、ローン完済前に夫への愛想が尽きそうな予感でいっぱい。決断するのは今か、35年後か迷うところ。【結婚後2年6か月/ただ今壁にぶち当たり中】(30歳・一般事務)
「3年間、毎晩靴下を脱ぎ散らかすのは、男のDNA?」
いくら注意しても直らない夫の「靴下ポイ」。最初は私もかいがいしく拾ってあげる〝妻〟役に酔っていたけれど、今は腹立たしいだけ。【結婚後3年4か月/ただ今壁にぶち当たり中】(33歳・メーカー)
「オムツも替えずにイクメン気どり、やめてくれない?」
子供と遊んだり楽しい育児だけやって、会社では〝イクメン〟で通っているとご満悦。妻の冷ややかな視線に気づくのはいつのことか。【結婚後2年5か月/ただ今壁にぶち当たり中】(30歳・販売)
「ずっと恋人気分でいたいのに! このまま枯れていくのかな…」
出産以来、夫への気持ちが〝男〟から〝家族〟に変化。もう一生ドキドキすることはないと思うと、女じゃなくなった気がしてモヤモヤ。【結婚後2年7か月/ただ今壁にぶち当たり中】(34歳・公務員)
「夫が求める〝家庭的な妻〟とやりたい仕事の間で揺れ続けた」
結婚後もキャリアアップを目ざす妻と、穏やかな家庭を望む夫。ふたりが見ている未来は、月日を追うごとにかけ離れていった。【結婚後4年1か月/乗り越えられず離婚】(Bさん・35歳・フリーランス)
「私の後ろをどこまでもついてくる夫。最初はかわいかったけど…オマエは犬か!?」
「何してるの?」「どこ行くの?」と、家でも外でも妻の周りをウロチョロ。最初はそれもかわいいと思っていたけれど…、ウザいです。【結婚後4年1か月/ただ今壁にぶち当たり中】(32歳・専門職)
「私の実家から夫の実家にお金が流れていくのは納得いかない」
妻の実家からはマイホーム資金ほか、何かと経済的援助が。そこから夫の実家に仕送りされるのは腑に落ちないけれど…言い出せない。【婚後4年8か月/ただ今壁にぶち当たり中】(36歳・保険)
「私は都会で働きたいのに…。今さら実家に帰るとか、聞いてないし!」
ずっと東京で働くと言っていたはずなのに、義父が倒れたのを機に夫が急きょ「実家を継ぐ」と言い出した。私の仕事はどうなるのよ。【結婚後3年2か月/ただ今壁にぶち当たり中】(27歳・販売)
夫側の主張は?
「俺が担当の風呂掃除、ちゃんとやってるのに、見もせず『掃除した?』って聞くのやめて!」
お湯も抜いてあるし排水口に髪も残ってない。これまで掃除当番を放棄したこともないのに。それはもはや〝家事ハラ〟です。【結婚後4年1か月/ただ今壁にぶち当たり中】(Cさん・28歳・商社)
「妻はもう少し家事ができるかと思ってたけど…3年であきらめました(泣)」
掃除も料理も、最初から完璧にしてほしいとは思っていなかったけれど、せめて努力する姿勢を見せてくれたらいいのに…。【結婚後2年8か月/ただ今壁にぶち当たり中】(29歳・メーカー)
「義母の過干渉にげんなり。デートについてくるのってどうよ?」
一卵性母娘のごとく、義母の言いなりになり続けた妻。夫婦の外出にまで平然とついてくる姿に、だれと結婚したかわからなくなった。【結婚後2年6か月/乗り越えられず離婚】(Dさん・38歳・公務員)
「出産後、妻の関心が100%子供に集中。俺は空気か? ATMか?」
子育てにかかりきりの妻。ごくたまに僕に関心を示したかと思ったら「ボーナス出た?」って何? 妻への愛情だってダダ下がりだよ!【婚後4年2か月/ただ今壁にぶち当たり中】(38歳・建築関連)
「たまには同僚と飲んでもいいじゃん。結婚したら早く帰らなきゃいけない決まりでもあるの?」
同僚とのコミュニケーションも仕事のうち。子供もいないのになぜ月に数度の飲み会が制限されなくてはいけないか、男には理解不能。【結婚後3年3か月/ただ今壁にぶち当たり中】(男/27歳・金融)
もちろん、3年間のうちには出産など環境が変わることでできる壁もあるし、どう頑張っても乗り越えられない壁もある。でも、結婚当初から見ないふりをし続けてきた微かな違和感や、「そのうち変わってくれるかも」と相手に期待していたことが、気づいたときには乗り越えられないほど高い壁になっていたというケースは多々あることが判明。「壁は高くなる前に夫婦ふたりできちんと向き合う」――めんどうなようでいて、それが壁を乗り越えるいちばんの近道なのだと、経験者の声は教えてくれる。
2017年Oggi9月号別冊付録「Oggi Wedding Book 2017」より。
本誌掲載時スタッフ:構成/酒井亜希子・佐々木恵・平澤奈々恵(スタッフ・オン)
再構成:Oggi.jp編集部