知っていますか? カボチャのあれこれ
日本では昔から冬至の日にカボチャをいただきますよね。栄養価が高く、保存のきくカボチャは、野菜が少なくなる冬の大事な栄養源でした。そこで、冬にカボチャを食べることで、厄除けの意味と風邪などをひかぬよう栄養を摂って丈夫な体をつくろうという意味がこめられているそうです。
とう‐じ【冬至】
二十四節気の一。太陽の黄経(こうけい)が270度に達する日をいい、太陽暦で12月22日ごろ。太陽の中心が冬至点を通過する。北半球では一年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日。この日にはゆず湯に入ったり、地方によってはカボチャを食べたりする風習がある。《季 冬》「山国の虚空日わたる―かな/蛇笏」⇔夏至(げし)。デジタル大辞泉(小学館)より
「カボチャが日本に上陸したのは、天文10年(1542年)にポルトガル船が九州の豊後に漂着、同17年(1549年)貿易の許可を求めてカボチャを献じたのが最初と言われています。その後、天正4年(1573年)長崎に入り、広く農家で栽培されました。西洋カボチャは文久3年(1863年)にアメリカ合衆国より伝来し、明治初年(1868年)開拓吏が多くの品種を導入しました。
種類も沢山あり、育てて楽しい、食べて楽しいのがカボチャ。家庭菜園でも是非挑戦してみてほしい野菜のひとつで、最近はみなさんがよくご存知のえびすカボチャに代表される皮が緑色のもののほかに、『バターナッツ』と呼ばれる黄色い皮の品種やラグビーボール型の品種『ロロン』も人気です。
▲(左)バターナッツ、(右)ロロン。
国内で食べられている主なカボチャの種類は、大きく分けて3つあります。
古くから日本料理には、京都の『鹿ケ谷カボチャ』に代表される“日本種カボチャ”が使われていました。粘質でねっとりしていて、醤油との相性がよく、日本料理に向きます。かつては市場の主流でしたが、食生活の洋風化とともに日本種カボチャは姿を消しています。
現在はほとんどが、調理法の多い“西洋種カボチャ”になりました。甘みが強く、粉質でほくほくした味わいです。『えびす』カボチャの誕生以来、西洋種のカボチャが次々と品種開発されてきました。最近は、“ペポ種”であるズッキーニも消費が伸びています」
というのは、日本の農業を牽引する企業として知られるタキイ種苗の広報・桐野さん。
美味しいカボチャの見分け方は?
タキイ種苗の桐野さんに美味しいカボチャの見分け方を聞いてみました。
◆AかB、どちらのカボチャのほうが甘くて美味しいと思いますか?
正解は、Aのカボチャ!!
「カボチャの皮にあるオレンジ色の斑点は“ランドマーク”と呼ばれ、このカボチャが熟していることを示す目安になります。ですから、緑色だけのカボチャと、オレンジ色の斑点のあるカボチャがあった場合は、ぜひオレンジ色の斑点があるものを選んでみてください。
ではもし、店頭にあるカボチャがどれも緑色だったら? その場合は種に注目をしてください。
最近、店頭ではカボチャも丸々一個ではなく、半分や1/4にカットされて販売されていますよね。そのような種が見えるもので、種が大きいものを選ぶとよいでしょう。種もそのカボチャの熟し具合をあらわしています。
種が小さいものは未熟なカボチャである場合があります。ですから大きな種のカボチャのほうが甘くて美味しい可能性が高いということになるのです」
と、桐野さん。
なるほど! 納得できるお話です。
カボチャはβカロテン、食物繊維、ビタミンB1、B2、C、Eもバランスよく含まれています。和食はもちろん、洋食やスイーツまで様々なレシピで楽しめるのも魅力的ですよね。
ライターHは、種やわたをのぞいき、乱切りにしたカボチャと、玉ねぎをコンソメで煮て、柔らかくなったらミキサーにいれペースト状に。ペーストを鍋に戻し、牛乳でいい感じのとろーり具合にのばし、塩コショウで味を調えれば完成するパンプキンポタージュが大好き。冬至の今夜も夕食の一品につくる予定です♡
みなさんはどんなかぼちゃのレシピがお好きですか?
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