加齢によって20代のころより肌が乾燥しやすくなるのはもちろんですが、間違ったお手入れによる乾燥もあるはず――。30代の肌を多く診ている人気皮膚科医に取材して、乾燥してしまう理由を探ります。
「30代になって肌質が変わり、前よりニキビができにくくなったのはうれしいけれど、乾燥に傾いてしまいました。メイクののりが悪いし、ハリもなくなった気が…」(専門職・30歳)
ずっと同じお手入れを続けていると乾燥します!
お話を伺った人
慶田朋子先生|銀座ケイスキンクリニック院長
東京女子医科大学医学部卒業。スキンケアにも最新の美容医療にも詳しい。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)がある。
高瀬聡子先生|ウォブクリニック中目黒総院長
慈恵会医科大学卒業。最新作『ゆる美容事典「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』(講談社)など、著書多数。コスメの開発も手がける。
肌の曲がり角の一歩手前から、お手入れを見直す
「化粧品がたくさんありすぎて、何をどう選べばいいのかわからない」という声を、よく聞く昨今。新しいものに興味はあるけれど、選べないから結局いつも同じものを買ってしまう…確かにこれだけ情報があふれていると、そんな気持ちになるのもわかります。
でも、30歳はスキンケアコスメをエイジングケア系にシフトしたほうがいい時期に来ているのは事実。高瀬先生は「よく肌の曲がり角は28歳と言われますが、実際にはその少し前くらいから、意識してお手入れのグレードを上げると、乾燥を防ぐ先回りのケアができます」すでにアラサー…と焦る必要はなく、気づいた今が始めどき! 20代前半と同じようなスキンケアを使っている人は、一度見直す時期に来ています。
化粧水やクリームなどのベーシックアイテムをエイジングケアラインに切り替えるのが一案ですが、いきなりそれは不安という場合、アイケアやマスク、最近多く出ている夜用のスペシャルケアアイテムなど、パワーのある単品をプラスするのも◎。特にアイケアは、目元の乾燥や小ジワ予防に「早いうちから使っておいてよかった」という40代美容のプロたちの声が多いアイテムです。肌に合うか心配な人は、いつも使っているブランドから新しいアイテムを選ぶと、安心感があります。
興味がある人は美容医療をスタートしても
5年後、10年後も美肌をキープしたいと願っているなら、今から美容医療デビューするのもおすすめ。慶田先生は「アラサー世代なら、『フォトフェイシャル』を年に3〜4回受けるだけで、10年後の肌に大きく差がつきます」と話します。
『フォトフェイシャル』とは、さまざまな波長の光を肌にあてることでシミや色ムラなどをケアし、同時に真皮のコラーゲン生成を促してハリを高める、マルチな美肌治療。クリニックにもよりますが1回数万円で受けることができ、続けるのも現実的です。その他、表皮の代謝を上げる『ケミカルピーリング』や、真皮の代謝スイッチを入れる『ピコフラクショナル』『マッサージピール』なども、潤いとハリを保つためにアラサー世代から取り入れると効果的。
どんな肌でいたいかは人それぞれだけれど、ひとつ言える事実、それは30歳を過ぎたら肌はお手入れしだいで大きく変わっていくということ。乾燥によるバリア機能の低下は、くすみやシミ、たるみなどすべての肌トラブルにつながるものだから、まずは最低限、しっかり保湿を。乾燥が気になるこの時期にお手入れを見直せば、効果を実感しやすく、続ける励みになります!
おすすめアイテム|夜用美容液&目元用ジェル
アラサー世代なら、こんなアイテムをプラスしても。上/エイジングが気になり始めた肌のための、夜用美容液。美容液に入ったカプセル状のオイルが弾け、肌のお疲れ印象をリセット。ロクシタン イモーテル オーバーナイトリセットセラム 30ml ¥8,000 下/乾燥を防ぐ濃厚な目元用ジェル。RMK コンセントレイテッド アイジェル 20g ¥5,000
<結論>
アイケアやマスクなどのスペシャルケアは、そろそろ取り入れどき。美容医療も有効な先行投資に!
Oggi11月号「30歳からの正解保湿」より
メイン画像/Shutterstock 撮影/西原秀岳(TENT) 構成/大塚真里
再構成/Oggi.jp編集部