〝おいしかった〟で終わらないレストラン
【リヨン】フランス料理の歴史を受け継ぐ『Restaurant Paul Bocuse』
今回の旅で、一番楽しみにしていた場所。
それが、リヨン郊外のコロンジュ・オ・モン・ドールにある『Restaurant Paul Bocuse(レストラン ポール・ボキューズ)』でした。
フランス料理界の伝説的シェフ、ポール・ボキューズ氏が築き上げた名店で、世界中の料理人が一度は訪れたいと憧れるレストランのひとつです。現在もその哲学は受け継がれ、クラシックなフランス料理を大切にしながら、多くのゲストを魅了し続けています。
レストランに到着すると、まず目を引くのは、赤や黄色で彩られた華やかな建物。

ここに来たかったという気持ちが、一気に込み上げてきました。
店内へ足を踏み入れると、クラシックでありながらどこか温かみのある空間。
スタッフの所作やサービス、お料理が運ばれてくるタイミングまで、すべてが心地よく、「食事を楽しんでほしい」というおもてなしの精神が感じられました。

実は今回、ロストバゲージの影響で、この日のために持ってきたお気に入りのワンピースを着ることができませんでした。
急遽H&Mで購入したワンピースで訪れることになり、少し気後れしていたのですが、お料理が運ばれてきた瞬間、そんなことはすっかり忘れていました。

一皿ごとに驚きがあり、美しさがあり、そして何より「おいしい」。
料理はもちろん、ワゴンサービスなどクラシックな演出も、このレストランならではの魅力のひとつです。長年受け継がれてきたフランス料理の文化を、食事を通して体験できる場所だと感じました。

今回の旅で改めて思ったことがあります。
それは〝おいしい〟は、すべてを帳消しにするということ。
荷物がないことも、着たかった洋服が着られなかったことも、その時間だけは忘れられたんです。
それほどまでに、このレストランで過ごした時間は特別でした。
【DATA】
Restaurant Paul Bocuse
住所:40 Rue de la Plage, 69660 Collonges-au-Mont-d’Or, France
【パリ】料理というより、一つのエンターテインメント『Shabour』
続いてご紹介するのは、パリで最も印象に残ったレストラン『Shabour(シャブール)』です。

ミシュラン一つ星を獲得しているこのレストランは、イスラエル出身のシェフ、アサフ・グラニット氏が手がけるイノベーティブレストラン。地中海やイスラエルのエッセンスをフレンチの技法と融合させた、自由で創造性あふれる料理が世界中で高く評価されています。
店内はオープンキッチンを囲むようなライブ感のある空間。料理が仕上がる様子やシェフたちの動きまで含めて楽しめるため、「食事」というより、一つのショーを観ているような感覚に。

次はどんな料理が出てくるんだろう。そんな期待が、一皿ごとに膨らんでいきました。
この日は、麹を取り入れた日本を感じる一皿も登場。
フランス料理とも違う、イスラエル料理とも違う。それぞれの文化が自然に溶け合い、今まで食べたことのない味や組み合わせに出合えたことも、このお店ならではの魅力です。

おいしいだけではなく、驚きがあり、会話が生まれて自然と笑顔になる。レストランってこんなに楽しいところなんだ、と改めて感じさせてくれた場所。

パリには名店が数え切れないほどありますが、私にとって「また予約してでも行きたい」と思えたレストランは、間違いなく『Shabour』でした。
【DATA】
Shabour
住所:19 Rue Saint-Sauveur, 75002 Paris, France
旅の記憶に残る、特別なディナー体験
今回訪れた2軒は、それぞれに異なる魅力を持つすばらしいレストランです。
あのディナーのために、また旅行したい! と思えるほど、心に残る時間を過ごすことができました。
『Restaurant Paul Bocuse』では、長い歴史の中で受け継がれてきたフランス料理の伝統に触れ、『Shabour』では、固定観念にとらわれない自由な発想とライブ感に魅了される。
同じ国でも、こんなにも違う食の世界があることに驚かされました。
もしフランス旅行で「一生の思い出になるレストラン」を探しているなら、この2軒は自信を持っておすすめしたい名店です。景色だけではなく、その土地で味わった一皿まで含めて、一生の旅の思い出になるのだと改めて感じた夜でした。
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