日本で唯一の毎日運航! 寝台特急 サンライズ出雲・瀬戸

「サンライズ出雲・瀬戸」とは、夜に東京駅を出発し、翌朝岡山駅で2つに分かれ、それぞれが島根県出雲市と香川県高松市へ向かう寝台列車。今回予約にトライするまで、まったく知らなかったのですが…このように毎日運航している寝台列車は、現在この「サンライズ出雲・瀬戸」だけで、とても貴重な存在だそう。
出合いのきっかけはある日のこと。息子に「ママ! 電車のなかにホテルがあるよ! ぼくこれに乗ってみたい!」と〝のりもの図鑑〟を見せられ、それがまさに「サンライズ出雲・瀬戸」だったのです。

たしかに寝台列車ってママも今まで乗ったことないなぁ、保育園を卒業する前に乗ってみようか! と、非常~に軽い気持ちで息子と約束。乗車予約は乗車日の一カ月前からということで、それならきっととれるでしょ、などと思っていたのですが…そんな自分を叱りたいくらい、大変な切符争奪戦が待っていました…。
乗車予約はWebかみどりの窓口で
乗車レポの前にまず、どれだけ予約に骨が折れたか、我が家の切符入手ストーリーをご紹介させてください(笑)。
乗車予約について調べるうちに、「おや…もしやこれって、予約は至難の業か…?」と、ようやく事の重大さに気付きまして。結果的に希望日の乗車券を確保できたものの、サンライズ出雲の大人気っぷりに大変驚きました。
まずはネット予約についてリサーチすると「10時打ち…時報操作…」など、玄人の方の見知らぬ技の数々。これはド素人には難しいぞ~とひるみ、予約開始日が休日だったこともあり、ネットではなく最寄りのみどりの窓口で買うことに決めました。
販売開始は朝10時なので早めに到着し、フリーの駅員さんに少々聞くと「10時販売開始なので、10時前に窓口に来ていただいても販売できません。10時以降で窓口に来てくださいね」とのこと。やはり人気の列車なので、時間厳守が徹底されている様子。
時計を見ながら並ぶタイミングを計算して、10時30秒くらいに窓口にイン! 駅員さんに予め記入しておいた乗車券申込書を渡し、システムに打ち込んでもらい待つこと数秒…「うーん、、、もう満室ですね」の一言。
なんと、ものの1分で完売という結果でした。
すごい。こんなに予約できない乗り物が世の中に存在するのか…と、呆然としながらみどりの窓口を後にしました。
意外に拾える…!? キャンセル待ちを検索する日々
乗車予約開始日の戦いにあっさり負け、それから数週間はJRの予約サイトにアクセスし、空きが出ていないかチェック。暇さえあればサイトを開き、キャンセル拾いの日々を送りました。
意外なことに、一番安価なのびのび座席(カプセルホテルのようなスペース)はすぐに空きが出たのです! まず2席、数日後に1席とれ、家族分の3席は開始日から一週間以内に確保できました。とりあえず寝台列車には乗れそうで一安心。これも調べているうちに知ったのですが、とにかく大人気のため、定期的に予約にトライし、それから旅の予定を組む方も多いのだとか。そのため結局都合がつかず、早々に予約がリリースされることがよくあるそうなのです。
のびのび座席が確保できたものの、せめて1部屋だけでも個室が取りたい…! そう思い、その後もキャンセル拾いにあけくれました。すると、10日ほどを過ぎたある日の夕方、念願のシングル個室が空きになっているのを発見! ここぞとばかりに予約をクリックし、キャンセル拾いは無事成功しました。
ふだん業務連絡しかLINEしない夫にも、このときばかりは歓喜のコメントを送信したほどです(笑)。ちなみにサンライズ出雲は、乗車日の2日前までは1席あたり340円でキャンセル可能。このときも、確保していたのびのび座席はキャンセル料を払って手放しました。
私は基本どこでも寝られる単純な性格なので(笑)、夫と子供を個室にすればいいかと思っていたのですが、幸運にも数日後にソロ個室もキャンセルされているのを発見。サンライズ出雲の場合、小学生までは子どもの添い寝が可能なので、個室を2部屋とり任務完了。出発予定日の半月前に、ようやく出雲への寝台列車の切符を手にしました!

キャンセル拾いの勝因は「とにかく暇さえあればサイトにアクセス」これに尽きます…。ただ、思い返すと、個室が拾えた時間はいずれも夕方くらいだったと思います。
ついに乗車日! サンライズ出雲のお部屋レポ

長々と予約について語ってしまいましたが、いよいよ待ちに待った出発・乗車の日。サンライズ出雲は東京駅21:50に出発。新幹線ではないので、山手線や総武線が並ぶホームの9番線から発車します。
列車内にシャワー室はありますが、こちらは当日の先着順。早めに並んでシャワーカードを購入する必要があります。我が家は早々にシャワー室の先着争奪戦はあきらめ、夜行バス乗客用の「東京VIPラウンジ」でシャワーだけを使用し、スッキリしてから駅に向かいました。

サンライズ出雲は必ず紙の切符を発券する必要があるので、事前の発券手続きをお忘れなく。息子は未就学児のため、実は無料で乗車できることも大きなポイントです。(窓口で確認したところ、未就学児であれば乗車券等も支払い・発券共に不要でした! 意外!)

ホームにあがると記念撮影をしている人がたくさん! 我が子もうれしそうでした。
驚いたのですが、ディズニー帰りの方が何人もいて、これにはなるほど~と思いました。山陰・四国地方へその日に帰るなら、空港まで行くよりも東京駅発のサンライズに乗ったほうが、時間ギリギリまでパークで遊べそうです。皆さん、いろいろな使い方で寝台列車を選択しているのですね。

翌日の朝食や飲み物を買い、夢の寝台列車にいざ乗り込みます! こちらがシングル個室。私と当時5歳の息子で利用しました。

ベッドの硬さはちょうどよく、シーツもパリッとして清潔感がありました。私が利用した部屋のアメニティは写真右上のような感じ。乗車した時期が残暑の9月だったので、かけ布団の厚さもちょうどよかったです。真冬だと少し寒いかもしれません。
もちろん、ベッドしかないスペースなので広々とは言い難いですが、個室の大きさとしては未就学児とふたりで泊まる分には問題ないかなと感じました。写真のとおり、ドア前にスーツケースを置けるスペースもあります。お子さんの大きさにもよりますが、お互いが足を向ける方向を別にして互い違いに寝れば、小学校3・4年生くらいまではいけるかなと思いました。

夫が寝泊まりしたソロ個室は、シングルのスペースを半分に分け、上と下で部屋が分かれるような仕組みになっています。そのため天井が低く、さらに隠れ基地的な雰囲気。フリースペースはほぼなく、子どもと添い寝するには少し窮屈かもしれません。(窓口で聞いたところ、ソロ個室でも添い寝自体はOKとのことでした)

ちなみに、こちらが最初に席が取れたのびのび座席。
スペースを区切るカーテンなどがなく、頭部分だけ仕切りがあるような感じです。男女別などはなく、カプセルホテルよりもだいぶプライバシーがゆるめ(笑)。こちらは添い寝NGで、子どもが利用する場合は1座席分購入する必要があります。個室のように布団はないので、ブランケットなどが要りそうです。
この部屋以外にもサンライズツインという、大人ふたりが泊まれる個室もあります。本命はこの部屋でしたが、なんと部屋数はたった4部屋! 予約は困難を極め、幻の部屋と呼ばれているのだとか…。

それぞれの個室で飲食可能ですが、途中にこのような飲食スペースもあります。ソフトドリンクやお茶等は列車内の自動販売機で購入できるものの、朝になって売り切れている商品もあったので、やはり購入して持ち込むのがよさそうです。
夜を駆ける列車の旅

「列車に乗り夜を明かす」という40歳になってからの初体験に、息子だけではなく私も夫もわくわく(笑)。サンライズ出雲は意外に停車駅が多く、東京出発後は横浜・熱海・沼津・富士・静岡・浜松などに停まります。その度に息子もテンションがあがり、寝てくれたのは23時ごろだったかと思います。
そしてサンライズ出雲と言えば忘れてはならないこのイベント。翌朝6:27ごろに到着する岡山駅で切り離し・連結作業の儀です!

冒頭でもさらりと触れましたが、寝台特急サンライズは前7両(サンライズ瀬戸・高松行)と後7両(サンライズ出雲・出雲市行)に、岡山駅で分割されるのです。これが予約が大困難たる所以の一つ! 14両編成ではあるものの、行先によって半分に分かれるので、実質予約できる範囲は7両分のみ。私、この事実に気付いたのは後からでした…。

切り離しの儀もこれまた大人気。到着前の車内アナウンスで容赦なく起こされ(笑)私も寝ぼけた息子も目をこすりながら見学いたしました。作業完了後は早々に出発するので、乗り遅れないようご注意を!
朝10時、ようやく出雲市駅へ到着

車両切り離しの見学が終わったあとは、すっかり子供も目が覚めてしまい、朝ごはんを食べたり夫のソロ個室に行ったりして過ごしました。(ですが少し時間が経ってから私も息子も二度寝しました)
そうこうしているうちに10時を迎え、出雲市駅に到着!

東京駅出発から約12時間。その時間あったらハワイいけるやん…と頭の片隅で思ったりもしましたが(笑)、この歳になって味わえる初体験がまだまだあることは素直にうれしい! いちばん乗りたかった息子も想像以上にうれしかったようで、「ママ、予約してくれてありがとう。」と、面と向かってお礼を言われたほど。息子の一声がなければおそらく一生乗ることはなかった寝台列車ですが、私にとっても貴重な体験となりました。
肝心な乗り心地といえば…

サンライズ出雲に乗った話をすると、必ず「乗り心地どうだった? 眠れた?」と聞かれるのですが、個人的な感想としては、「乗り心地はそんなによくない。(笑)」が正直なところです。場所に左右されるかもしれませんが、意外と車輪の振動が伝わり、岡山に着くまで2時間おきくらいに目が覚めてしまいました。そう思うと、新幹線って本当にすごいのだなぁと感じます。ただ、息子とソロ個室でソロ活を堪能した夫はぐっすり寝れた模様です。
そして帰りは米子空港から東京・羽田まで帰宅、飛行時間は約90分…(笑)。

所要時間はかかりましたが、寝台列車の旅は新鮮でとても面白かったです。大人気であることも納得! 次は幻のサンライズツインに乗車してみたいなと思っています。多くの方が「いつかきっと…」とウィッシュリストに入れているだろう寝台列車の旅。GWや夏休みなどにぜひ体験してみてください。

Domani Labメンバー 菱沼阿弥
新卒でホテルに就職後、「フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」で働いた経験をもつ。今までに訪れた国は25カ国ほど。産後は旅好きのアンテナを活かし、国内旅行にハマり中。ファッションアイテムも旅目線で選びがち。
Instagram:@ayapecotrip



