AIアートとエコロジーが融合した最先端のアート
この秋、シャネル・ネクサス・ホールにて、世界のアートとテクノロジーが交差する臨界点でもっとも注目を集めるソフィア クレスポとエンタングルド アザーズの展覧会を開催します。
ソフィア クレスポは、人工知能(AI)と生命科学の融合において独自の詩学を築いたアーティスト。AIのメカニズムがどのように有機的な形態を模倣し、進化させることができるかを探求し、虫の翅(はね)や植物の胞子、深海のクラゲのような既視感を抱かせる形ながら、決して見たことのないものたちを生成しています。

エンタングルド アザーズは、ソフィア クレスポとノルウェー出身のアーティスト/研究者であるフェイレカン カークブライド マコーミックによって2020年に結成された、実験的なアーティスト・デュオ。「エンタングルメント=もつれ合い」という概念を軸に、人間と非人間のあいだにある関係性をデータと想像力を駆使して再構築し、観測できない深海、システムとしての植物、非線形に変化するデジタル生態系などの複雑な振る舞いを、ヴィジュアルによる「シミュレーション」として提示しています。

本展では、海中2000メートル以深の世界を探る《liquid strata: argomorphs》(2025)、湧昇という地球規模の現象とAIの視覚言語を結びつけた《specious upwellings》(2022-2024)、遺伝情報とデジタルデータの構造を重ねた《self-contained》(2023-2024)、植物学と写真の歴史から着想を得た《temporally uncaptured》(2023-2024)、そして「存在しなかった自然史の本」をコンセプトにした《artificial natural history》(2020-2024)の5シリーズを紹介予定。映像、彫像、そしてデジタルインスタレーションを通し、観る者に断片的なデータと仮説から世界を読み解こうとする科学的営みと、詩的な想像力との交点に立ち現れるヴィジョンを投げかけます。
テクノロジーを介して生成されたイメージが映し出すのは、自然の“代替物”ではなく「人間が自然をどう見たいと願っているか」という深層であり、それらのイメージが絡まり、共鳴し、変容してくことで、現実世界の見え方を静かに揺さぶります。
《specious upwellings(見せかけの湧昇)》(2022-2024)

▲Entangled Others –《specious upwellings》/Entangled Others –《specious upwellings》detail

▲Entangled Others –《specious upwellings》/Entangled Others –《specious upwellings》detail
《self-contained(自己完結モデル)》(2023-2024)

▲Entangled Others -《self-contained 009.4》Art Singapore (credit Gazelli Art House)

▲Entangled Others -《self-contained 009.x》(credit Coleccion SOLO)
【Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地
ソフィア クレスポ / エンタングルド アザーズ】
会期:2025年10月4日(土)~12月7日(日)
開館時間:11:00~19:00(最終入場18:30)
※イベント開催時は変更あり。詳細はウェブサイトをご確認ください。
会場:シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
入場無料・予約不要
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