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LIFESTYLE

2025.07.25

【俳優・奥平大兼さん】ひとりで世界を変えられなくても、史実を「伝える」ことに大きな意味がある

戦後80年を迎えるこの夏、多くの映画や舞台作品が、その意義を投げかけ、平和を考える機会になっています。映画『雪風 YUKIKAZE』もそのひとつ。絶望の戦場に希望と勇気をもたらした不沈艦の軌跡の語り手として、重要な役目を担った俳優・奥平大兼さんにインタビュー。

同世代の俳優たちと一緒に成長し、「みんなで」活躍するのが理想です

ドラマ『御上先生』をはじめ、高校生役としての印象が強かった奥平大兼さんが、水雷員となって初めて戦争映画に挑戦。それも、映画冒頭の登場で観る者を引き込み、歴史の語り手として、実力を発揮しています。最年少乗員役として、そして映画に携わるひとりの俳優としてのまっすぐな視線に、奥平さんならではの仕事への向き合い方が伺えます。

戦争について、雪風について、
観る方に語りかけるのが役割です

――映画『雪風 YUKIKAZE』が完成してみて、奥平さんが演じた井上壮太(若き水雷員)の役割はどのように受け止めましたか?

奥平大兼さん(以下、奥平):僕と同年代の人たちは、駆逐艦のことも、「雪風」のことも知らないでしょうし、太平洋戦争のことさえも、深く考えずに生きてきているかもしれません。僕も、そのひとりでした。だからこそ、この史実に基づいた話を、映像として広く届けることは、すごく重要な役割だと感じています。しかも、全国で公開される映画作品として完成されたことで、ふだん触れることのなかった人も、史実を知るきっかけになる。個人の力で戦争をなくすとか、世界を変えることはできなくても、こうして「伝える」ことだけでもきっと意味は大きいと思っています。

奥平大兼さん

そして井上という役は、映画を観る方と目線が近いというのが、何より大きい。戦争を知らない世代に対して、また歴史上あまり知られていない「雪風」について、観る方に語りかけるのが役割です。「井上から見た戦争」が、現代の人たちにどう受け止められるのか、楽しみなところでもあります。

©2025 Yukikaze Partners.

――映画では、その井上がどんどん精悍に、たくましく、成長していく様が印象に残ります。

奥平:まず最初に雪風によって命を救われ、辛い経験、悲しい出来事…などいろいろなことを経験した井上。命の大切さを感じながら生きる環境に毎日おかれて、大きく成長していったことは、想像できます。ただ、僕自身でいえば、命の危険を感じるような経験は味わっていないので、なかなか演じるのが難しかった部分でもあるのですが。

――そのほか、難しかったこと・大変だったことは、ありましたか?

奥平:海の中でのシーンですね。泳ぎはあまり得意ではなくて…というか、足のつかない海で泳ぐことが苦手で。特に、海の中の不発弾を取るために潜るシーンは、緊張感がありました。実際にはライフガードの方々が何人も周りで見守っていてくれたので、身を任せて演じることができました。

奥平大兼さん

特別なことはいらない。
普通の幸せが感じられたら、それでいい

――これまで奥平さんがご出演してきた学園ドラマとは異なり、本作では多くの先輩俳優方との共演となりました。影響を受けたことはありましたか?

奥平:いちばんに感じたのは、先輩方の作品に対する強い意気込みと前向きな姿勢です。題材からいっても、生半可な気持ちではできないし、かといってわかったつもりになってもいけない。それを近くで見て感じることができたのは、いい体験でした。

©2025 Yukikaze Partners.
奥平大兼さん

――先輩方を間近に見つつ、奥平さんご自身はどんな大人になっていきたいとお考えですか?

奥平:自分の未来は、あまり想像ができないけれど…。仕事でいえば、同世代の俳優たちと一緒に成長して、みんなで活躍できたらいいなと思います。だから「ライバル」という感覚はなくて。それぞれの立場で、それぞれできることが増えていったらいいなと。その先に、今回の『雪風』のように、後世にメッセージを残すような作品に携われたら、幸せです。

奥平大兼さん

――そのころ…仮に10年後として、どうなっていたいですか?

奥平:すごく特別なことはいらなくて、普通の幸せが感じられたら、それでいいです。30代になれば結婚しているかもしれないし、それでも地元の友達とごはんを食べて、年に何回か旅行に行って。みんなが家庭をもったら、なかなかできなくなっちゃうのかな。それもちょっと寂しいですけれど。

とはいえ、仕事はしっかり頑張ること前提で。オフタイムは楽しいけれど、やっぱり撮影しているときの緊張感も好きですから。難しいシーン、緊張感を伴うシーンほど、始まるまではイヤだなと思っても、やってみれば楽しいものです。と同時に「まだまだ」と思うことも多いのがこの仕事。だから、やめられないんです。

映画『雪風 YUKIKAZE』

平和な海が戦場だった時代、数々の激戦を最前線で戦い抜いた駆逐艦「雪風」は、僚艦が大破炎上していく中、絶えず不死身ともいえる戦いぶりを見せた。「雪風」は敵弾をかいくぐりながら任務を果たし、沈没する僚艦から海に投げ出された仲間たちを救い、共に帰還させた。

本作では、その知られざる史実を背景に、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿が描き出される。「雪風」艦長・寺澤一利役を演じるのは、竹野内豊。共演には、先任伍長・早瀬幸平役の玉木宏、若き水雷員・井上壮太役の奥平大兼。さらに、早瀬の妹・サチ役の當真あみ、寺澤の妻・志津役の田中麗奈、志津の父・葛原芳雄役の益岡徹、帝国海軍軍令部作戦課長・古庄俊之役の石丸幹二、そして、実在した第二艦隊司令長官・伊藤整一役を中井貴一が演じる。2025年8月15日(金) 全国公開

公式サイト:yukikaze-movie
出演:竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、藤本隆宏、三浦誠己、山内圭哉、川口貴弘、中林大樹、田中美央、田中麗奈、益岡徹、石丸幹二、中井貴一 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス

©2025 Yukikaze Partners.

俳優 奥平大兼
おくだいら・だいけん 2003年9月20日生まれ、東京都出身。2020年の映画 『MOTHER マザー』で注目を集め、多くの映画新人賞を受賞。その後の主な出演作に、映画 『マイスモールランド』『君は放課後インソムニア』『ヴィレッジ』『赤羽骨子のボディガード』『Cloud クラウド』『か「」く「」し「」ご「」と「』、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』、日曜劇場『御上先生』など。

ジャケット¥638,000・ベスト¥242,000・パンツ¥297,000・ブーツ¥291,500[すべて予定価格](プラダ クライアントサービス<プラダ>)

撮影/大月和弘 スタイリスト/伊藤省吾(sitor) ヘア&メイク/速水昭仁(CHUUNi) 取材・文/南 ゆかり

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