東京・南青山「UN GRAIN（アン グラン）」のミニャルディーズ
東京・南青山の静かな路地裏に佇む「UN GRAIN（アン グラン）」は、日本でも数少ないミニャルディーズ専門店。2015年のオープン以来、シェフパティシエが定期的に代わるスタイルで日々進化しています。2025年春、3代目のシェフパティシエとして岡澤高志氏が就任し「味覚と記憶の余韻を大切に」をモットーに、日本人ならではの感性と美学を大切にしながら「UN GRAIN（アン グラン）」と共に新たな一歩を踏み出しました。
「ミニャルディーズ」とは、フランス語で「上品さ、可憐さ」という意味を持ちます。フランス料理ではコースの締めくくりとして飲み物と一緒に提供され食後のひとときを彩る、一口サイズの洗練されたお菓子のことを指します。「UN GRAIN（アン グラン）」では、食後に限らず家族や大切な人たちと過ごす時間にいただく小さなお菓子を総称して呼んでいます。そのひとつひとつに、素材の魅力、職人の技、そして繊細な美意識を凝縮し〝ひとつまみの幸せ〟を提案しています。
今回、岡澤シェフの就任では、新生「アン グラン」のスタートにふさわしい五感にそっと訴える3つの「ミニャルディーズ」が登場しました。
ベリーの色合いが鮮やかな、コロンとした球体が目を引く「スフェール」。ブルーベリームース、ライムのクリーム、リュバーブのコンポート、カシスジュレなどを組み合わせた一品。口に含んだ瞬間から爽やかな香りが広がり、ブルーベリーのフレッシュな酸味と甘みを楽しむ事ができます。
イギリスのビクトリア女王即位50周年の祝宴（ゴールデンビジュリー）の際に考案されたクラシックデザート「チェリービジュリー」から着想を得て現代風にアレンジされた「スリーズ ジュビレ」。濃厚なバニラムースの中には、キルシュの効いたババロア、チェリーをメインとしたフリュイルージュ（赤い果実）のジュレ。トッピングにはチェリーのコンポートジュレが！ バニラの豊かな香りとチェリーの酸味・甘さのバランスがクセになる美味しさです。
コーヒーの風味を贅沢に味わう事ができる「モカ」。優しい甘さと口当たりの良いムースノワゼット（ヘーゼルナッツのムース）の中には、エスプレッソのジュレが。ジュレに使用しているコーヒー豆は特別にブレンドされた「アン グランブレンド」を使用し店内でエスプレッソを抽出しています。上にトッピングされたツルンとしたガナッシュは苦味とコクのバランスが絶妙です。
「UN GRAIN（アン グラン）」では、手土産にもぴったりな焼き菓子も販売中。メープルシュガーの風味が広がる「サブレエラブル」、香りの高い千葉県産ピーナッツを使った「サブレ カカウェット」、フランボワーズの果汁が甘酸っぱい「ムラング フランボワーズ」など、ひとつひとつが印象に残る味わい です。
どの商品にも素材同士の掛け合わせや組み合わせだけでなく、層の重ね方、口溶け、香り、余韻の広がりまで計算された構成は「日本のミニャルディーズ文化を、世界に逆輸出したい」と語る岡澤シェフのこだわりを感じることができます。
【店舗詳細】
東京都港区南青山6-8-17 プルミエビル1階
表参道駅B1出口より徒歩15分
11:00～18:00
水曜定休
大雄寺幹子
女性誌の制作に15年以上携わり、常に情報のシャワーを浴び続けるデザイナー。
職業柄見た目も重要だけど、味が一番大切。「手土産はコミュニケーション」を信条としている。学生時代にデパート地下のお菓子売り場でアルバイトをしたのをきっかけにデパ地下の魅力に取りつかれる。
以来、20年以上最低でも週に3回以上（多いときは週5日）はデパ地下に通うマニア。今までに手土産、お土産、自分へのご褒美に費やした総額は高級外車が買えるほど。（現在も金額は日々更新中！）
365日手土産、お土産、お取り寄せ、自分へのご褒美情報を仕入れ、デザイナーとしての仕事の他、手土産の相談を受ける日々。手土産は貰うのもあげるのも大好きで365日、何かしら甘いものを食べるスイーツマニアでもある。
もちろん美味しいものに目がなく、スイーツ以外に肉マニアとしても寄稿。
