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2025.01.26

なぜ二足歩行? 今後の進化は? 編集長・滝沢カレンが思う現在最大の謎〝人間の進化〟を深堀り【後編】

編集長・滝沢カレンが持つ疑問『我々はいつから歩き、言葉を話し、恋愛をして、どうやって今の姿になったのか』現在最大の謎に迫ります! 後編では編集長が疑問に思っていた人間が二足歩行になった理由から当時も恋愛はあったのか? など… 様々な問いを総合地球環境学研究所所長で霊長類学者の山極壽一さんと紐解いていきます。

「人間は、どうやって誕生し、どう進化してきたの?」

2025年Oggi1月号は「編集長 滝沢カレン」第4弾が登場! カレン編集長の頭の中は、気になることや好きなことでさらにいっぱいに。頭の中の、溢れんばかりの「今気になっていること」を教えてもらいました!

だれもが一度は目にしたことがある、あの「人類の進化」のイラスト。カレン編集長の頭の中には一目見たときから「いつから2本足で歩いたの?」「恋するようになったのは、いつ?」…といった疑問がたくさん! そんな編集長の「?」を、京都大学名誉教授で人類学者である山極壽一さんにみっちり教えていただきました。

進化の図は間違っていた?! 編集長・滝沢カレンが持つ現在最大の謎〝人間の進化〟について徹底深堀り!【前編】

本日の先生は…

山極壽一さん

【山極壽一さん】
やまぎわ・じゅいち/1952年生まれ。霊長類学者。総合地球環境学研究所所長。ゴリラ研究の第一人者。著書に『猿声人語』(青土社)、『動物たちは何をしゃべっているのか?』(集英社)、『共感革命 社交する人類の進化と未来』(河出書房新社)など。

編集長・滝沢カレン

滝沢カレンさん

カーディガン¥75,900(インターリブ〈サクラ〉) ブラウス¥30,800(ROPÉ) パンツ¥19,910(アンクレイヴ〈アンクレイヴ スタンダード〉) 靴¥46,200(ファビオ ルスコーニ ジェイアール名古屋タカシマヤ店〈FABIO RUSCONI〉) ピアス¥42,900・リング¥330,000(マリハ)

気になる疑問をぶつけて進化の秘密に迫ります!

まさかあの進化のイラストが間違いだなんて! さっそくカレン編集長がひっくり返るような衝撃のひと言からスタートしたこのテーマ。まだまだ気になることはたくさん! 当時の社会の様子やこれから先の進化の行方まで、根掘り葉掘り聞いちゃいました。いよいよ本題スタート!

山極壽一さんと滝沢カレンさん

二足歩行になったワケ

カレン:直立歩行⁉ それが、祖先がわかっている理由なんですか?

山極:直立歩行はおそらく人間の祖先が熱帯雨林にいるときから始まっています。記録として残っている最古の人間の祖先はアフリカ大陸のチャドという国で見つかっています。これは熱帯雨林の外。つまり熱帯雨林から歩いて移動したということ。

カレン:それはいつごろですか?

山極:約700万年前。

カレン:二足歩行の人間は突然生まれたのでしょうか?

山極:熱帯雨林の中で生まれたと言われているのですが、化石が残っていないので詳しくはわからない。ですが、チャドで人類の祖先が見つかって以降、どんどん化石が発見されている。しかもすべてアフリカで見つかっていることから推察すると、人類誕生の場所がアフリカ大陸であることは間違いない。

カレン:じゃあ私のルーツも、アフリカにあるんですね! 二足歩行以外に、私たちの祖先の特徴ってあるんですか。

山極:二足で歩けるようになって、物を運べるようになったことも大きな特徴。元々、熱帯雨林は食物が豊富で、木など登って身を守るところが多い安全な場所。だから個人個人が自分の分だけの食物をとり、離れて食べていた。

だけど一歩そこから外へ出ると、危害を加えてくる動物なども多いので、のんびり食事をするなんて不可能。だから熱帯雨林から離れた人間の祖先は、家族や仲間のために、食物を安全な場所まで運び、みんなで一緒に食事するようになったんです。

二足歩行する猿人

▲人間の祖先は直立二足歩行になって、仲間のために食料を持ち運べるように。共同の食事は、人間にとって最古の文化であり、進化する上で重要な要素のひとつとなった。

カレン:そこで二足になって自由になった両手を使ったんですね! サルやゴリラは物を運べないんですか?

山極:運べません! 運べるのは人間だけ。しかもサルやゴリラは食べ物を共有しません。そうじゃないとケンカが起きてしまう。

カレン:じゃあサルから見たら私たちみたいにみんなで食事をすることはありえないんですね。楽しいのに!(笑)

山極:他の動物からしたら愚かな行動ですが、食事は人間にとっては大切な文化。そしてそれが人と人をつなげた。たとえば遠くに行った仲間が、自分の分の食べ物も持って帰ってくれるに違いないと、想像するようになったのです。

カレン:自分の好き勝手せず、みんなで協力し合っていたんですね!

山極:まさにそうして人間の社会性が成長していきました。

男女の身長差は大人と子供みたいだった!

原始人の男女

▲200万年以上前の男女の身長差はまるで子供と大人のよう。山極先生によれば、身長に男女差がある動物は一夫多妻制が多い。ということは人間もみんなそうだったかもしれない⁉

カレン:当時はどんな社会だったのでしょうか。

山極:200万年以上前の男女の体格差を見ると面白いことがわかります。今よりもずっと体格差があって、男性は160cmから180cm、女性は120㎝ほどだった。

カレン:そんなに違うとは! 食べ物が今とは違うからですか?

山極:食べ物ではなく、社会で変わるんです。男女の体格の差というのは社会の構成比を表している。人間のようにオスのほうが大きい動物は一夫多妻制が多い。本来、人間も一夫一妻制ではなかったかもしれない。

カレン:男女で身長差がある生物は一夫多妻制が多いなんてびっくりです。家族とかご近所さんの関係も今とは違うんですか?

山極:他者とのつながりに関しては今と変わりません。まず人間は家族をつくりますが、それ単体では暮らしてはいけない。複数の家族が集まって共同体をつくり、いろいろな仕事を分担しながら協力をして生きていました。

カレン:たしかに世の中にはたくさんの職業があって、私も家族以外の人と協力しながら生きています。

滝沢カレンさん

山極:実はその家族と共同体を両立させたのは人間だけなんです。たとえばゴリラは家族のような集団をつくっているけど、共同体はない。逆にチンパンジーは共同体しかない。

カレン:なぜ人間だけが両立できたんでしょう?

山極:それは共感力のおかげ。人間は相手の立場で物事を考えることができる。普通、共同体には、見返りが必要なんです。相手に何かをしてもらったら、そのお返しをしなければならない。

でも人間は相手のことを思って、自己犠牲を払える。先ほどお話ししただれかのために食べ物を集めてくるのは、その典型例。人間の共感力というのはここから育まれたのでしょう。

カレン:思いやりですね! ゴリラやチンパンジーもできそうなのに。

山極:それができないんです。彼らは自分のために群れに属している。自分のためにならないなら集団を離れます。そして一度離れたら元に戻れない。

カレン:相手の気持ちを考えられる人間だからこそ、いろいろな集団に所属できたんですね! 人間って尊い!!

恋愛するのは人間だけ

滝沢カレンさん

カレン:恋愛についても気になります。人間はいつ〝恋〟を覚えたのか、ラブレターはいつから書き始めたのか、を教えてください。

山極:化石など、形として残っているものから研究して過去を知ることはできるけど、昔の人の気持ちや行動まではわからない。でも恋は人間だけのもの。他の動物にはない独特な世界観。動物は交尾をするけど、それは恋愛ではない。たとえば、ゴリラのメスは他のオスのところへ行ったら、もう二度と戻ってこない。

カレン:人間みたいにお互いが時間をかけて恋をして結びつくということがないんですね。なんだか切ないかも…。

山極:人間は、一対一で愛し合うという約束事を決めたからこそ、家族と共同体を両立させることができたのかもしれない。だから一夫一妻制が生まれた可能性もありますね。そして夫婦という関係を保ちながら、他の共同体でさまざまな活動ができるようになった。

カレン:先ほどの両立の話ですね。当たり前のようにしていたけど複雑ですね。

山極:だから浮気はダメという価値観が生まれた。夫婦の関係と他の集団との関係を保つのは難しいことなんですよ。これは人間だけが起こした〝奇跡〟のようなものかもしれませんね。

脳みそはどんどん縮んでいる!?

滝沢カレンさん

カレン:少しずつ人間のことについてわかってきた気がします。これからも変化はしていくんでしょうか?

山極:するでしょうね。たとえば、今後人間の脳みそは縮み続けていくとか…。

カレン:え? どういうことですか?

山極:そもそも人間の脳みそはゴリラより3倍も大きいんです。

カレン:3倍⁉ 全然違うんですね。

山極:これも社会が関係しています。人間は大きな集団で暮らしている。お互いの関係を覚えておくために脳みそが大きくなったのです。人間が言葉を話し始めたのは7万年前から10万年前ほどですが、それよりもっと前から脳みそは大きくなっていた。

カレン:人間だけが言葉を話すようになったから脳みそが大きくなったのかと思いました。今の方が関わる人は多いのに、小さくなっていくんですか?

山極:実は、言葉が原因なんです。言葉が生まれて、頭のイメージをすべて言葉で表すことができるようになり、想像力が低下してしまい、脳の活動量も少なくなってしまった。

カレン:なるほど! しかも今やスマホとかまでありますよね。

山極:そう、我々はもうデータベースを持っていて、言葉を考えるということすらやめはじめている。10年前なら、友達の電話番号10件くらい言えましたよね(笑)。

カレン:確かに! 今はもうスマホに登録しているから覚える必要ない。

山極:人間はそういうものに多くを依存するようになった。それは情報社会がもたらした大きな課題です。

カレン:それで脳みそが小さくなっているなんて、気をつけなきゃ! 今日はたくさんのお話、ありがとうございました! また気になることが増えてきました。記録に残らず、わからないこともあるって、それだけ想像する余地があるということですね。ロマンが広がります♡

2025年Oggi1月号「編集長 滝沢カレン」より
撮影/深山徳幸 スタイリスト/伊藤舞子 ヘア&メイク/木部明美(PEACE MONKEY) モデル/滝沢カレン(Oggi専属) イラスト/下間文恵 構成/清水紘史、大椙麻未
再構成/Oggi.jp編集部

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