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【スタイリストが解説】洋服のタックとは?
パンツやスカートのディテールとしてあしらわれることが多い「タック」には、ファッション性に、どのような役割やメリットがあるのでしょうか? まずは、ギャザーとの違いやタックの種類について、スタイリスト・城長さくらさんに教えていただきましょう。
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タックの特徴
「タックとは、ウエスト下の生地を折り畳んでつくる『ひだ』のこと。タックを入れることで服に余裕が生まれ、着脱が楽になったり、座ったときのパツパツ感が軽減されます」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
ギャザーとの違い
「ギャザー(英語:gather)は『集める、寄せ集める』という意味で、布を寄せ集めた細かい『ひだ』のこと。ウエストや襟ぐりなどにあしらわれることが多く、ギャザーを入れることで立体感や美しいシワが生まれます。ギャザーの入ったスカートやブラウスは、ふんわりとしたシルエットが特徴的ですね。
一方、タック(英語:tuck)は、『すぼめる、押し込む』という意味。パンツやスカートに余裕を出したり、ボリュームを抑える効果があります。どちらも装飾技法のひとつで似ていますが、役割や仕様が異なるのがおわかりいただけますでしょうか?」
タックにはどんなメリットがある?
タックを入れることで、どんなメリットが生まれるのか見てみましょう。
1.動きやすくなる
「タックを入れることで、平面だった生地が体に沿うように立体的になり、動きやすくなります。また、タックを入れると生地の分量が増えるため、シルエットにゆとりが生まれます」
2.クラシカルな印象に!
「シンプルなパンツやスカートも、タックの縦ラインが入るだけでややクラシカルな雰囲気に。ちょっとした装飾ですが、あるとないとでは着心地はもちろん、見た目の印象もかなり変わります」
3.目眩し効果も期待できる
「腰まわりが張っている人にはタック入りのボトムがおすすめ! タックによる自然なふくらみで腰の張りがカモフラージュされ、目立たなくなりますよ」
ボトムで使われるタックの種類
主にパンツで使われるタックの種類を紹介します。タックのあるなしで、はき心地やシルエットが大きく変わるため、試着の際はタックの仕様を必ず確認しましょう。
【ノータック】
「タックが入っていないという意味。ウエストの下部分が平らなので、タイトなシルエットになります」
【ワンタック】
「左右にひとつずつタックが入ったもの。程よいフィット感が生まれるため、パンツによく採用されています」
【ツータック】
「左右にふたつずつタックが入ったもの。生地の分量が多く取られているため動きやすいのが魅力です」
タックを使ったファッションアイテム
タックというと、通勤用のスラックスのようなマニッシュなアイテムを思い浮かべるかもしれませんが、それだけではなく、華やかなスカートやデザインシャツなどにも多用されています。
【パンツ】
通勤アイテムとしても定番の、きれいめタックパンツ。マニッシュな雰囲気が『かっこいい大人』を連想させてくれる。スタイリッシュなデザインだけでなく、タックを入れることではき心地も快適に。
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【スカート】
ふわっとした立体的なシルエットとシャンパンゴールドが着こなしのアクセントになる主役級のスカート。タックを入れることでウエストまわりのふくらみが抑えられ、スタイルよく着こなせる。
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【シャツ】
『ピンタック』と呼ばれる、ピンのように細いタックは、シャツによく採用される技法。フロントにタックを入れることでニュアンスが生まれ、シンプルな白シャツもお洒落にキマる。
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【ワンピース】
折り紙のような立体的なタックデザインを上半身にあしらい、モードなエッセンスを加えたワンピース。ドラマティックなフレアシルエットは、シックでありながら華やかさも申し分なし。
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【最新】タック入りボトムを今っぽく着こなすポイント
通勤、休日ともに出番の多いタックパンツやタックスカート。この定番アイテムを今っぽく着こなすにはどうすればいいのか、スタイリストが解説します。
POINT1|まずはタック入りパンツで挑戦
「1タックもしくは2タック入った、たっぷりとしたシルエットがトレンド。ハイウエストのものが多いですが、少し腰を落としてゆるっとはくローウエストタイプも出てきています」
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POINT2|トレンドのショート丈トップスと好相性
「コンパクトなショートトップスとタック入りボトムの組み合わせ。トップスが短い分、ボトムのタックをしっかり見せることができます。ベルトでウエストマークするとさらに今っぽく着こなせますよ」
POINT3|デニムパンツもタック入りに注目!
「デニムにもタック入りのゆったりシルエットのものが出てきています。タックを入れることでシルエットにやや丸みがつき、フェミニンさが加わります。締め付け感が軽減されはき心地も◎!」
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【アイテム別】タックパンツのおすすめコーデを厳選
パンツに立体感を出し、美しいシルエットを生み出してくれるタック。そのおすすめスタイルを紹介します。
立体的なタックパンツで上下のボリューム感を揃えて
ボリュームのあるショート丈ダウンに、ゆったりとしたタックパンツを合わせて。ハイネックとジャージー素材のタックパンツを淡いトーンにまとめて、パキッとしたグリーンを引き立てる着こなしに。
濃淡グレーが上品でおしゃれな奥行きをもたらす
マニッシュなグレーのタックパンツを選ぶなら、地味とは無縁のほんの少しの〝華やかさ〟が欲しいところ。フェミニンなシャギーカーデやキレのあるメタリックパンプスなど、合わせるアイテムのテクスチャーにもこだわって。
旬のバレルパンツもタック入りできれいめ仕様
トレンドアイテムとして視線が集まるバレル(樽形)パンツ。腰回りはゆったり、裾に向けてテーパードするフォルムは、足元をできるだけすっきりさせるのが大人の正解。細身スニーカーの代表、コンバースはライトグレーを選んで上級者風にアップデートを。新顔パンツに洗練ニュアンスが宿ります。
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【アイテム別】タックスカートのおすすめコーデを厳選
フェミニンかつ華やかなスタイルに活躍するタックスカート。ウエスト下に入れたタックが、程よいボリューム感と美しいシルエットを生み出してくれます。
甘い白コーデを黒小物でピリッと引き締めて
ピュアで優しい印象の白を甘めに振り切ったホワイトコーデ。ふんわりとしたタックスカートにフリルブラウスやニットで白を重ねつつ、エッジイな小物で黒を投入。
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存在感のあるボリュームスカートにローファーで抜け感を
華やかなジャカードスカートは、金箔をちりばめたような大胆な柄とタックのもたらす立体感が魅力。オケージョンシーンにも映える一枚を、黒ニットやローファーを合わせてデイリーに着るのも、またかっこいい!
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ツイードジレを重ねて着こなしを盛り上げて
程よいボリュームのタックスカートに素材感のあるジレを合わせた最旬スタイル。アクセ代わりのゴールドボタンやぐるぐる巻いたチェック柄ストールが、ベーシックなスカートを華やかに見せてくれます。
最後に
マニッシュな着こなしにかかせないタックパンツや、エレガントなタックスカート。その快適な着心地や美シルエットを生み出す「タック」について紹介しました。特にボトム選びには重要な装飾なので、試着するときは必ずチェックしてください!
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。
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