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雑誌でもよく目にする「カットソー」。どんな意味か知ってる?
「カットソーを合わせる」「旬のボーダーカットソー」など、雑誌でもよく使われる言葉ですが、「どんな意味なの?」と、改めて聞かれると、説明できない人も多いかもしれません。そこで今回は、スタイリスト・城長さくらさんに、カットソーの意味や今年らしいデザインの選び方について聞きました。
カットソーの由来や定義について
「カットソーは、『cut(裁断)』と『sewn(縫製)』を組み合わせた造語。カタカタなので英語だと思いがちですが、実は和製英語です。ニット(編物)生地を裁断・縫製されてつくられたものはすべてカットソーと呼ばれるため、Tシャツやタンクトップ、ポロシャツなど、私たちが普段よく着ているアイテムの多くがカットソーに分類されます」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
Tシャツはカットソーの1種?それとも別物?
「『生地を裁断し縫製してつくられる』という意味を考えると、Tシャツはカットソーの1種と言えます。ただし、カットソーというのはとても大きなくくりなので、両袖を広げたときにアルファベットの『T』の形になる、襟のないシャツのことを『Tシャツ』と呼び、区別することもあるようです」
カットソーの素材にはどんなものがあるの?
「カットソーの素材は主に3種類あります」
【コットン素材】
カットソーでいちばん多く使われるのが、コットン。丈夫で吸水性に優れており、着心地もよい人気の素材。メリットが多い一方、洗濯すると縮んでしまったり、シワになりやすいといったデメリットも。
【リネン(麻)素材】
通気性が高く、サラッとした肌触りのリネンは、夏服に多く使われる素材。キメの荒い独特の素材感があり、吸水性に加え速乾性にも優れている。ただし、こちらもシワがつきやすいのが悩み。
【ポリエステル素材】
ポリエステルは、化学繊維でできた素材。シワになりにくく扱いやすいため、コットンやリネンにポリエステルを混ぜて使うことも。ツルツルとした肌触りが心地よく、乾きやすい特性があるため、夏用のカットソーやインナー、スポーツウエアなどに多く使われている。お手入れがしやすく人気の素材だが、静電気が起きやすいというデメリットも。
カットソーにはどんな種類があるの?
「カットソーの種類は幅広く、形や首元のデザインによって分けて呼ばれることもあります」
【Tシャツやスウェット、ポロシャツなど】
カットソーには、Tシャツ、スウェット、ポロシャツ、タンクトップ、キャミソールなどさまざまなアイテムが含まれる。形はそれぞれ違うが、カットソーの定義を考えるとすべて同じジャンルということ。洋服自体のデザインではなく、ラウンドネック、Vネック、ボートネックといった首元のラインによって区別される場合もある。
【ワンピースやパンツなど】
カットソーというとトップスを思い浮かべがちだが、ワンピースやパンツにも複数の生地を縫い合わせてつくられたものがある。Tシャツを長くしたようなワンピースのことを「カットソーワンピ」と呼んだり、縫い合わせのあるややカジュアルなパンツを「カットソーパンツ」と呼ぶことも。
「Tシャツやワンピースなど、それぞれに名前がついていますが、大きな定義で言えばすべてカットソーということ。でも、ワンピースポやロシャツのことをカットソーと呼ばれても、ピンとこない人も多いのでは!? そんなときは、カットソーをTシャツやポロシャツなどの『総称』だと考えると、しっくりくるのではないでしょうか」
カットソーに含まれないトップスはどんなもの⁉︎
身の周りにある服のほとんどがカットソーに含まれる感じがしますが、逆にカットソーではないものには、どのようなアイテムがあるのでしょうか? 見ていきましょう。
【シャツやブラウス】
シャツやブラウスは織物素材でつくられているため、カットソーに含まれない。カットソーに比べて生地にハリがあり、型くずれしにくいのが特徴。
【セーター(ニット)】
セーターは編み物生地だが、裁断せず編んでいくためカットソーには含まれない。ただし、セーターの中にも、ニットをカットして縫い合わせた「ニットソー」と呼ばれるものもあり、ブランドによって名称が異なる場合がある。
【2023年最新】今年らしいカットソーの選び方
定番アイテムだからこそ、シーズンごとに見直していきたいカットソー(トップス)。特に今シーズンはシルエットが大きく変化しているため、更新のチャンスでもあります。
POINT1|ショート丈が断然今年らしい!
「ここ数年、オーバーサイズのゆったりとしたシルエットが主流でしたが、今季はすそをバッサリカットしたショート丈がトレンド。ウエストアウトでもバランスを取りやすく、腰位置がグッと高く見えますよ」
POINT2|ワイドスリーブ&袖丈長めをセレクト
「丈が短くなっている一方、袖のボリュームが増しているのが特徴的。袖幅はやや広く、長さは手の甲が少し隠れるくらいのタイプが目立ちます」
POINT3|ジャストサイズでコンパクトにまとめる
「サイズ選びにも変化が! 最近はゆったり着るためにワンサイズ上げて着ることが多かったトップスも、今シーズンはジャストサイズを選ぶことが増えそう。上半身をコンパクトにまとめることで、スタイルアップも狙えます」
【色ごとの着こなし】カットソーのおすすめコーデ5選
色によってもガラリと印象が変わるカットソー。ベーシックカラーからビビッドカラーまで種類が豊富にあるからこそ、迷うこともありますよね。そこでここからは、Oggi世代におすすめの色選びや着こなしのコツをご紹介します。
シンプルな「白」こそボリュームスカートでドラマティックに装って
フレアスカートを合わせたきれいめスタイルには、糸が細くツヤのある白カットソーが好相性。ヌーディなサンダルでとことん女らしく。
「ネイビー」はトーンの近い色でまとめて今っぽく
コンサバ感の強いネイビーは、ブルーデニムや水色のストライプシャツを合わせてラフに着こなしたい。 同色系でなじませつつ、シルエットでメリハリをつけるのが、スタイルよく見せるコツ。
スタイリッシュな「黒」は小物で女らしさを盛る
ハイネックぎみの襟元やパワーショルダーなど、モダンな雰囲気の黒カットソーには、定番のパールネックレスで女らしさときちんと感をプラス。ボトムにデニムを合わせれば、特別感のある黒も気負わず、自然に着こなせる。
カジュアル「グレー」はレースタイトで華やかに
ロゴスウェットのようなカジュアルなアイテムには、エレガントなカラーレースのタイトスカートを合わせて。コンバットブールで足元にボリュームを出して、バランスよく。
「ピンク」はボーダー柄で脱甘見え!
甘くなりがちなピンクは、ボーダー柄でややカジュアルに! 発色のいいピンクを選ぶことで、キレのよい着こなしに。同系色のニットをゆるりと巻き、コーディネートに奥行きを出すのもポイント。
秋冬に「ピンク」を取り入れるには? …強めの色味選びがカギ!
【季節ごとの着こなし】メインでもインナーでも活躍! 季節に合わせたカットソーコーデ
春夏はメインアイテムとして、秋冬はニットやジャケットのインナーとしても使えるカットソー。ALLシーズン出番の多いカットソーの季節ごとのおすすめコーデをご紹介します。
春はカラーボーダーでプレイフルな着こなしを
モノトーンを選びがちなボーダーカットソーも、春は思いきってブルーをセレクト。コバルトブルーの鮮やかなパンツを合わせれば、旬の同色系スタイルが完成。肩がけしたニットやフラットパンプスもなじませカラーを選び、統一感をもたせて!
夏は白のワントーンで涼感たっぷり
爽やかな白カットソーは、暑い夏を乗りきるための頼れる相棒。シンプルな定番デザインも、アシンメトリーフロントのサロペットでひねりの利いた都会派カジュアルに。
秋はスウェットタイプの出番! 艶スカートで女っぽく着こなして
肌寒くなってきたら、厚手のスウェットが活躍。カジュアルなロゴ入りスウェットをフェミニンに着るなら、こっくりとした艶のサテンスカートが正解。
冬は白カットソーをニットからチラ見せ
コートやニットといった量感アイテムが主役になる冬は、白カットソーをレイヤードして軽さを演出。襟元にチラッと白が見えるだけで、顔まわりが明るい印象に。
“エイチ ビューティ&ユース”のコートでトラッドを小粋に楽しむ!
選びやコーデのポイントを押さえて着こなしをブラッシュアップ
通勤、デート、女子会など、いろいろなシーンで活躍するカットソー。同色系で合わせたり、異素材MIXしたり、Oggi世代におすすめのコーディネートをご紹介しました。定番アイテムではありますが、デザインも毎シーズン少しずつ進化しているので、この機会に手もちのアイテムを見直して、今季らしいおしゃれを楽しんでください。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は「Oggi」などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。
Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。