【目次】
・椿(ツバキ)の色別の花言葉
・椿(ツバキ)の名前の由来
・椿(ツバキ)の花言葉には怖い意味はある?
・椿(ツバキ)の花の種類
・最後に
椿(ツバキ)の色別の花言葉
「椿」全般の花言葉は、「控えめな素晴らしさ」、「控えめな優しさ」、「気取らない優美さ」、「誇り」です。「控えめ」というキーワードが多いのは、「椿」が華やかで存在感のある花を咲かせるのに対し、香りがほとんどないことからつけられたそうです。なお、英語の花言葉は「敬愛」や「感嘆」を意味する「admiration」と、「完璧」を意味する「perfection」です。次に、色別の花言葉を見ていきましょう。
赤の椿(ツバキ)の花言葉
赤の「椿」の花言葉は、「控えめな素晴らしさ」や「謙虚な美徳」、「気取らない優美さ」です。「椿」といえば赤色のイメージなので、「椿」全般の花言葉と同じものが多いですね。英語の花言葉は、「You’re a flame in my heart」で、日本語にすると「あなたは私の胸のなかで炎のように輝く」という意味です。日本の花言葉では、「控えめ」というイメージですが、外国の花言葉では、情熱というイメージのようですね。
白の椿(ツバキ)の花言葉
白の「椿」の花言葉は、「至上の愛らしさ」や「完全なる美しさ」、「申し分のない魅力」です。白は、純粋さを感じさせるので「愛らしさ」、他の色と混じっていないことから「完全」などの花言葉がついたのかもしれません。英語の花言葉は、「愛慕」や「崇拝」を意味する「adoration」と、「愛らしさ」を意味する「loveliness」です。
ピンクの椿(ツバキ)の花言葉
ピンクの「椿」の花言葉は、「控えめな美」や「控えめな愛」、「慎み深い」です。「美」や「慎み深い」などは、女性らしいイメージのピンク色にぴったりの花言葉ですね。また、英語の花言葉は、「恋しがる」という意味の「longing」です。
椿(ツバキ)の名前の由来
「椿」の名前の由来は、諸説あります。一般的なのは、光沢したツヤのある葉を持っていることから「艶葉木(ツヤハキ)」、もしくは「光沢木(ツヤキ)」という言葉が転じて「椿」と呼ばれるようになったとされるもの。他には、丈夫な葉を持っていることから「強葉木(ツバキ)」、厚い葉を持っていることから「厚葉木(アツバキ)」といった説もあります。また、昔は「光沢」のことを「つば」と言っていたので、「椿」を「つばの木」と呼んでいたことが由来ともいわれています。
ちなみに、2月8日は「椿の日」ということを知っていますか? これは、「2」=「つ」、「8」=「ば」の語呂合わせで、長崎県の五島市が制定したものです。もともと、長崎県五島市は、「椿」の自生地として有名で、昭和時代には椿油の生産量で全国一位になったほど。昔から「椿」とつながりが深かった長崎県五島市が「椿」をこれからも大事に守り育てていくために、「椿の日」を制定したのです。今でも、五島市では毎年2月頃に「五島椿まつり」を開催し、市をあげて「椿」の伝承に力を入れています。
椿(ツバキ)の花言葉には怖い意味はある?
「椿」の花言葉には、「罪を犯す女」という怖い花言葉があります。これが、怖い花言葉があると言われてしまう理由です。それだけ見ると怖い意味ですが、この花言葉が生まれた背景には、愛する人を思うが故に、罪を犯した女性の物語があります。
その物語は、フランスの小説『椿姫』です。舞台は19世紀半ばのパリ。主人公は美しい高級娼婦・マルグリットで、いつも椿の花を身につけていたことから、「椿姫」と呼ばれていました。華やかな暮らしを送るマルグリットでしたが、肺を患っており、不安や恐怖を抱えて日々を過ごしていました。そんななか出会ったのが、純粋な心を持つアルマンという青年。やがて二人は恋に落ち、マルグリットは娼婦の仕事と縁を切りました。
しかし、そんな二人の関係性をよく思わなかったアルマンの父親は、マルグリットに「息子を本当に愛しているなら別れて欲しい」と告げます。“娼婦”という肩書きにより、アルマンの将来をおびやかすのであれば… と思ったマルグリットは、身を引く決心をし、再び娼婦に戻ることにしました。裏切られたと思ったアルマンは、激怒し、マルグリットのもとを離れます。
時が経ち、アルマンは、マルグリットが自分のもとを離れた本当の理由を知りますが、時すでに遅し。マルグリットは肺の病気が悪化したため、この世を去っていました。このように男女の悲しい物語が、「椿」の裏の花言葉の由来になっているのです。
椿(ツバキ)の花の種類
「椿」は、観賞用としてだけではなく、種子からとれる椿油は、古くから食用や化粧用として用いられてきたなど、日本人の生活と深い関わりを持つ花木です。「椿」の特徴や開花時期など、基本的な情報を説明します。
基本情報
「椿」は、ツバキ科の常緑高木です。開花の時期は2月〜4月で、赤や白、ピンク色の花を咲かせます。主に暖かい気候の海岸や山林に生えており、北海道には自生しません。特に、長崎県五島や伊豆大島などは椿の名所です。「椿」は、庭木などでも親しまれていますが、種子からとれる椿油も有名です。血中の悪玉コレステロールを減らす効果があるとされるオレイン酸を豊富に含み、食用のほか、化粧品や薬品などの原料としても用いられています。
種類
日本が原産の「椿」は、日本国内でつくられた品種だけでも2000種を超えるといわれています。ここでは、代表的な品種をピックアップして紹介します。
・藪椿(ヤブツバキ)
一般的に「椿」といえば、この「藪椿(ヤブツバキ)」のことをいいます。日本で最も古い観賞用の花木で、園芸品種の基本種となっている木です。開花は2月〜4月で、直径5〜7cmの花を咲かせます。
・雪椿(ユキツバキ)
その名の通り、東北や北陸地方などの雪が多い山地に生える「椿」です。枝がよくしなるため、豪雪でも折れることがなく、4月〜6月頃になれば枝を持ち上げて開花します。「雪椿(ユキツバキ)は、「藪椿(ヤブツバキ)」が、寒さの厳しい日本海の気候に応じてできた品種といわれています。
・林檎椿(リンゴツバキ)
屋久島で見られる「藪椿(ヤブツバキ)」の変種で、「ヤクシマツバキ」とも呼ばれています。果実が5〜6cmほどにもなり、リンゴのように大きいことからその名前がつけられました。
・侘助(ワビスケ)
古くから、茶道の茶室に飾られる茶花(ちゃばな)として栽培されてきた品種。花は小ぶりで、半ばまでしか咲かないのが特徴です。
・太郎冠者(タロウカジャ)
「侘助(ワビスケ)」と似ているのが、「太郎冠者(タロウカジャ)」です。「侘助(ワビスケ)」と同じく茶花として用いられ、織田信長の弟・織田長益(おだながます)が好んでいた品種。織田長益の号が「有楽・如庵(うらく・じょあん)」であることから、「有楽椿」とも言われています。
・玉之浦(タマノウラ)
「椿」の名所である長崎県五島で発見された品種です。赤い花びらに白く縁取りされた美しい見た目が特徴で、日本のみならず海外でも人気です。
最後に
日本が原産の「椿」。庭木としてはもちろん、茶花としても好まれてきたなど、日本人との関係の深さを感じられる花木でした。地域によって見られる「椿」の種類が違うので、旅行がてら、その地域ならではの「椿」を観賞してみるのもいいかもしれません。
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