1. ともかく美形なチャ・ウヌが眼福の『女神降臨』
◆そばかすの赤ら顔が、メイクで美人女子高生に
不細工でいじめられていたヒロインは、ある日メイクで美人になれることを発見します。研究を重ねて出来上がったのが、女神のように美しい顔。メイクをしているときは目を見張る美女、メイクを落とすと赤ら顔でそばかすいっぱいという女子高生ヒロインのイム・ジュギョンをムン・ガヨンが演じています。
転校を機に素顔を見せないようにしたので、みんなから美人とあがめられる存在に。ところが、同級生男子に偶然すっぴんを見られてしまう。その同級生男子というのが美形のチャ・ウヌ演じるイ・スホです。
◆イケメン同士が張り合ってブロマンスにも
スホは、学校イチのルックスで成績もよくてスポーツもできるけど、不愛想で嫌なやつ。よりによってそんな男子にすっぴんを見られて! というところから、ストーリーが始まります。
二番手のハン・ソジュンを演じるファン・イニョプも、イ・ジュンギ似のイケメン。スホとイニョプは元々親友だったのですが、敵対していて恋のライバルにもなっていきます。
イケメン同士が一人の女の子をめぐって張り合っていく。一人は初めはライバルへの嫌がらせが目的だったのに、本気になっていくパターン。大ヒットドラマ『相続者たち』のイ・ミンホとキム・ウビンの関係性と同じですね。中盤からは男同士のブロマンスにもなって、ニマニマしちゃいます。
『相続者たち』のキム・ウビンも切なくて人気でしたが、このドラマの二番手も切ないんです。不良っぽく見えながら実は情が深いという好ましいキャラクターで、彼も丁寧に描かれていく。二番手を大切に扱っているといいドラマになるんですよね。みんなに幸せになってほしいという気持ちにさせられます。
◆「演技ドル」チャ・ウヌのツンデレが眼福
ウヌのツンデレは必見! 最初はヒロインを無視している感じだったのが、どんどん彼女に惹かれていって、最終的には体を張って守るようになる、正統派ツンデレですね。
アイドルグループASTROのメンバーのウヌ。本人も成績優秀で運動神経抜群で、マンチッナム(漫画から飛び出してきたような男)と呼ばれています。ともかく今観るだけで価値がある美形です。
◆キラキラした旬の美男美女が、眼福! 眼福!
韓国の人気ウェブコミックが原作で、コミックから飛び出してきたような作り込んだビジュアルです。クオリティが高いドラマもいいけど、小難しくないこういうドラマは、心を弾ませてくれる。お正月から楽しい気持ちになれるドラマです。
2. 大人の男ソン・スンホンの適度な抜け感『夕食一緒に食べませんか』
◆過去の愛に傷ついている二人が、ひょんなことから
主演ソン・スンホンの余裕綽々感が憎い! 彼が演じるのは人気があって仕事ができる、容姿も頭脳も完璧な精神科医ヘギョン。
対するヒロインのドヒ(ソ・ジヘ)は、映像制作会社のプロデューサー。YouTuberを抱えネット配信番組を制作する、はつらつとした女性です。
お互いに過去の失った愛を引きずって傷ついたまま、ひょんなことで出会います。夕食をともにしたことをきっかけに、ディナーメイトになっていくというお話。こちらも原作は人気のウェブコミックです。
◆素性を明かさないルールのディナーメイトだったのに…
「ディナーメイト」というのが新しいんです。複数で食事をするのが当たり前だった韓国に、一人で食事をするというスタイルが誕生しました。しかし、一人だとメニュー選びも不自由。お互い素性を明かさずに気兼ねなく語れるような、夕食をともにする友達になりませんか、ということになっていくんです。
職業も名前も知らないからこそ、過去の傷、元カノや元カレのことも含めて、なんでも話せる。ところが二人とも同じ時期に元カノ、元カレから復縁を求められます。お互いを知るようになっていくところからややこしくなっていくのが、面白いんです。
ディナーメイトは、お互いの個人情報を聞かないことやスキンシップ禁止などルールを設けて線を引いていたのですが、どんどん気持ちが近づいていっちゃう。
◆笑えちゃう「愛の不時着」ネタ
ヒロイン役のジヘは、「愛の不時着」でヒョンビンの婚約者を演じていました。彼女が「愛の不時着」の次に出た作品だから、不時着ネタが何度も出てきます。
1話には「愛の不時着」で一緒に二番手カップルを演じて人気となった、キム・ジョンヒョンが彼女を振る役で登場するので、ファン必見です。前世の夢のシーンでは「私の名前はダンだった」といいます。ソン・スンホンが北の軍服を着て出てきて、BGMも不時着そのままだったりして笑えます。
ジヘが演じるのは、元気いっぱいの女性プロデューサー。今まではクールなイメージが多かったけど、こういうのも似合うんだと驚きました。彼女は人気の精神科医をオファーするけど、断られて怒り心頭。しかし、ふたを開けてみたら、その精神科医はディナーメイトだった。
彼女を観ていると明るい気持ちになれます。破天荒タイプで仕事ができる。彼女が作る番組はハチャメチャだ、低俗だと言われたりするけど爆発力がある。食べるのが大好き、人間味たっぷりのパンチのきいた女性。自分の信念を貫いて仕事にあたり、まっすぐでうじうじしないので、観ていて気持ちよく共感できる女性像です。
◆ちょい悪でナルシストなソン・スンホンの魅力
なんといってもソン・スンホンのキャラクターが面白い。『紳士の品格』におけるチャン・ドンゴンみたい。しれっと、俺はハンサムだし人気だし、できないことはないみたいな。人生を楽しんでる大人の男。
ちょい悪と、くすっと笑えるナルシスト感、そして適度な抜け感がすごく素敵なんです。おちゃめだったり、すねたり、それも可愛い40代男子の魅力。かつて圧倒的な美しい顔で人気を博したスンホンが、ほんとにいい年の取り方をしてるなあって思います。その上、相変わらずきれいだから、ちょいナルな男でも全然許せるわけですよ。
そんな主人公たちなんだけど、過去の恋をひきずっていて人間味もあるストーリー。大人の軽妙な二人のやり取りもとてもよかったです。
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キラキラした旬の男女が演じる学園ものの「女神降臨」も、大人の余裕ソン・スンホン「夕食一緒に食べませんか」も、どちらにもキュンとさせられてしまうのが韓国ドラマの不思議なところですね。田代さんは、どちらもおすすめとのこと。年末年始は忙しくなってしまいそうです。
取材・文/新田由紀子
田代親世(たしろ ちかよ)
韓流ナビゲーター。テレビ・雑誌などで、韓流ドラマを紹介している。会員制韓流コミュニティ「韓流ライフナビ」を主宰。YouTubeで「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」を配信。
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