オッジェンヌ・大枝千鶴さんおすすめ!
Oggi世代にこそ読んでほしい、気持ちが晴れやかになる小説
Oggi専属読者モデル オッジェンヌ 大枝千鶴さん
35歳・IT関連企業勤務。週末には2~3時間カフェに籠もって読書を楽しむ、生粋の“活字フェチ”。
『自転しながら公転する』(新潮社)著・山本文緒
「茨城のアウトレットで働くどこにでもいそうな30代の女性が主人公。家族、仕事、彼氏、結婚、友人。ひとりの女性の繊細な心の動きの描写に何度も共感しました。私も真正面から向き合う事をなんとなく避けていたような事が明瞭に表現されていて、胸にグサッとくるシーンも。
特に不甲斐ない彼氏との将来に悩み喧嘩したシーンで描かれた主人公の心情が痛烈です。『この人がいなくなっても生きていける! と天啓を受けたようにはっきり思った。それどころか、この先、気の合う人に巡り合わなかったら別に一人でいい、気の合わない人と不安を解消するためだけに一緒になる必要なんか全然ないと初めて感じた』
実は私も同じ事で悩んでいたことがあり、スカッと視界が開けたような気持ちになりました。同世代のヒロインだからこそ共感がとまらない、気持ちが晴れやかになる小説です」(大枝さん)
2021年Oggi8月号「月刊オッジェンヌ」より
構成/篠﨑 舞
再構成/Oggi.jp編集部