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LIFESTYLE

2021.06.25

【ジェーン・スー×高橋優】20代後半からは「なめられないように」立ち回るべし!|ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』ラストスパート応援対談#3

熱い共感の声が続々と寄せられている話題のドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』。原作となったエッセイを書いた、ラジオパーソナリティーでコラムニストのジェーン・スーさんと、オープニングテーマ曲『ever since』を手がけたシンガーソングライターの高橋優さんに、今を生きるOggi世代へエールをいただきました。

『生きるとか死ぬとか父親とか』ドラマ化スペシャル対談、最終回となる第3回のテーマは、〝相談とか甘えとか寂しさとか〟。

自分で「いいこと言った」と思うときは、たいてい言えてない

――劇中のラジオシーンは、実際にスーさんが受けた相談をもとにしているとか(名セリフの数々は、スーさんが監修!)。頑張っている女性の孤独や誇りに寄り添ってくれる作品だなと感じますし、毎回気づきがたくさんあります。高橋さんもラジオのお仕事でファンの方から相談を受ける機会が多いですよね。おふたりが答えるときにはどんなことを大事にされていますか?

高橋さん:アドバイスというニュアンスからは逃げます(笑)。こうだよ、と言いきらない。もし僕がリスナーだったら、ラジオの中でメールを読まれただけでびっくりすると思うんですよね。「おー! 来たー!」って。そこで相談者さんが特別なこととして喜んでくださっているとしたら、あとできることは、トンと肩を叩く程度の言葉はないものかと探るくらい。

スーさん:だいたいの方が相談を受けるのが苦手とおっしゃるのもわかります。会ったこともない人の相談に行間を読んだ気になって答えている、私が不遜なだけなので(笑)。得意じゃないという人のほうが信頼できると思いますよ。あとは、ラジオだと書いて出して読まれるだけで7割5分くらい解決している。高橋さんがおっしゃるとおり、あとの2割5分、背中を押してあげるだけでいいんじゃないかな。

高橋さん:以前は熱く「こうだよ!」と言い切っていた時期もあるのですが、自分で放送を聴いたらなんだか訳が分からなかったんです。いいこと言ったと思うときって、たいてい言えてないんだなと(笑)。だからできるだけその人が押してほしいところを汲んで、自分の考えとつなぐポイントを探しますかね。

20代後半からは、「この人をぞんざいに扱わないほうがいい」と思わせるような態度を意識して

――昨今の世の中を見ていて、20代、30代のOggi読者に向けて、ここからの人生はこれを大事にしてほしいなと思われることはありますか?

高橋さん:最近心にグッと来たことが、Twitter上でありまして。ドラマをご覧になっている男性の方、おそらく吉田羊さんのファンの方なのかな。「吉田羊さんを見るとジェーン・スーさんを思い出します」というような感想をつぶやいていたんです。「それが残念だ」みたいな書き方で。そうしたら、スーさんご本人が返信で「甘ったれんじゃねえ」とばっさり。

スーさん:リプで直接来たから、これは返さねばと(笑)。

高橋さん:あれはなかなかできないです!

スーさん:(笑)

高橋さん:公式アカウントでつながっている人同士とかプライベートで接点のある友達ならできるかもしれないけど、視聴者の方にひとつ自分の言葉を返してしまうと、それに伴うリスクもあると思っていまして。スーさんはコメントのいい悪いにかかわらず、ちゃんとリアクションされていて。なんというか、もう世の中のうっ憤の答えがすべてつまっているというか、すごく痛快だったんですよね。

スーさん:一応、相手のアカウントホームは見に行きますよ。それで、この人なら「甘ったれてる」と言ってもたぶん伝わるなと。吉田羊さんではなく私に言ってくるのは、私に甘えているんですよね。「そんなこと言わないで観てくださいよ~」とか「ごめんなさい~」といった反応をもらって気持ちよくなりたい。そういう期待まで見えたので、「甘ったれんじゃねえ」とコメントしたのですが、その後、本人から「よく言われます」と返ってきた(笑)。大丈夫だな、よかったなと思いました。

高橋さん:今のパワーバランスを見ると、視聴者の人たちはなんでも言う権利があって、我々出たり見られたりする側は「たしかにおっしゃるとおり」「ごめんなさい」と言わねばならぬ風潮が強い気がするんです。

スーさん:そうなんですよね。

高橋さん:そこで原作者が「甘ったれんじゃねえ」と言う、スーさんだからこそできる。でも、そのくらいのパワーとかトリッキーさをOggi世代の女性にも取り込んでほしいなと。ここ最近の「ありがとう」を言い合っているきれいなTwitterより、100倍感動的でした!

スーさん:(笑)。若い人には物申すことなんて何もないですよ。もう好きにやってくれ! って思う。でも、高橋さんのお話を受けて思うのは、やっぱり「なめられないように」という点は20代後半くらいからは意識していったほうがいい。男性は年を重ねてなめられないシステムに入っていけるけど、女性はレールから抜けるのが難しいから。強くなる必要はないし、私みたいに「甘ったれるな」とも言わなくてもいいんだけど、「この人のことをぞんざいに扱わないほうがいい」と思わせるような自分の態度をもっておくと、仕事はしやすいかもしれませんね。

自分よりほかの人が幸せそうに見えると、ふとよぎる不安

――昨今は、長く続くリモートワークや自粛生活で思うように人に会えず、孤独を感じるという声も少なくありません。おふたりは、孤独や寂しさをどのようにとらえていますか?

スーさん:私、寂しくないんですよ。寂しいに鈍感。むしろひとりがいい。大勢での集まりとか疲れちゃって。だから自粛生活は、最高です。

高橋さん:ふだんは僕も集団が苦手でひとり大好きなんですよ。だけど、毎週ひとりでドラマを観ていて、スーさんが「この3人で観てます!」って吉田羊さんとかと一緒の写真をSNSに投稿しているのを見ると、「あ、いいなぁ」って寂しさがふつふつ湧いてくる(笑)。

スーさん:(笑)。はい、うちが公民館みたいになっています。

高橋さん:毎週、ドラマを観始めるときにみんなどうしてるかな? と思ってSNSを覗くと、すごく盛り上がってる。少なからず、「俺も混ぜて」と思っているんです。

スーさん:むしろ声かけていいのかな? と恐縮していたところです。ぜひご一緒しましょう。

高橋さん:いいんですか?

スーさん:もちろん! このご時世ですし少人数制でね。大人数は楽しいんだけど、カラータイマーがピコピコします。

高橋さん:しますね、ウルトラマンみたいに。無理だーって。

スーさん:私なんてみんながいても「今すぐここで横になりたい」と思ってる(笑)。

高橋さん:寂しさって不思議。もちろんひとりでドラマを観て幸せな方も多いと思うのですが、ひとりでいることの問題を感じるとするなら、他者を意識して「だれかといるほうが楽しいのかな」と疑問が生まれたときなのかなと。

スーさん:たしかに。今すごく楽しくてなんの不満もないけど、自分よりほかの人が幸せそうに見えると、途端に不安になったりすることはあるかもしれませんね。なんとなくキラッとした比較対象が目に入ってしまう。SNSがあると特に見ちゃいますよね。

高橋さん:僕は疲れちゃうので、けっこう見る時間を決めているんです。

スーさん:えらい…

高橋さん:スーさんは…

スーさん:常に見てます(笑)。SNSを見ていても寂しくはならないんです。ただ、うーん… という気持ちになるのはFacebookですね。TwitterやInstagramは海外セレブとか会ったことのない方がほとんどですが、Facebookって学生時代から知っている人が多いから、近すぎて日常がちょっと〝生臭い〟。ふたをしておきたいときは離れるようにしています。

――では最後に、もうひとつ家族についてうかがいます。直接会えないときでも親孝行としてできることはありますか?

スーさん:うちはとにかくLINEでの健康管理ですね。ひと月に1回のお墓参りだけは一緒に行きます。ただ、私は日ごろ電車にも乗りますし、仕事でさまざまな人と接点がありますので、80代の父に会うのは最小限にしています。親孝行は、自分がしたいときにすればいいですよ!

高橋さん:スーさんがおっしゃっていたように(対談第1回)、「後悔のないように親に話を聞いておく」ことでしょうか。親孝行したいと思ったときにしない人がなぜ多いのか。母の日にカーネーションを贈っておけばよかった… と思うなら、いつでも贈ればいいわけで。しない理由を考えてみるのも発見があるかも。この対談を読んでくださっている時点で読者の方も少なからず興味をもっていると思うので、もしかしたら『生きるとか死ぬとか父親とか』が家族や親孝行を考えるきっかけになるかもしれないですよね。

スーさん:一方で、親って〝ガチャ〟なんで、自分では選べないもの。とんでもない親に当たってしまう人もたくさんいる。親孝行している人を見ると後ろめたい気持ちになってしまうかもしれないけれど、親ガチャではずれを引いた方は、本当に何も気にしなくていいと思います。全力で逃げてほしい。これだけはぜひお伝えしたいです。

『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮文庫)の詳細はこちら

『ever since』のミュージックビデオはこちら

【高橋優さん衣装】
半袖シャツ¥19,800(Sian PR〈SHAREEF〉) ロングスリーブTシャツ¥8,250(ADONUST〈ROTTWEILER〉) ブレスレット¥27,500(buff) アイウェア¥47,300(ayame) その他/スタイリスト私物

【協力社リスト】
ADONUST:03-5456-5821
ayame:03-6455-1103
buff:0154-38-2600
Sian PR:03-6662-5525

撮影/相馬ミナ スタイリスト/上井大輔 ヘア&メイク/内山多加子(Commune) 構成/佐藤久美子

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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