疲れが顔を老けさせる!? 解消のヒントは肌細胞にあり!
ポカポカとあたたかくなり草木が可憐に色づく春は、心もワクワクと弾みますよね。その反面で季節の変わり目はカラダへの負担が大きく、「疲れが顔にでてしまう」なんてこともあります。
お疲れ顔は表情をどんよりさせるだけでなく、老けた印象を与えてしまう恐れも…。解消するにはどうすればいいのか? 肌細胞のメカニズムから科学的に解明してみます。
夕方のお疲れ顔が、あなたの印象を老けさせる!?
仕事帰りの夕方、鏡や窓ガラスに映る自分の顔を見て「わたし、こんなに老けているの!?」とショックを受けたことは誰にでもあるはず。メイクが崩れたから? それとも気のせい? 残念ながら、気のせいではありません。
マンダムの調査によると、第三者が同じ人物の朝と夕方の顔画像を見比べたとき、夕方の顔ではお疲れ印象がアップしていることが判明。さらに、“見た目年齢が平均0.8歳、最大で3歳も上がっている“なんていう恐ろしい結果もでています(※1)。つまり、日中の“疲れ”が、あなたの顔を老けさせているかもしれないのです。
※1:35~45歳女性34名の顔画像を朝夕2回撮影。21~49歳男女36名によって評価。
自覚のない細胞の炎症がお疲れ顔をつくってしまう…
私たちが暮らす毎日には、紫外線や空気の乾燥など肌にストレスを与える刺激がたくさんあり、それら刺激を日常的に受けていると、お肌の細胞は微弱な炎症反応を誘発します。
この炎症は表面化しないため自覚できないのですが、反応した肌細胞からは「炎症性サイトカイン」と呼ばれる炎症シグナルが出現。炎症シグナルは皮膚にさまざまな影響をおよぼし、うまく調節できないとお肌の機能を低下させてしまいます。
そこからお肌の乾燥や毛穴の開き、たるみ、ハリのなさなどを引き起こし、お疲れ印象の顔をつくってしまうのです。
肌の炎症シグナルを抑える細胞の感覚センサーを発見!
「お疲れ印象をなんとか解決したい!」とマンダムは考え、原因となる炎症シグナルの調節を目指して国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の石井健 教授(現 東京大学医科学研究所)と共同研究を開始。
そこで、マンダムが長年研究してきた温度や刺激を感知する感覚センサー「TRP(トリップ)チャネル(※2)」の一種である「TRPM4」がお肌の細胞に存在することを確認します。
さらに、TRPM4を活性化すると、肌細胞の炎症シグナルを抑制できることを日本ではじめて発見。活性化によって、肌の水分量の低下や毛穴の開きなどの改善が期待できることもわかったのです。
※2:TRP=Transient Receptor Potential。さまざまな感覚受容に関与する陽イオンチャネルファミリーで、化学物質や温度などを感知して電気信号に変換するセンサー。
▲TRPM4活性化による、表皮角化細胞からの炎症シグナル(サイトカイン)産生量に対する影響。表皮角化細胞において、炎症誘導によって産生されるサイトカインの量がTRPM4を活性化することによって減少しています。(出所:マンダム発表資料)
お疲れ顔には「アルムK」がおすすめ! お肌のあたためも効果的
お疲れ印象を解消するには、細胞の感覚センサーのひとつであるTRPM4の活性化が効果的です。では、どうやればいいのか? マンダムの研究チームは「アルムK」という成分を見出します。
アルムKの別名は「ミョウバン」。美肌の湯として有名な大分県「明礬(みょうばん)温泉」の主成分としても知られています。実はこれまで、明礬温泉の美肌効果のメカニズムはわかっていませんでした。
しかし研究によって、“アルムK=ミョウバン”が肌細胞のTRPM4を活性化させて肌細胞の炎症反応を抑制することが解明され、お肌の状態を整えている可能性があることがわかったのです。
マンダムが行った調査でも、アルムKを配合したモデルローションを朝晩2回、4週間使用してもらった方のお肌は水分量が増加していました。さらに、弾力のアップと毛穴目立ちの改善も確認しています(被験者数:13名)。
また、TRPM4は、35℃前後の温度でも活性化することがわかっています。
お疲れ顔が気になるときは一日の終りにゆっくりと湯船につかり、お肌をあたためてみてはいかがでしょうか。快適なバスタイムはココロとカラダを癒やすだけでなく、お疲れ顔のケアにもうってつけです。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
監修者 齋藤香織(さいとうかおり)
マンダム 基盤研究所 ライフサイエンス研究室
大阪大学大学院薬学研究科 特任助教
監修者 石井 健(いしい けん)
医学博士。東京大学 医科学研究所 感染・免疫部門 ワクチン科学分野 教授
東京大学医科学研究所 国際粘膜ワクチン開発研究センター センター長
医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター モックアップワクチンプロジェクト 招へいプロジェクトリーダー