きっかけは人気モデルのあの方…
まわりがどんどんスマホでスケジュール管理をしている中、どうしてもデジタル化できない、したくないのが手帳です。最大の理由は、スケジュールをいくつかお預けして決めていただく案件が一日にいくつもあるから… というのは建前で、本音は「このSLG(スモールレザーグッズ)がバッグに入っていると気持ちがアガるから!」
そう、その手帳とは、エルメスのジップ付き手帳です。この横長の形(=Vision)を愛用している人はわりと編集者で多く、私が入社した四半世紀前は、ファッション編集者の先輩のふたりにひとりがエルメスの手帳を使っている、といっても過言でない状況でした。ただ、エルメスの付属のペンを差して閉じるタイプのもので、めんどうくさがりの私にはそこが少し引っかかっていた30歳直前のあの頃…。
当時、私はOggiの姉妹誌・CanCamの編集者だったのですが、ある日、そこで戦友のように毎日を過ごしたモデルさん(今も大活躍のママモデルさん。旦那さんはプロ野球選手です)が持っていた手帳を見て、思わず…「それって?」と食いついたことを忘れません。そう、形は横長のエルメスでも、ジップで周りを覆う、長財布のような形だったのです!
その日の撮影後、すぐにエルメスに直行。しかし、ジップ付きは稀少らしく、しかもしっくりくる色になかなか巡り合えず… エルメスの前を通りかかるとチェックし続けてほどなく出合えたのが一番左端の薄いミント色でした。こちらは使い倒しすぎて今は自宅の思い出箱の中に眠っています。その後、まん中左右のふたつ(ピーコックグリーン色とフューシャピンク色)を2年連続で買い、そこから1年おきにテレコで使っていました。
そろそろ年季が入ってきたから、新たに… と思っても、なかなか日本に入ってくることがないというこの形。海外へ行ったときも必ず「エルメスで手帳状況を取材」を自分に課し、あきらめながらも苦節約10年… 昨年末に別件で立ち寄った、銀座のエルメスにあったんですよね、この新色のブルーが!
昨年は特に「自分へのご褒美と称した何か」を欲した時期で(言い訳その1)これは出合いだ! と購入。ショップの方に根掘り葉掘りお聞きしたところ、やはりこのジップタイプは相当レアだそうで、次にいつ、何色に出合えるかは本当にわからないなと思い…(言い訳その2)。
マンスリー部分はひと言日記用に♡
日々のスケジュールはウイークリーの見開きに、そして冒頭についているマンスリーの見開き部分には、ひと言日記をつけ続けています。天気やその日あったことを4~5行で。時には、ただ「疲れたー」を羅列してる日も。それもすべて、私の歴史です笑。
1年終わると外して保管しているレフィルは、16冊に
毎年毎年テーマがあるのもエルメスの素敵なところ。そのテーマがモチーフとなった表紙を眺めながら「あんなことあったなぁ…」と定年後に思い出に浸るのもいいのかな、と。レフィル自体はとても薄くて軽いので、断捨離モードな現在でも、もちろん「とっておく」ものになっています(どうしても1冊ないので、探し中)。人生100年時代、もう1回くらい、言い訳をしながら買い足したいと思う色に、出合いたいなぁ。
編集長 塩谷 薫
編集長としてOggi本誌を、室長としてOggi・Domaniのブランドを統括しています。幼稚園のときにひと目ぼれした巨人軍・原 辰徳監督に会いたくて小学生のときから編集者を目指しました! ファッション編集者歴は気付いたら… 2021年4月に25周年を迎えます。スポーツ観戦・アメリカのドラマ鑑賞・ゴルフが大好き♥ キュウリが苦手です。