コロナ禍だからこそ楽しめる! 妄想オーストラリア旅を8Dオーディオビデオで
すっかり冬寒くなってまいりました。例年なら多くの人が暖かい場所へとエスケープしていくこの時期ですが、今年のパンデミック状態では無理。せめて気分だけでも、と旅行会社や航空会社、地元ツアー会社各社がオンラインイベントなるもので現地の様子や情報を発信してくれています。
いろいろチェックしているのですが、「え? これでお金取るの!?」なものや、「これってツアー商品情報では?」といったようなクオリティに残念なものが少なくないかな、というのが正直なところ。
そんなオンライン動画状況の中、先日アップロードされた、オーストラリア政府観光局の動画がかなりリアルで秀逸。近頃YouTubeなどで増えているASMR動画の類の中でも、群を抜いた素晴らしさでもあり、旅好きの読者ならぜひチェックです。
◆ヘッドフォン装着で観る「8Dエスケープ」のリアルな中身
この動画の一番の推しは「音」です。8Dという立体音響技術でオーストラリアの色鮮やかな風景の中の音が再現され、美しい映像とともにかなりリアルに現地の様子が伝わってきます。
8D立体音響技術とは、いったいどんなものなのか? 専門家ではないのでよくわかりませんが、「実際にその動画の場面を体感しているかのように音が聞こえてくる8Dオーディオ技術」ということらしく、「観光局でこの技術を用いるのは世界で初めて」なのだそう。
日本音響研究所の鈴木所長の解析も済ませていて、「まさに自然の音が凝縮された内容」(鈴木さん)と太鼓判を押す素晴らしさ。
◆オーストラリアの旅テーマを6つの色にわけて疑似体験
動画は全部で6本。ウルルやフレーザー島、レインフォレストなど人気観光地の光や音、質感ごとにまとめ、それぞれを青、赤、マゼンタ、緑、黒、白と色にわけて編集・制作されています。
◆水の青:クジラの会話の声が聴こえる!
グレートバリアリーフに代表されるように、オーストラリアには美しいコーラルリーフの海が点在しています。その中からエスペランス、ベアードベィ、ハービーベィ、グレートバリアビーフで撮影されたのが青の動画。
崩れる波の音、水中のダイバーの息遣いなどが伝わってきて、“リアルにリアル!”。クジラが互いを呼び合う鳴き声には大変感動します。
◆想像力をみがく黒:タスマニアの星降る夜空
メルボルン、フィリップ島、カカドゥ国立公園のジムジム滝、ビクトリア国立美術館、セントクレア湖国立公園で撮影された動画。向かってくる大勢のペンギンの鳴き声、無音の夜空に広がる星、滝に落ちる水の音…。
耳をすまして聞いていると、確かにいろいろと妄想と想像をしてしまいます。
◆ネイチャー好きな緑:景色の中を音が360度くるくると
アーネムランドの大地を飛ぶ鳥の翼の音、ロットネス島の愛くるしい小動物コッカが餌を咀嚼する音、ブルーマウンテンズやディンツリーのレインフォレストに流れる小川をドローンで低空撮影した途中に聞こえてくるカエル、鳥、虫たちの声や自然音に癒されます。
◆冒険家の赤:赤い砂漠で踊るアボリジニ
赤い大地にドカンと存在するウルル、先住民族アボリジニの人々の踊る音、ホリゾンタルフォールズの赤い巨大な岩と岩の間を抜けていくボートのエンジン音、キンバリーの薄紫色の光の中の音…。新型コロナで眠っていた? 旅心と冒険心を高めてくれます。
◆夢見るマゼンタ:絶景風景の中で聞く自然界
まピンク色のハットラグーン、キンバリーやヒンチブルックの大絶景から聞こえてくる音、グレートオーシャンロードのドライブ途中の風や波の音が淡いピンク色の中から聞こえてきて、まったくもって実にロマンチックでございます。
◆やすらぎの白:広がる白の世界から聞こえてくるもの
まるでウユニ湖のように(と例えるのも失礼だけど)、広がるエア湖の白い空間を歩く音、世界最大の砂の島フレーザー島の白い波打ち際で大行進するカニの足音、コジオスコ山に積もった雪の上を歩くコアラの足音、オペラハウスの屋根をアップで捉えた白。
シンプルな白の景色の中から様々な音が聞こえてきます。
音響研究所鈴木所長によれば、8D立体音響とは「バイノーラル録音といって、人間の2つの耳にある音が到達する時間差や音量差をダミーヘッドやシミュレータ等を用いて録音する方法」で、ヘッドフォンで聴くことでその場にいるような立体的な音響体験が可能になるのだといいます。と読んだ後に、もう一度改めて聴き直してみてください。
自然の映像と360度音響によってかなりリアルに(本来聞くことのできない音まで)疑似体験できると思いませんか?
あー、動画に出ている全部の場所に行きたくなってきた。行って自分の耳と目で、ほんとうの“リアルのリアル”を体験してみたいと心から思わせてくれる、そんな動画なのでありました。
動画こちらから▼
オーストラリア政府観光局公式ウェブサイト内
オーストラリア政府観光局公式YouTubeチャンネル
TOP画像/(c) Tourism & Events Queensland
山下マヌー Manoue Yamashita
雑誌編集者を経て旅行コラムニスト/作家に。渡航回数350回超、最新刊『山下マヌーのランキンハワイ最新版』で著作は62冊に。
Travel columnist&writer after a magazine editor.
Over 350 times to foreign travel, and over 60 books of the copyright so that work.